エコキュートのアース工事はなぜ必要?費用相場や危険性・アース線トラブルの対処法を解説

エコキュートを設置・使用するうえで欠かせないのが「アース工事」です。
なかには「本当に必要なの?」「付いていなくても問題ないのでは?」と疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。
ながお
また、アース線が切れたり外れたりした場合、誤った対応をすると危険性が高まります。
この記事では、エコキュートにアース工事が必要な理由から、起こりやすいトラブル・正しい対処法・工事内容や費用相場までを解説するので、参考にしてください。
エコキュートにアース工事が必要なのはなぜ?


エコキュートには、安全に使うための「アース工事」が欠かせません。
水まわりで使用し、なおかつ200Vの高電圧を扱う設備であるためです。
ここでは、エコキュートにアース工事が必要とされる主な理由を、3つの視点から解説します。
- 水まわりで使うため感電防止対策が必要
- 漏電を地面に逃がして事故を防ぐため
- 200Vと電圧が高く安全対策が欠かせないため
順に解説します。
水まわりで使うため感電防止対策が必要
エコキュートは、浴室やキッチンなど、水まわりで使われる給湯設備です。
水は電気を通しやすいため、万が一機器内部で漏電が起きると、感電事故につながるリスクがあります。
アース工事は、漏れた電気を人の体ではなく、地面へ逃がす役割を持ちます。
そのため、感電防止の観点からアース工事は非常に重要です。
特に、エコキュートは屋外設置が基本となり、雨や湿気の影響を受けやすい環境に置かれます。
こうした条件が重なることで、アース工事がされていない場合の危険性は、さらに高まります。
メーカーの施工説明書でも、水まわり設備として必ずアース接続をおこなうよう明記されており、安全に使用するための基本対策といえるでしょう。
漏電を地面に逃がして事故を防ぐため
エコキュート内部では、ヒートポンプや制御基板などの電気部品が常に稼働しています。
経年劣化や配線トラブルによって、漏電が起きる可能性はゼロではありません。
アース工事をおこなうことで、漏電時の電気を速やかに地面へ逃がし、人体や建物へ流れるのを防げます。
これにより、感電事故だけでなく、発熱や火花による火災リスクの低減にもつながります。



アース工事は、万が一のトラブル時に被害を抑える、重要な安全対策なのです。
200Vと電圧が高く安全対策が欠かせないため
エコキュートは一般的な家庭用家電とは異なり、200Vの高電圧電源を使用します。
電圧が高い分、漏電や誤接触が起きた場合の危険性も大きくなります。
100V機器であれば軽度のトラブルで済むケースでも、200V設備では感電時のダメージや火災リスクが一気に高まる点に注意が必要です。
そのため、エコキュートではアース工事を含めた厳格な安全対策が求められています。
メーカーが施工説明書でアース接続を必須としているのも、高電圧設備であることが大きな理由です。
正しくアース工事をおこなえば、電気トラブル発生時のリスクを抑えやすくなり、長期間安心して使用できるでしょう。
アース線とは?どんな役割があるのかをわかりやすく紹介


アース工事で使われる「アース線」は、エコキュートを安全に使うために欠かせない部材です。
しかし、具体的にどんな役割があるのか、わかりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、アース線の基本的な役割と仕組みを、専門知識がなくても理解できるように解説します。
アース線は感電・火災を防ぐための重要な安全装置


アース線は、エコキュート本体から電気が漏れた場合、人体ではなく地面へ電気を逃がすための安全装置です。
これにより、触れたときの感電事故を防ぐ役割を果たします。
また、漏電によって機器内部に電気がたまり続けると、発熱や火花が発生し、火災につながる恐れがあります。
アース線が正しく接続されていれば、こうしたリスクを防げるでしょう。
エコキュートは、水まわりで使用される設備のため、湿気や結露の影響を受けやすい点も特徴です。
そのため、アース線は「万が一」に備える基本的な安全対策として重要視されています。
アース線が電気を地面へ逃がす仕組み
アース線の役割は、万一エコキュート本体から漏れた電気を地面に逃すことです。
漏電が発生すると電気は抵抗の少ない経路を通ろうとしますが、アース線があることで自然に地面へ流れます。
この仕組みによって、電気が機器の金属部分や配管にとどまるのを防ぎ、感電や火災のリスクを下げられます。
あわせて、漏電ブレーカーが正常に作動しやすくなる点もメリットです。



