エコキュートからガス給湯器に戻す費用は?やめたい理由や手順・注意点も解説
エコキュートの使い方に悩み、ガス給湯器に戻したいと考えるお客様からの相談を受けることがあります。
しかしエコキュートには、電力プランの割引やガス給湯器にはない利便性があることをご存じでしょうか。
この記事では、エコキュートからガス給湯器に戻す際の費用や手順、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
慌ててガス給湯器に戻せば「エコキュートのままでよかった…」と後悔するかもしれません。
この記事を読み込み、ガス給湯器に戻すかどうかの参考にしてください。
エコキュートからガス給湯器に戻す費用は最大約60万円
エコキュートからガス給湯器に戻す費用の内訳をみてみましょう。
- ガス給湯器本体:10~25万円
- エコキュートの撤去:1~4万円
- 配管工事:5~10万円
- ガス管工事:15~20万円
およそ30~60万円ほどの費用がかかります。
ガス給湯器の性能によっては、より高額になるケースもあるでしょう。
そのため交換費用を抑えたい方は、ヒートポンプ給湯器とガス給湯器の機能を両立したハイブリッド給湯器がおすすめです。
エコキュートを代表とする高効率の給湯器を導入すると、最大15万円の補助金が支給されます。
ハイブリッド給湯器は貯湯タンク内のお湯が不足した際、ガス給湯機能で迅速な湯沸かしが可能です。
エコキュートからガス給湯器に戻すか悩んでいる方は、補助金制度が充実している給湯器を導入しましょう。
【参考】経済産業省資源エネルギー庁「給湯省エネ2024事業」
エコキュートをやめたい方の主な理由
エコキュートをやめたい理由は主に7つありますが、ガス給湯器に戻せば解決できるわけではありません。
やめたい理由について、それぞれの機器で対応できるかどうかをまとめました。
やめたい理由 | エコキュート | ガス給湯器 |
停電時に動かない | ・災害時の緊急警報を感知して自動湯沸かし可能
・タンクのお湯を生活用水として使用可能 |
基本的に使用不可 |
お湯切れしやすい | リモコンやアプリでお湯の残量を確認して湯沸かし可能 | お湯切れはなし |
交換費用が高い | 補助金制度で交換費用を削減可能
※高効率の給湯器限定 |
|
騒音トラブル | 防音対策は必須 | 対策は必要なし |
水圧が弱い | 基本的にガス給湯器より控えめ
※ガス給湯器の水圧と同レベルの製品はあります。 |
500kPa前後の強い水圧を維持 |
メンテナンスに手間がかかる | 確認箇所が多く、頻繁なメンテナンスが必要 | エコキュートに比べて簡単 |
電気代高騰の影響を受ける | FITや太陽光発電システムで電気代を削減可能 | ガス代は他の要因で変動の可能性あり |
騒音トラブルやメンテナンスの手間など、たしかにエコキュートには気になる点があります。
しかし、停電時の対応力には誤解があり、水圧の弱さやお湯切れの問題、高額な交換費用なども補助金で対処可能です。
ガス給湯器に戻す前に、エコキュートの問題に対処できる方法がないか調べておきましょう。
エコキュートからガス給湯器に戻す5つのメリット
エコキュートからガス給湯器に戻すメリットは次の5つです。
- お湯をいつでも使える
- メンテナンスの手間が減る
- 給湯器の交換費用を抑えられる
- 水圧を気にせずに水道を使える
- 騒音問題を気にする必要がなくなる
1つずつ確かめていきましょう。
お湯をいつでも使える
ガス給湯器のメリットは、お湯をいつでも使えることです。
エコキュートは貯湯タンクの容量に限界があるため、お湯が不足した場合は、沸き上がるまで待たなければなりません。
特に、お湯の使用量が増える冬の時期には湯量が不安になるでしょう。
アプリやリモコンで湯量を確認すれば早めにお湯を追加できますが、いつでもお湯を使えるのはガス給湯器の大きな利点です。
メンテナンスの手間が減る
ガス給湯器はエコキュートに比べてメンテナンス部分が少ないため、手間が減ります。
