エコキュートとガスを併用するメリット・デメリット|後悔する前に確認しよう

エコキュートは便利な機能や高い節電効果で人気ですが、ガス機器も火力の強さで負けていません。
どちらかだけでなく、両方を使いたい方もなかにはいるでしょう。
そこでこの記事では、エコキュートとガス機器を併用するメリットとデメリットを解説しています。
また、どちらの機器が向いているかの特徴も紹介します。
この記事を読み、エコキュートとガスを併用するかどうかの参考にしてください。
エコキュートはガス機器と併用可能
エコキュートは、都市ガスやプロパンガスなどと併用できます。
併用する機器の主なパターンは次のとおりです。
- エコキュートで給湯する
- ガスコンロで料理する
- ガスファンヒーターなどの暖房を使う
エコキュートの夜間給湯で日中の消費電力を抑えつつ、火力を調整しやすいガスコンロでの調理と節電を両立する使い方ができます。
なお、オール電化住宅でガス機器を導入する場合は、機器の設置以外にガスの配管工事が必要なケースがあります。
ガス機器の導入手順を把握したい方は、次の記事をチェックしましょう。
関連記事:エコキュートからガス給湯器に戻す費用は?やめたい理由や手順・注意点も解説
エコキュートとガスを併用する4つのメリット
エコキュートとガスの併用には、4つのメリットがあります。
- ガス機器や調理器具をそのまま使える
- 電気代が高い日中にガス機器で対応できる
- 停電時にガス機器で対応できる
- 電気料金の値上げに対応できる
順番にみていきましょう。
ガス機器や調理器具をそのまま使える
エコキュートとガス機器を併用すると、ガスコンロで快適に料理できるのがメリットの一つです。
オール電化住宅で使われるIHクッキングヒーターには、次のデメリットがあります。
- 火加減を確認しにくくなる
- IH対応の調理器具が必要になる
- 火の危険性が伝わりにくくなる
IHでは既存の土鍋やフライパンが使えないため、専用の調理器具を購入しなければなりません。
ガスコンロを継続して使えれば、調理器具を新しく揃えずに済みます。
また、小さな子どもがIHで調理している所を見ると、火の危険性がわからずIH機器に触れて火傷するリスクがあります。
エコキュートとガスの併用は家事の利便性を高めるだけでなく、子どもに火の危険性を伝えることも可能です。
電気代が高い日中にガス機器で対応できる
ガス給湯器があれば、日中の高い電気代を払わずに済みます。
エコキュートは電気代が安くなる深夜に給湯し、日中の使用電力を減らすのがメインの使い方です。
もしも昼から夕方にかけてお湯が足りなくなれば、高い電気代をかけて給湯しなければなりません。
例えば東京電力の夜トク8では、1kWhあたりの電気代は以下の差があります。
- 深夜:31.64円
- 昼間:42.6円
日中にガス給湯器でお湯を沸かすことで、電気代を1kWhあたり約10円節約可能です。
電気代が高くなるリスクを減らしたい方は、ガス機器と併用しましょう。
また、エコキュートの電気代を抑える方法を知りたい方は、次の記事をご覧ください。
関連記事:エコキュートの電気代はどれくらい?安くできる節約方法やシミュレーションを紹介
【参考】東京電力エナジーパートナー公式サイト「夜トクプラン」
停電時にガス機器で対応できる
自然災害などの停電時には、ガス給湯器やガスコンロが活躍します。
エコキュートや家電は停電が起きると使えなくなり、復旧を待たなければなりません。
ガスストーブなどの暖房機器を使えれば、冬に停電が起きたときも体を暖められます。
自然災害への対策として、エコキュートとガス機器の併用はおすすめです。
電気料金の値上げに対応できる
電気代の高騰に対応しやすいのは、エコキュートとガス機器を併用する強みです。
国がおこなっている「電気・ガス料金支援」は、2025年3月まで継続予定ですが、いつ打ち切られるかわかりません。
支援が終了した場合、一般的な家庭の月々の電気代は約1,000円上がる可能性があります。
電気代を節約したい方は、ガスとの併用を検討しましょう。
【参考】環境省「家庭のエネルギー事情を知る」
