エコキュートにお湯がたまらないのはなぜ?湯増しされない原因と対処法を解説!

「エコキュートのお湯がいっぱいにならない」「貯湯タンクにお湯がたまらない」といった経験はありませんか?
エコキュートは電気を使ってお湯をためる仕組みですが、使用状況や外気温の影響を受けるため、さまざまな理由で湯増しが正常におこなわれないことがあります。
この記事では、エコキュートで湯増しされない原因と、対処法をわかりやすく解説します。
故障のサインや修理が必要なケースも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートが湯増しされず貯湯タンクにお湯がたまらない7つの原因
エコキュートが湯増しされない原因は主に下記の7点です。
- お湯をあまり使わない日が続いた
- 夜間にお湯を大量に使用した
- 夜間に停電になった
- 外気温が低い
- エコキュートに備わっている機能が原因
- タンクや配管から水漏れしている
- 温度センサーなどが故障している
1つずつみていきましょう。
原因①|お湯をあまり使わない日が続いた
エコキュートは、普段使うお湯の量を学習して必要な分だけのお湯を沸かします。
そのため、数日間ほとんどお湯を使わないとタンク内の残湯量が多いと判断され、湧き上げる量が減ることがあります。
これにより、お湯が足りないように感じることがありますが、これは正常に稼働している証拠であり故障ではありません。
ただし、お湯が不足する状態が続くようであれば、夜間の沸き上げ量を増やすよう設定を変えましょう。
原因②|夜間にお湯を大量に使用した
エコキュートは、主に電気代が安い夜間にお湯を沸かして貯湯します。
しかし、夜間に家族全員が長時間入浴したり、洗濯や食器洗いで大量のお湯を使ったりすると、翌朝にはお湯が不足するときがあります。
このようなケースでお湯がたまらない場合も故障ではありません。
ただし、夜間に多くのお湯を使うことで昼間に湯切れが続く場合には、お湯を使う時間帯や湧き上げ量を見直すことをおすすめします。
原因③|夜間に停電になった
エコキュートは電力を利用してお湯を作るため、夜間に停電すると通常の沸き上げがおこなわれません。
沸き上げ中に停電したりブレーカーが落ちたりすると、沸き上げはその時点で止まってしまいます。
その結果、沸き上げがおこなわれるはずの時間帯に停電した場合、沸き上げが十分におこなわれません。
結果、朝になってもお湯が十分にたまらず、不足するケースがあります。
この場合も故障ではありませんが、電源が落ちていた場合には時刻設定などがずれている可能性が高いため、リモコンの電源を入れ時刻設定などもやり直しましょう。
原因④|外気温が低い
エコキュートはヒートポンプ技術を利用して空気中の熱を取り込み、お湯を沸かす仕組みです。
そのため、冬場など温度が極端に低いと熱を取り込みにくくなり、お湯を沸かす時間がかかったり、十分にお湯が作れなかったりします。
これも故障ではないため、春や夏は問題なかったのに秋から冬にかけて満タンにならない日が続くときには、設定を見直してみましょう。
原因⑤|エコキュートに備わっている機能が原因
もともと備わっている機能が原因で、お湯がいっぱいにならないケースもあります。
メーカーや機種にもよりますが、エコキュートには自動沸き増し設定が搭載されており、お湯が足りなくなったら自動的に沸き増しをおこなって、足りないお湯をカバーします。
しかし、例えばパナソニックのエコキュートに搭載している「ピークセーブ」機能は、昼間の沸き上げを制限するため、沸き増しが自動でおこなわれません。
また、パナソニックには「ソーラーチャージ」機能を搭載している機種があり、太陽光発電システムとの連携を前提としているため、お湯を沸かす時間帯を日中と夜間に分けます。
太陽光発電システムでの余剰電力で日中に沸き増しするようにエコキュートがコントロールするため、夜間に十分な沸き上げがおこなわれない場合考えられるのは、「ソーラチャージ」を設定していることです。
結果、朝起きても貯湯タンクがいっぱいになっていないときがあります。
「ソーラーチャージ」や「ピークセーブ」の機能は他のメーカーや機種にもついている場合があるため、取扱説明書をチェックして不要な機能は停止しましょう。
原因⑥|タンクや配管から水漏れしている
タンクや配管から水漏れが発生していると、沸き上げが正常におこなわれていても結果的に湯量が不足します。
特に長年使用している場合には、水漏れが起きやすいです。
タンク周辺で水漏れがないか、リモコンにエラー表示が出ていないかをチェックし、水漏れしているときには、水道業者やメーカーや給湯器専門業者などに連絡をして修理してもらいましょう。
原因⑦|温度センサーなどが故障している
エコキュートには湯温や残湯量を管理するセンサーが搭載されていますが、これが故障すると誤った情報を検知し、正常に湯増しされないことがあります。
例えば、貯湯タンクに内蔵された温度センサーが故障したときは、沸き上げが途中で止まってしまうこともあります。
また、沸き上げはおこなわれているはずなのに翌日の朝にお湯がたまっていない場合や、目盛りが満タンでもすぐに湯切れしてしまうときなどは、温度センサーなどの故障の可能性も高いです。
この場合も、メーカーや給湯器専門業者などに修理を依頼しましょう。
エコキュートはどうやってお湯をためている?
エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用し効率的にお湯を温めて貯蔵するシステムです。
ここでは、エコキュートがお湯をためる仕組みを具体的に解説します。
- エコキュートの貯湯タンクの仕組み
- エコキュートの残湯量表示の仕組み
- エコキュートの沸き上げにかかる目安時間
順にみていきましょう。
エコキュートの貯湯タンクの仕組み
エコキュートを構成しているのは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの2つです。
ヒートポンプユニットでは、空気を圧縮して熱を生み出し水道水を温め、貯湯タンクユニットでは、そのお湯をためておいて各所に給湯します。
貯湯タンクユニット内は、下記の3つの層に分かれています。
- ヒートポンプユニットで温めた80度~90度の熱湯がたまっている上層部
- 水道水を給水している下層
- 熱湯と水道水が混ざっている混合層
電気料金が安くなる時間帯になると、下層にある水道水はヒートポンプユニットで温められ、上層部にある熱湯の量が増えます。
そして、温度調節弁で熱湯と水道水が混ぜられて設定温度になった状態で各所に給湯される仕組みです。
お湯を使うごとに水道水の割合が増えていき、最終的にお湯がなくなった状態を「湯切れ」と呼びます。
つまり、「湯切れの状態」とは、タンク内の水が空っぽになったわけではなく、使えるお湯が切れた状態のことです。
エコキュートの残湯量表示の仕組み
沸き上げをしているのに、リモコン残湯量のメモリが増えない場合もあります。
リモコンに表示されるタンクの残湯量は、タンク内に残っているお湯の量を示していると思われがちですが、実際の残湯量表示は、タンク内に残っているお湯の量を示しているわけではありません。
表示されているのは、リモコンで設定した給湯温度(通常は40〜43度)にした場合で使えるお湯の量のことです。
タンク内にたまっている実際のお湯の温度は、リモコンで設定した給湯温度よりも高温で、60度から90度の熱湯がためられており、水道水と混ぜて適温に下げられ蛇口へ送られます。
そのため、タンク内の温度が下がれば、水道水と混ぜたときに使える湯量が減るため、自然と残湯量表示のメモリが減っていきます。
エコキュートの沸き上げにかかる目安時間
「沸き上げ」とは、貯湯タンクにためるお湯を沸かしている状態のことです。
満タンの状態までお湯を沸き上げる時間は、外気温や水温によって異なりますが、一般的には、夏場であれば3〜4時間、冬場の寒冷時には7〜8時間程度かかるとされています。
また、リモコンに表示される沸き上げ完了までのメモリを1つ増やすのに、一般的に約1〜2時間かかります。
浴槽のお湯がたまらない3つの原因
エコキュートでお湯がたまらない症状としては、貯湯タンクだけでなく浴槽にお湯がたまらないケースも少なくありません。
浴槽のお湯がたまらない主な原因は下記の3つです。
- ゴムパッキンやフィルターが劣化している
- 水位・湯量センサーが故障している
- 給湯器内部が故障している
順にみていきましょう。
原因①|ゴムパッキンやフィルターが劣化している
浴槽の排水栓に使用されているゴムパッキンや、循環アダプターのフィルターが劣化・破損していると、お湯が漏れて浴槽にたまらないことがあります。
ゴムパッキンが劣化すると、排水栓が完全に閉まらずにお湯が流れ出てしまい、フィルターの目詰まりや破損もお湯の循環を妨げる原因となります。
これらは消耗品であり、DIYで市販品と交換も可能です。
原因②|水位・湯量センサーが故障している
エコキュートに搭載されている浴槽の水位や湯量を検知するセンサーが故障すると、正確な水位や湯量を検知できず、適切なお湯張りがおこなわれません。
特に、設定した湯量よりも少ない量でお湯張りが止まるケースや、湯増しされないときは、センサーの不具合が考えられます。
水位・湯量センサーの不具合によりお湯がたまらない場合は、一時的なエラーのケースも多いですが、慢性的な故障の可能性もあります。
センサーエラーがたびたび起こり、お湯のたまらない状況が続くときには、給湯器専門業者に依頼して点検修理をおこないましょう。
原因③|給湯器内部が故障している
本体の内部部品、例えば電気系統や配管などが故障している場合も、適切にお湯を供給できないためお湯がたまりません。