それぞれのメンテナンス項目を比べてみましょう。
エコキュート | ガス給湯器 |
|
|
ガス給湯器のメンテナンス項目は4カ所と、エコキュートの半分です。
エコキュートはメンテナンスを怠ると部品の劣化が早まり、修理・交換の頻度が高まるため、丁寧なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスの手間を不満に思う方は多いでしょう。
給湯器の交換費用を抑えられる
ガス給湯器はエコキュートに比べて本体が安く、交換費用を抑えられます。
およその交換費用は次のとおりです。
- ガス給湯器:30~60万円
- エコキュート:40〜80万円
ガス給湯器は最大で50万円ほど安く購入できる可能性があります。
とはいえ、給湯省エネ事業を始めとする補助金制度を活かせば、エコキュートの購入費用は削減可能です。
またエコキュートは、追い焚きや保温、浴槽の洗浄、湯はりなどを自動でこなせるメリットがあります。
エコキュートからガス給湯器に戻す際は、交換費用以外の利便性も比べましょう。
水圧を気にせずに水道を使える
水圧の強さは、ガス給湯器がエコキュートに勝る明確な強みです。
複数の場所で同時にお湯を出しても、お湯の勢いは弱まりません。
しかし、エコキュートのなかにもガス給湯器と同じレベルの水圧を誇る製品があります。
例えば、水道直圧給湯方式を採用している日立のエコキュートなら、3階建ての建物でも湯はりやシャワーを問題なく使えます。
タンクの湯温やシャワーヘッドの条件によって水圧は変わりますが、強い水圧のエコキュートがあることも覚えておきましょう。
また、水圧の弱さにはエコキュートの部品やシャワーヘッドが関係するケースもあります。
エコキュートを使用している家庭で水圧の弱さに悩んでいる方は、次の記事をご覧ください。
関連記事:エコキュートの水圧は弱いって本当?原因から強くする方法まで解説!
【参考】日立公式サイト「浴室と台所など同時にパワフル給湯で快適に」
騒音問題を気にする必要がなくなる
エコキュートは機器の位置や角度など、設置時にミスがあると付近に振動音を響かせ、近隣住民の睡眠を妨害する可能性があります。
ガス給湯器に戻せば、騒音問題を気にする必要はありません。
とはいえ、防音対策を充実させればエコキュートの騒音問題に対応できます。
騒音問題を解決してエコキュートを使い続けたい方は、次の記事で防音対策をチェックしてください。
関連記事:エコキュートは騒音対策が必須!苦情・トラブルを避けるための対策9選!
エコキュートからガス給湯器に戻すデメリットは5つ
エコキュートからガス給湯器に戻せば、5つのデメリットに悩まされる可能性があります。
- 入浴の手間が増える
- 光熱費が高くなる可能性がある
- 電力プランの割引を活用できなくなる
- 災害時のライフライン復旧が遅くなる
- 災害時の生活用水を用意する手間が増える
それぞれ詳しく解説します。
入浴の手間が増える
ガス給湯器には、入浴の手間が増えるデメリットがあります。
例えば、三菱電機のエコキュートは次の内容を自動で完了させて、スムーズな入浴準備が可能です。
- 栓の開閉
- 浴槽の掃除
- 湯はり
- 保温
- たし湯
- さし湯
- 追い焚き
栓の閉め忘れ防止、浴槽の自動洗浄、専用アプリによる外出先からの湯はりなど、エコキュートの利便性は数多くあります。
入浴の準備時間を減らして、掃除・買い物・料理などに時間を使いたい方に、エコキュートはおすすめです。
【参考】三菱電機公式サイト「機能情報」
光熱費が高くなる可能性がある
ガス給湯器はエコキュートに比べて、光熱費が高くなる可能性があります。
関西電力でエコキュートに適したオール電化住宅のプランを採用すると、4人世帯の月の光熱費は約16,500円。
国の調査によれば、2023年の電気代とガス代を合わせた平均は17,474円です。
ガス給湯器をメインにすると、年間光熱費が12,000円ほど上がる可能性があります。
