薄型エコキュートのメリットとデメリット|特徴や選び方まで解説
エコキュートには薄型と角型があり、それぞれに特徴があります。
サイズ差は見た目でわかりますが、具体的な違いに悩む人は多いでしょう。
この記事では、薄型エコキュートのメリットとデメリットを解説しています。
また、エコキュート購入時に後悔しないための選び方や、導入費用を抑えられる補助金制度も紹介。
この記事でエコキュートの知識を深め、適切なエコキュートを選べるようになりましょう。
エコキュートは角型と薄型の2種類!
エコキュートには角型と薄型の2種類があり、主に下記の違いがあります。
角型 | 薄型 | |
容量 | 〇 | △ |
サイズ | △ | 〇 |
機能性 | 〇 | △ |
年間給湯保温効率 | 〇 | △ |
それぞれの違いをみていきましょう。
角型の特徴やサイズ
角型エコキュートは容量が多く、主に戸建て向けの性能です。
サイズが大きく部品を多く積めるため、さまざまな機能を搭載しています。
年間給湯保温効率にも優れて節電効果も高いため、広いスペースを確保できるなら角型がおすすめです。
薄型の特徴やサイズ
薄型エコキュートは角型よりも幅が控えめです。
たとえば、日立の角型と薄型のエコキュートには下記のサイズ差があります。
- フルオート 標準タンク(BHP-F46WU):幅650mm×奥行730mm×高さ2,101mm
- フルオート 薄型タンク(BHP-FS46WH):幅450mm×奥行1,090mm×高さ2,225mm
角型が入らないスペースでも薄型なら設置できるかもしれません。
容量は角型よりも控えめな場合が多いですが、4~6人家族でも十分な容量の製品もあります。
【参考】日立公式サイト「フルオート 標準タンク一般地仕様」「フルオート 薄型タンク一般地仕様」
薄型エコキュートの3つのメリット
薄型エコキュートには3つのメリットがあります。
- 搬入経路を確保しやすい
- 狭いスペースでも設置できる
- 住宅のデザインを損なわずに設置できる
一つずつ解説します。
搬入経路を確保しやすい
薄型エコキュートは角型よりも幅が小さいため、搬入経路を確保しやすくなっています。
通常の運搬が難しい場合はクレーン車で吊り上げて設置することもできますが、搬入費用がかかります。
とはいえ、奥行の広さによっては、薄型でも搬入できない場合があるかもしれません。
薄型角型問わず、搬入経路を調べる際は専門業者と確認しましょう。
狭いスペースでも設置できる
狭いスペースでも設置できるのが、薄型エコキュートのメリットです。
奥行のスペースは十分でも幅を確保できないという場合には、薄型が向いています。
住宅のデザインを損なわずに設置できる
薄型エコキュートなら、住宅のデザインを損なわずに設置できる可能性があります。
角型よりも幅が小さいため、外壁に沿わせて違和感を抑えることができます。
ただし、奥行は薄型のほうが広いため、設置場所によっては薄型が目立つ場合もあるでしょう。
薄型エコキュートのデメリット
薄型エコキュートにはいくつかデメリットがあります。
- 角型よりも耐震性能で劣る
- 角型よりも価格が高い傾向にある
- 容量が最大460Lまでの製品が多い
- 補助金を活用できない可能性がある
- 角型よりも機能が少なくなりやすい
- 角型より電気代が高くなる可能性がある
順番にチェックしていきましょう。
角型よりも耐震性能で劣る
薄型エコキュートは、耐震性能で角型に劣る可能性があります。
たとえば、日立の標準タンク(BHP-F46WU)の耐震性能はSクラスですが、薄型タンク(BHP-FS46WH)の耐震性能はBクラスです。
とはいえ、耐震性能Bクラスは震度6の地震でも人命と建物の保全が保証されています。
一般的には角型のほうが耐震性能は上ですが、薄型でも大地震に耐えられると考えていいでしょう。
【参考】公式サイト「フルオート 標準タンク一般地仕様」「フルオート 薄型タンク一般地仕様」
角型よりも価格が高い傾向にある
薄型エコキュートは、角型よりも価格が高い傾向にあります。
パナソニックの角型と薄型の価格を比べてみましょう。
- J シリーズ ウルトラ高圧 フルオート:税込1,167,100円
- W シリーズ パワフル高圧 薄型フルオート:税込1,382,700円
角型のほうが約20万円安くなります。