【参考】経済産業省資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」
エコキュートとガスを併用する4つのデメリット
エコキュートとガスを併用すれば、以下のデメリットに悩む可能性があります。
- 基本料金の支払いが増える
- 配管工事をする必要がある
- 火災や一酸化炭素中毒のリスクがある
- エコキュートや太陽光発電システムの節電効果が下がる
デメリットを正しく把握すれば、コスト面と利便性を比較して後悔せずに併用可能です。
確実に押さえていきましょう。
基本料金の支払いが増える
まず見逃せないのが、基本料金が二重払いで増えることです。
エコキュートだけを使うなら、電気代の支払いだけで済みます。
例えば、2021年の平均的な電気代とガス代は以下のようになりました。
- 電気代:11.3万円
- 都市ガス:3.1万円
- LPガス:2.1万円
電気とガスの使用比率を間違えれば、光熱費が増えるリスクがあります。
ただし、電気代の高騰に合わせてガスを使うことで、光熱費の節約は可能です。
エコキュートとガスを併用するときは、基本料金の支払いが増えすぎないようにバランスよく使いましょう。
配管工事をする必要がある
ガス機器を導入するためには、住宅を工事してガス配管を通す必要があります。
オール電化住宅のようにガスを使わない家庭は、工事をしなければなりません。
ガス配管の工事費用は15〜20万円ほどです。
なお、工事の質や料金は業者によって変わるため、レベルが高い業者を探すためにも複数の業者に相見積もりを取りましょう。
火災や一酸化炭素中毒のリスクがある
ガス機器を使う場合、火災や一酸化炭素中毒を起こさないように注意する必要があります。
機器の故障や換気不足は、命の危険につながる要因です。
実際、34年ほど使い続けたガス給湯器の稼働中に換気をしなかった結果、一酸化炭素中毒による死亡事故が発生しました。
ガス機器を使うときは、事故を避けるためにもメンテナンスと換気を徹底しましょう。
【参考】独立行政法人製品評価技術基盤機構「Vol.375 2月 22日号 「一酸化炭素中毒の事故」」
エコキュートや太陽光発電システムの節電効果が下がる
ガス機器との併用は、エコキュートと太陽光発電システムの節電効果を下げる可能性があります。
太陽光発電システムは、発電した電力を電気代が高い日中に利用できるのが強みです。
しかし、ガス機器を導入すると、日中に発電した電力をエコキュートで利用する必要がなくなります。
太陽光発電システムを使っている方は、ガス機器との併用で売電・自家消費の効率が落ちないかを考えなければなりません。
エコキュートとガスの併用に向いている方の特徴
エコキュートとガスの併用は、以下の特徴に当てはまる方におすすめです。
- 自然災害への対策を増やしたい方
- 火力が強いガス機器を使いたい方
- 日中の電力使用量を抑えたい方
それぞれ詳しく解説します。
自然災害への対策を増やしたい方
自然災害への対策を充実させたい方は、エコキュートとガスの併用が有効です。
エコキュートには、災害が起きる直前に貯湯する機能はありますが、ライフライン復旧までにお湯がなくなる可能性があります。
停電が続けばエコキュートも止まり、お湯を使った調理や入浴もできません。
ガス機器が使えれば電力供給が停止したときも、インスタント食品を湯煎したりガスストーブなどの暖房を使ったりできます。
災害支援がスタートするまでの時間は約3日ですが、道路やライフラインの復旧が遅れれば、助けが来るまで3日以上かかる場合もあるでしょう。
災害時でも安全に過ごしたい方は、エコキュートとガスの併用がおすすめです。
【参考】内閣府「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」
火力を調節しやすいガス機器を使いたい方
さまざまな料理を楽しみたい方は、火力を調節しやすいガスと併用しましょう。
IHクッキングヒーターは火加減を目で確認しにくいため、ガスコンロでの調理に慣れている方は料理が難しくなりがちです。
ガスコンロを継続して使えれば、IHクッキングヒーターの使い方に慣れる必要はなくなり、スムーズに調理できます。