とはいえ、電気代は居住地によって大きく変わる点を考慮しなければなりません。
例えば、青森県在宅の4人世帯が東北電力でオール電化の夜間電力プランを利用すると、年間約22,000円の電気代がかかる試算結果が出ます。
電気・ガスの使用頻度を調べてから、エコキュートとガス給湯器のどちらにするかを選びましょう。
【参考】関西電力公式サイト「オール電化の電気代平均額と節約方法」
【参考】政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」
【参考】東北電力公式サイト「お住まいの県や世帯人数を選んで、チェック!」
電力プランの割引を活用できなくなる
エコキュートには電力料金を割引するプランがあり、ガス給湯器に戻せば割引制度を活用できません。
参考例として、四国電力の「でんかeプラン」は特定のエコキュートを使用する場合、電気代を毎月5%割引可能です。
毎月の差は小さなものですが、長期間利用すれば電気代の差は大きくなります。
エコキュートからガス給湯器に戻すか検討している方は、長期的な目線を持ちましょう。
【参考】四国電力公式サイト「でんかeプラン」
災害時のライフライン復旧が遅くなる
災害時にライフラインが復旧する早さは、電気・水道・ガスの順番が一般的です。
ガスの復旧が遅れる分、ガス給湯器を使えるようになるまで時間がかかります。
2016年に熊本地震が起きた際、それぞれのライフライン復旧までにかかった時間は次のとおりです。
- 電気:1週間
- 水道:約2週間
- ガス:約3カ月半
ガス復旧までの間、ガス給湯器のみの家庭では湯沸かしできず、お湯の用意に大量のカセットコンロが必要になるでしょう。
自然災害への対策を万全にしたい方には、ライフラインの復旧が早い電力を利用するエコキュートがおすすめです。
【参考】総務省「平成29年版 情報通信白書|ライフライン等の被害状況」
災害時の生活用水を用意する手間が増える
ガス給湯器の家庭では、浴槽や大量のペットボトルで生活用水を用意する必要があります。
一方、エコキュートなら、災害時にも生活用水を用意しやすいです。
停電が起きた際にタンクのお湯が残っていれば、台所の蛇口や浴室のシャワーからお湯を出せるため生活用水として利用可能です。
ただし、湯温の調整ができないため、火傷しないように注意しなければなりません。
災害時に起きる停電や断水に備えたい方は、エコキュートの防災機能を今一度確かめてみましょう。
【参考】パナソニック公式サイト「非常時にできること|はじめてのエコキュート」
エコキュートからガス給湯器に戻す手順
エコキュートからガス給湯器に戻す手順を解説します。
- 専門業者に見積もりを依頼する
- 既存のエコキュートを撤去する
- 必要な場合にはガス供給設備の敷設工事をする
- ガス給湯器を取り付ける
- 試運転で異常がないか確認する
工事の際に問題が起きないよう、確実に押さえておきましょう。
専門業者に見積もりを依頼する
まずは、実績が豊富な専門業者に見積もりを依頼します。
このとき、複数の業者に相見積もりを取るのが鉄則です。
業者によって費用や工事の質が変わるため、1社のみの見積もりでは正しい相場を判断できません。
また、業者の給湯器に関する知識不足は工事のミスを招き、修理や部品交換のリスクを増大させます。
信頼できる業者に給湯器の交換を依頼したい方は、次の記事で重要なポイントを押さえておきましょう。
関連記事:【知らなきゃ損】エコキュートの交換はどこに頼む?失敗しない業者選びのポイント5つを徹底解説
既存のエコキュートを撤去する
次は既存のエコキュートを撤去します。
通常のガス給湯器を撤去すると1~2万円かかりますが、高効率のハイブリッド給湯器なら逆に最大15万円/台の補助金が支給されます。
また、地方ごとに省エネ設備導入を支援する制度もあるので、交換費用を削減したい方は補助金制度を利用できるかチェックしましょう。
必要な場合にはガス供給設備の敷設工事をする