特に、長期間使用しているケースでは、内部部品の劣化や不具合が発生しやすいです。
エコキュートの寿命の目安は約10年であり、使用年数が長ければ長いほど故障のリスクも高まります。
給湯器内部の故障が考えられる場合は、無理に自分で直そうとせず、早めに給湯器専門業者に連絡しましょう。
エコキュートのお湯が湯増しされない場合の5つの対処法
ここでは、エコキュートが湯増しされない原因を特定したうえで対処法を解説します。
具体的には下記の5つです。
- リモコンのエラーコードを確認する
- エコキュートの設定を変更する
- 水漏れなどの異常がないかチェックする
- エコキュートを1度リセットする
- 給湯器専門業者に修理を依頼する
順にみていきましょう。
対処法①|リモコンのエラーコードを確認する
リモコンには、異常が発生した際にエラーコードが表示されるので、まずはこのコードをチェックしましょう。
取扱説明書やメーカーのホームページなどで確認し、適切な対策を講じましょう。
軽微なエラーであれば、リセット操作で解決できます。
また、一時的なエラーで湯増しされないときでも、エラーを解除すれば通常どおりに沸き上げがおこなわれる場合もあります。
対処法②|エコキュートの設定を変更する
節電モードや学習機能が原因でお湯が不足している場合、設定を変更すれば解決できます。
例えば、下記の設定を見直してみましょう。
- おまかせモードを停止する
- ピークシフト設定を停止する
- 沸き上げ時間を延長する
おまかせモードはメーカーや機種によって名称は変わりますが、このモードにすると、AIが過去のお湯の使用量をもとに最適な湯量を判断して沸き上げをするため満タンにならないケースがあります。
おまかせモードを停止することで、エコキュートが本来設定された時間帯に満タンになるようにお湯を沸かすので試してみましょう。
また、ピークシフト設定を解除すれば、たまたまお湯を大量に消費しても、自動で湯増しされます。
ほかにも、温度が極端に低いことで給湯効率が低下しているときには、湧き上げ時間を延長すれば解決するケースも多いです。
対処法③|水漏れなどの異常がないかチェックする
配管やタンクの水漏れがあると、お湯がたまらなくなるだけでなく、余分な水道や電気を使うため水道光熱費が高くなります。
本体をリセットしても改善されないときは、配管や貯湯タンクの水漏れをチェックしましょう。
ユニットのまわりがぬれていないかを見るほか、運転停止時の水道メーターの回り具合をチェックする方法もあります。
エコキュートの水漏れが気になる方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】エコキュートが水漏れを起こす5つの原因!症状発見時の応急処置も解説
対処法④|エコキュートを1度リセットする
一時的な不具合で湯増しされない場合には、エコキュートの本体を一度リセットすれば解決する場合があります。
本体のリセット手順は以下のとおりです。
- エコキュートのブレーカーもしくは、貯湯タンクの漏電遮断器の電源を切る
- 1分ほど待った後、再びブレーカーや漏電遮断器の電源を入れる
漏電遮断器のスイッチはメーカーによって異なるため、製品ページなどで確認してください。
対処法⑤|給湯器専門業者に修理を依頼する
上記の方法を試しても改善しない場合は、給湯器専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
特にセンサーの故障や内部の異常が考えられる場合、プロの診断が必要です。
エコキュートの修理代に関する詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】エコキュートの修理代はいくら?水漏れや室外機の故障など状況別に解説!
エコキュートで湯増しされないときはまず原因を突き止めよう
エコキュートの湯増しがされない原因は多岐にわたります。
まずはリモコンのエラー表示や設定を確認し、適切な対策を講じることが重要です。
給湯器は、日々の生活に欠かせない大切な設備です。
基本的な対処法を施しても改善しない場合は、専門業者に相談し、早めに修理を依頼して快適な生活を維持しましょう。
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