スペースを確保できる環境なら、導入費用を抑えられる角型がおすすめです。
【参考】パナソニック公式サイト「J シリーズ ウルトラ高圧 フルオート」「W シリーズ パワフル高圧 薄型フルオート」
容量が最大460Lまでの製品が多い
薄型エコキュートは角型よりも容量が控えめになり、最大460Lまでの製品が多くなります。
大家族で節電効果を高めるなら、560Lの角型を購入する必要があるでしょう。
しかし、パナソニックの解説によれば、薄型の460Lサイズでも4~7人まで使用可能です。
住人が多く設置スペースを確保しにくい環境なら、薄型も選択肢に入ります。
【参考】パナソニック公式サイト「W シリーズ パワフル高圧 薄型フルオート」
補助金を活用できない可能性がある
薄型エコキュートは、補助金を活用できない可能性があります。
エコキュート導入時には補助金を受け取れる制度がありますが、薄型エコキュートは角型よりも年間給湯保温効率が低めなため、対象外の機種が多く存在します。
年間給湯保温効率が低すぎる製品(基準外)は、補助金の対象外になります。
とはいえ、薄型エコキュートが補助金を受け取るための性能基準は、角型よりも緩やかになるため、年間給湯保温効率の低さの影響は小さいといえるでしょう。
【参考】給湯省エネ2024事業【公式】「対象機器の詳細【エコキュート】」
角型よりも機能が少なくなりやすい
角型よりも機能が少なくなりやすいのが、薄型エコキュートの特徴です。
たとえば、パナソニックのJP シリーズ ウルトラ高圧 フルオートは搭載機能が13個あります。
しかし、W シリーズ パワフル高圧 薄型フルオートの搭載機能は8個です。
機能性の少なさは、薄型の明確な不満点・デメリットといえるでしょう。
【参考】パナソニック公式サイト「JP シリーズ ウルトラ高圧 フルオート」「W シリーズ パワフル高圧 薄型フルオート」
角型より電気代が高くなる可能性がある
薄型エコキュートは、角型よりも電気代が高くなる可能性があります。
薄型は年間給湯保温効率で角型に劣るため、電気代が高くなりがちです。
とはいえ、保温効率に0.8の差があっても、年間の電気代の差は4,000円前後。
保温効率はそこまで気にする必要はないでしょう。
エコキュート購入時に後悔しないための選び方
エコキュート購入時に後悔しないための選び方を解説します。
- 気候に合う製品を選ぶ
- 使用人数に合う容量を選ぶ
- 保証期間が長いメーカーを選ぶ
- 口コミや評判を調べて設置する業者を選ぶ
- エコキュートが効率良く動ける場所を確保する
エコキュート選びを間違えると、余計な出費や性能の過不足につながります。
適切なエコキュートを購入できるように、ポイントを押さえておきましょう。
気候に合う製品を選ぶ
エコキュート購入時は、気候に合う製品を選ぶ必要があります。
エコキュートは精密機器であるため、環境に適したモデルでなければ故障しやすくなります。
一般的な製品以外のモデルは下記のとおりです。
- 寒冷地向け:最低気温-25℃まで使用可能
- 耐塩害仕様:海から1km以内
なお、環境に合うモデルでも、メンテナンスを怠れば部品の消耗が早まります。
具体的なメンテナンス方法を知りたい方は、下記の記事をチェックしておきましょう。
内部リンク:エコキュートのメンテナンス方法は?お手入れのペースや具体的な掃除のやり方を解説
定期的に部品や外観をチェックし、異常が見つかった際は専門業者にメンテナンスを依頼することがおすすめです。
【参考】パナソニック公式サイト「商品ラインアップ|エコキュート|給湯・暖房」
使用人数に合う容量を選ぶ
エコキュートは使用人数に合う容量のモデルを選びましょう。
容量に合わないモデルは、お湯の過不足が発生する恐れがあります。
たとえば、ダイキンはお湯の使用量の目安を下記のように想定しています。
- お風呂 湯はり・・・・・・約180L/回
- シャワー・・・・・・・・80~100L/回 (約7~8分使用)
- 洗面・台所・・・・・・・30L/人・日
【引用】ダイキン公式サイト「ご家庭に合う条件から選ぶ」
1時間で作れる湯量は42℃換算で約100Lです。
上記の数値から必要なおよその容量を想定できるでしょう。
なお、ここで解説した湯量はあくまで目安であり、家庭によって適切な容量は変わります。