正しい施工が、安全性を左右する重要なポイントといえるでしょう。
エコキュートにアース工事がされていないとどうなる?起こりやすいトラブル


エコキュートにアース工事がされていない場合、目立った不具合がなくても、安全面で大きなリスクを抱えることになります。
アース工事の未施工で起こりやすい代表的なトラブルは、下記の4点です。
- 感電リスクが高まる
- 漏電ブレーカーが正しく作動しない可能性がある
- 火災や基板故障など重大トラブルにつながる恐れがある
- メーカー保証が受けられなくなるケースがある
順に解説します。
感電リスクが高まる
アース工事がされていないエコキュートでは、漏電が起きた際に電気の逃げ場がなくなります。
その結果、機器本体や配管に電気が残り、触れたときに感電する危険性が高まります。
特に、エコキュートは浴室やキッチンなど水まわりで使われる設備です。
濡れた手や裸足の状態で触れる場面も多く、感電時の影響が大きくなりやすい点に注意が必要です。
一見すると問題なく動作していても、内部で漏電が進行しているケースも少なくありません。
アース工事がない状態は、常に感電リスクを抱えた危険な使用状況といえます。
漏電ブレーカーが正しく作動しない可能性がある
漏電ブレーカーは、異常を感知すると電気を遮断する重要な安全装置です。
しかし、アース工事がされていない場合、漏電を正確に検知できず、ブレーカーが作動しない場合があります。
本来であれば電源が遮断されるはずの状態でも、異常に気づかないまま使用が続いてしまうと、事故につながるリスクが高まります。
アース工事は、漏電ブレーカーが正常に働くための前提条件の1つです。
ブレーカーが付いているから安心と考えるのではなく、アースとセットで安全が確保されている点を理解しておく必要があります。
火災や基板故障など重大トラブルにつながる恐れがある
アース線がない状態で漏電が続くと、機器内部に電気が滞留し、発熱や火花が発生する恐れがあります。
これが原因で、火災や制御基板の故障など重大なトラブルにつながるケースも少なくありません。
特に、基板は精密部品のため、微細な電気トラブルでもダメージを受けやすく、修理費用が高額になる傾向があります。
場合によっては修理では対応できず、交換が必要になることもあるでしょう。
アース工事は、こうした深刻なトラブルを未然に防ぐための基本的な安全対策といえます。
メーカー保証が受けられなくなるケースがある
エコキュートのメーカー保証は、施工説明書どおりに正しく設置されていることが前提条件となっています。
アース工事が未施工の場合、この条件を満たしていないと判断される可能性があります。
その結果、故障や不具合が発生しても、保証対象外として修理費用が自己負担になるケースは少なくありません。
特に、初期不良や基板トラブルなど、高額になりやすい修理では大きな負担につながります。
安全面だけでなく、保証を有効に使うためにも、アース工事は確実におこなっておきましょう。
エコキュートのアース線が切れた・外れたときの正しい対処法


エコキュートのアース線が切れたり外れたりした場合、誤った対応をすると感電や故障につながる恐れがあります。
慌てて触るのは危険です。
ここでは、アース線トラブルが起きた際に、家庭で取るべき正しい対処法を解説します。
- エコキュートとブレーカーの電源を切る
- 自分で触らず見える範囲のみ確認する
- エコキュート専門業者(電気工事士の資格を持つ施工業者)に修理を依頼する
順にみていきましょう。
エコキュートとブレーカーの電源を切る
アース線に異常を見つけた場合、最初に必要な行動は「電源を切ること」です。
エコキュート本体の電源を停止し、あわせて分電盤のブレーカーも落としてください。



その状態で触れてしまうと、感電事故につながる危険性があります。
安全を確保するためにも、作業前の電源オフは必須です。
「電源を切ること」は、応急対応として誰でもできる重要なステップです。
自分で触らず見える範囲のみ確認する
電源を切った後は、無理に修理しようとせず、見える範囲の状態確認にとどめることが大切です。
アース線が途中で切れていないか、端子から外れていないかなど、目視で確認できる部分だけをチェックします。
アース線の接続や配線工事は、専門知識と資格が必要な作業です。
自己判断で触ったり、結線し直したりすると、かえって危険性が高まります。
「少し外れているだけだから」と安易に考えず、異常が確認できた時点で、専門業者に任せる判断が重要です。
エコキュート専門業者(電気工事士の資格を持つ施工業者)に修理を依頼する
アース線の修理や再接続は、必ずエコキュート専門業者に依頼しましょう。
アース工事や電源工事は、電気工事士の資格がなければできない作業です。
専門業者であれば、アース線の状態確認だけでなく、200V電源や周辺配線も含めて安全に点検してもらえます。
原因を特定したうえで、適切な配線工事をおこなってくれる点も安心材料です。
エコキュートは高電圧を扱う設備のため、早めに専門業者へ相談すれば、事故や故障のリスクを抑えやすくなります。
エコキュートの修理業者の見つけ方に関しては、下記の関連記事を参考にしてください。
【関連記事】エコキュートの修理業者はどこがおすすめ?修理の費用相場やタイミングを解説
エコキュートのアース工事ってどんなことをするの?作業内容をわかりやすく解説