料理の機会が多い方は、IHクッキングヒーターとガスコンロの違いを把握しておくのがおすすめです。
日中の電力使用量を抑えたい方
日中に家電を使う頻度が高く、電力使用量を抑えたい方はエコキュートとガスの併用が有効です。
エコキュートは、深夜の電気代が安くなる電力プランとの連携が一般的で、朝から就寝前までの電気代が高くなります。
そのため、在宅ワーカーなど自宅で過ごす時間が多い家庭では、節電のために日中の家電利用を控えなければなりません。
ガス機器は電気代が高くなる日中でも使えるため、電力使用量の削減が可能です。
時間帯に関係なく家電を使いたい方は、エコキュートとガスを併用しましょう。
エコキュートとガスの併用が不向きな方の特徴
次の特徴がある方は、エコキュートとガスの併用に不向きといえます。
- 基本料金の二重払いがもったいないと思う方
- 火災や一酸化炭素中毒のリスクを避けたい方
- 太陽光発電システムを使っている方
併用して後悔する前にチェックしましょう。
基本料金の二重払いがもったいないと思う方
電気とガス料金の二重払いがもったいないと思う方は、エコキュートとガスの併用は避けたほうがいいでしょう。
例えば、東京電力エナジーパートナーと東京ガスの両方と契約する場合、毎月以下の基本料金がかかります。
- 1kWの電気代(夜トク8):255.69円
- 0〜20立方メートルまでのガス代:759円
※ガスの使用量は、2021年の平均値から算出
年間約9,000円のガス代が、光熱費に上乗せされる可能性があります。
とはいえ、電気とガスのセットで割引が効くプランを利用すれば、出費を抑えることは可能です。
基本料金の二重払いを減らしたい方は、電気とガス料金を安くできるプランを探してみてください。
【参考】東京ガス公式サイト「ガス料金の算定方法について」
火災や一酸化炭素中毒のリスクを避けたい方
火災や一酸化炭素中毒避けたい方には、ガス機器との併用はおすすめできません。
ガス機器の誤った使い方は最悪の場合、命に関わる事故につながります。
ガス機器を安全に使うためには、次の対策が効果的です。
- ガス・CO警報機を設置する
- 壁や柱から機器を離す
- 点火しているか確認する
- 換気扇の稼働・窓の開放などで換気する
- ガス機器とゴムホースを正しく取り付ける
ガス機器を使うときは、上記の対策で身の安全を守りましょう。
【参考】総務省消防庁「ガス機器による火災及びガス事故の防止」
太陽光発電システムを使っている方
エコキュートとガス機器の併用は、太陽光発電システムを使っている方に不向きです。
太陽光発電システムは、日中に発電した電力を売電や自家消費に活かすシステム。
ガス機器と併用する場合は電力が余ってしまい、節電額が減少するかもしれません。
ただし、太陽光発電システムはFIT制度によって10年間一定価格で売電可能です。
2025年の売電価格は15円で、年間9万円節電できる可能性を秘めています。
エコキュートなどを使うオール電化住宅でガス機器を併用する方は、太陽光発電システムとの相性を確かめておきましょう。
エコキュートと太陽光発電システムの連携についてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:エコキュートと太陽光発電の連携で光熱費を節約!メリットとデメリットを解説
【参考】経済産業省【公式】「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2024年度以降の買取価格等と2024年度の賦課金単価を設定します」
エコキュートとガスの併用は家族と相談して決めよう!
この記事では、エコキュートとガスを併用するメリットとデメリット、向き・不向きの方の特徴を解説しました。
エコキュートとガスの併用は、家事の利便性を高めたり災害対策を充実させたりするなどのメリットがあります。
一方で、基本料金の上昇や事故の危険性なども見逃せません。
エコキュートとガスを併用する場合は家族と相談し、専門業者の話も聞いて、家庭の事情に合うほうを選びましょう。
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