ガス供給用の設備がない住宅では、専用の配管を敷設工事する必要があります。
ガスを一切使わないオール電化住宅に住んでいる方は、工事が必要なケースが多いです。
なお、以前にガス給湯器を使用していた家庭なら、過去のガス供給設備を流用できる可能性があります。
とはいえ、古い設備は劣化している可能性が高く、流用すればすぐに修理・交換工事が必要になるかもしれません。
過去の設備を使えるかどうかは、専門業者に判断してもらいましょう。
ガス給湯器を取り付ける
ガス供給設備の工事・チェックの次は、ガス給湯器の取り付けです。
配管や配線を調整しつつ設置します。
なお、リフォーム時に増築してガス給湯器周りを屋内化するのはNGです。
周りの一酸化炭素濃度を高めて中毒を引き起こしたり、機器が故障したりする可能性があります。
給湯器周りをDIYで増改築する際は、専門業者に安全性を確認してもらいましょう。
【参考】経済産業省「リフォーム、お引越しの時」
試運転で異常がないか確認する
ガス給湯器の取り付けが完了したら、最後に試運転して異常がないか確認します。
水圧やお湯の温度、ガス漏れなどの問題がないかを確かめたら、ガス給湯器の交換工事は終了です。
まとめ:エコキュートからガスに戻すときは専門業者に相談しよう!
この記事では、エコキュートからガス給湯器に戻すときの価格やメリット、デメリットなどを解説しました。
エコキュートをやめたい理由のなかには、ガス給湯器に戻せば問題を解決できるものもあります。
たしかにエコキュートは、騒音問題やお湯切れへの対策は欠かせませんが、入浴準備の簡略化や生活用水として使えるなど便利な点も数多くあります。
また、地域によってエコキュートとガス給湯器の光熱費はバラつきがあるため、居住地に合った給湯器の選択が必須です。
エコキュートからガス給湯器に戻すか決める際は、専門業者の意見を参考にしましょう。
「お湯が突然出なくなった!」「エラーが頻繁に出る!」など、エコキュートに関するお悩みは交換パラダイスへご相談ください。 エコキュートの買い替えに対する悩みはさまざまで、どう対処したらいいのかわからないことも多いですよね。 交換パラダイスはこれまで、約1,700件以上のエコキュートに関するお悩みを解決してきた実績を持ち、Googleの口コミではありがたいことに★5つの高評価を数多くいただいております。 さまざまなお悩みに最適な提案をいたしますので、エコキュートについてお困りの場合には、ぜひ一度ご相談ください。 ※1 経済産業省の給湯省エネ事業2024の補助金対象のエコキュート(以下EQ)への交換における補助額であり、電気温水器からEQの交換の場合最大18万円支給されます。 EQからEQの場合は最大13万円となります。 当社はお客様の代わりに申請書類作成のサポートを行いますが、申請者はあくまでお客様自身となります。 また行政・自治体の判断で補助金が打ち切りになる等、給付が確約するわけではございませんので、あらかじめご承知おきください。 ※2 実質無料キャンペーン含む。無償保証規約はこちらから。 ※3 10年間毎年1回点検について… 当社で製品を購入していただいたお客様限定で、ご契約時に定期点検(別途有料:49,500円(税込))をお申し込みいただいた場合に限ります。 施工後10年間にわたり、毎年1回(初年度は3か月後、1年後の2回)、合計11回にわたり弊社が設置した給湯器に不具合がないかを無償で点検いたします。 購入した製品の製品不備確認(リコールだった場合メーカーへ打診協議をお客様の代わりに行います)や施工不備による部分修理などを全て無償で行います。 蓄電池や太陽光パネルを設置している場合、それらの点検・簡易修理も無償で承ります。 その他住宅関連の点検も希望される場合は、点検のご連絡の際にお伝えいただければ無償で点検対応いたします。 なお、一部エリアは対象外となります。詳しくはスタッフまでお尋ねください。エコキュートのご購入をご検討なら交換パラダイスにお任せください!
※1 ※2 ※3 注意事項はこちら