エコキュートのアース工事と聞くと、具体的にどんな作業をするのか知らない方も多いと思います。
アース工事の具体的な作業内容は、下記のとおりです。
- アース棒を地面に埋めて電気の逃げ道をつくる
- エコキュートまでアース線を配線する
- 電気系統周辺の安全確認をおこなう
順にみていきましょう。
アース棒を地面に埋めて電気の逃げ道をつくる
アース工事での最初の作業は、電気を地面へ逃がすための「アース棒」を地中に埋設することです。
アース棒は金属製で、地面としっかり接触させることで電気を分散させる役割を果たします。
設置場所は、土壌の状態や周囲の配管状況を考慮して決められ、必要に応じて深さや本数を調整します。
十分な接地抵抗が確保できなければ、アースとしての効果が発揮されにくくなるためです。
この工程は、エコキュートの安全性を左右する重要な基礎作業といえるでしょう。
エコキュートまでアース線を配線する
アース棒を設置した後は、エコキュート本体までアース線を配線します。
アース線は、漏電が発生した際に電気を確実に地面へ導くための通り道です。
配線時には、途中で断線やゆるみが起きないよう、物にこすれたり負荷がかかったりしない位置を選んで配線します。
また、エコキュート本体の指定端子への正しい接続も欠かせません。
施工説明書に沿った配線がおこなわれていないと、アース工事の効果が十分に発揮されない可能性があります。
そのため、専門業者による確実な施工が重要です。
電気系統周辺の安全確認をおこなう
アース工事の最後は、電気系統全体の安全確認です。
アース線の接続状態だけでなく、200V電源や分電盤、漏電ブレーカーの動作もあわせてチェックします。
これにより、万が一トラブルが起きた場合でも、電気が適切に遮断される状態かどうかを確認できます。
異常が見つかれば、その場で調整や修正がおこなわれる場合もあるでしょう。
こうした最終確認まで含めて、アース工事は完了します。
見えない部分だからこそ、丁寧な確認作業が安全性を高めるポイントといえます。
エコキュートのアース工事の費用はいくら?相場と追加費用の目安


エコキュートのアース工事を検討する際、気になるのが費用ではないでしょうか。
工事内容や設置状況によって金額は変わりますが、ある程度の目安はあります。
ここでは、基本費用の相場と追加費用が発生しやすいケースについて解説します。
基本的なアース工事の費用目安
エコキュートのアース工事のみをおこなう場合、費用の目安は1〜3万円前後が一般的です。
内容としては、アース線の配線や接続確認、電気系統の簡易チェックなどが含まれます。



一方、設置環境によっては配線距離が長くなり、費用がやや高くなることがあります。
正確な金額は現地調査で判断されるため、事前に見積もりを取って確認することが重要です。
アース棒新設時の追加費用
敷地内にアース棒がない場合や、既存の接地状態が基準を満たしていない場合には、新たにアース棒を設置する必要があります。
この場合、追加で1〜2万円程度かかるケースが多いです。
土壌の状態によっては、深く打ち込む必要があったり、複数本のアース棒を使用したりする場合もあります。
その分、作業時間や材料費が増えるため、費用も上がります。
安全性を確保するための工事であり、安さだけで判断せず、基準を満たした施工がおこなわれるかが重要です。
交換工事に含まれる場合との違い
エコキュートの交換工事をおこなう場合、アース工事が工事費に含まれているケースも少なくありません。
この場合、単体で依頼するよりも費用を抑えられることがあります。
ただし、すべての現場で追加費用が発生しないわけではありません。
アース棒の新設や配線の延長が必要な場合は、別途費用がかかることもあります。
交換工事と同時に依頼する場合は、見積もり内容にアース工事が含まれているかを、事前に確認しておくと安心です。
エコキュートの工事費も含めた交換費用に関する情報は、下記の関連記事をご覧ください。
【関連記事】エコキュートの交換費用は?買い替え時期やメリット・補助金活用について徹底解説!
エコキュートのアース工事は安全のために不可欠!迷ったら専門業者に相談を


エコキュートのアース工事は、感電や火災といった事故を防ぐために欠かせない安全対策です。
水まわりで使用し、200Vの高電圧を扱う設備だからこそ、アース工事の有無が安全性を大きく左右します。
また、アース線が切れたり外れたりした場合は、自己判断で対応せず、専門業者への相談が重要です。
正しい施工は、メーカー保証を守ることにもつながります。
エコキュートを安心して長く使うためにも、アース工事に不安がある場合は、エコキュート専門業者へ早めに相談しましょう。
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