容量を決める際は、専門家への相談がおすすめです。
保証期間が長いメーカーを選ぶ
エコキュート購入時は、保証期間が長いメーカーを選びましょう。
メーカーによって保証期間や内容は変わるため、長期間安心して使うためには万が一に備える長期保証が大切です。
たとえば、パナソニックでは部品ごとに保証期間が変わります。
- 本体とリモコン:1年
- ヒートポンプユニットの冷媒系統:3年
- 貯湯ユニットのタンク:5年
また、パナソニックを含めた他のメーカーは、約3万円で保証期間を10年に延長できます。
自然災害が多い地域などでエコキュートが故障しやすい環境に住んでいる方は、保証期間の延長がおすすめです。
【参考】パナソニック公式サイト「設置について | エコキュートQ&A よくあるご質問 | 給湯・暖房」
口コミや評判を調べて設置する業者を選ぶ
エコキュートを設置する業者は、口コミや評判を調べて選びましょう。
エコキュートの性能自体はメーカーごとに大きな差がないため、実際に設置する業者の質が重要です。
業者によっては配管や土台作りの質に差が出てしまい、部品の消耗が早くなる可能性があります。
エコキュートの購入・交換で悩んでいる方は「交換パラダイス」にご相談ください。
交換パラダイスはサービス価格満足度99.2%を誇り、個人から法人、不動産オーナーのお客様から高い評価をいただいています。
商品10年保証と工事15年保証に加えて、10年間毎年点検できるオプションも追加可能です。
エコキュートを長く安定して使いたい方は、お気軽にご相談ください。
エコキュートが効率良く動ける場所を確保する
エコキュートを効率良く動かすためには、設置場所の選び方も重要です。
具体的には下記のポイントを押さえる必要があります。
- 日射量の多い場所を選ぶ
- 風が通りやすい場所を選ぶ
- 配管が短く済む場所を選ぶ
上記の内容に適した場所なら、エコキュートの効率が高まります。
エコキュートの購入費用を抑えられる補助金制度3選
エコキュートはお湯周りの光熱費削減に役立ちますが、購入費用は高額です。
ですが、下記の補助金制度を活用すれば購入費用を抑えられます。
- ZEH補助金
- 給湯省エネ2024事業
- 自治体ごとの補助金制度
家計の出費を節約するためにも、ぜひ補助金制度を活用しましょう。
ZEH補助金
ZEH補助金は、再生可能エネルギーを推進するために国が提供する補助金です。
新築戸建住宅の購入、または建築を予定している個人・法人に数十万円以上の支援をおこなっています。
1戸につき55~100万円以上の補助金を受け取れるだけでなく、下記の設備を追加して増額できます。
追加補助対象設備 | 追加補助額 |
蓄電システム | 上限20万円 |
直交集成板(CLT) | 定額90万円 |
地中熱ヒートポンプ・システム | 定額90万円 |
PVTシステム | 65万円、80万円、90万円 (注)方式、パネル面積により異なる |
液体集熱式太陽熱利用システム | 12万円、15万円 (注)パネル面積により異なる |
【引用】経済産業省【公式】「2024年の経済産業省と環境省のZEH補助金について」
なお、ZEH補助金は申込数が限られており、2024年10月21日時点で残り申込数は約250件です。
エコキュートの購入費用を抑えたい方は、早めに申し込みましょう。
【参考】一般社団法人 環境共創イニシアチブ【公式】「令和6年度 戸建ZEH 公募情報(一般公募)」
給湯省エネ2024事業
給湯省エネ2024事業は、エコキュートを購入、またはリースで利用する方を支援する制度です。
エコキュート1台につき8万円の補助金が提供され、条件を満たせば最大13万円まで受け取れます。
また、既存住宅のリフォーム時にエコキュートと入れ替える場合は、下記の条件で撤去費用が加算されます。
工事の内容 | 補助額(加算額) | 補助上限 |
電気蓄熱暖房機の撤去 | 10万円/台 | 2台まで |
電気温水器の撤去 | 5万円/台 | 補助を受ける給湯器と同台数まで |
【引用】給湯省エネ2024事業【公式】「撤去加算について」
なお、給湯省エネ2024事業は予算に限りがあり、2024年10月21日時点で残りの予算は29%です。
エコキュートをお得に購入したい方は、早めに検討しましょう。
申込方法の詳細は下記の記事でわかりやすく解説しているので、ぜひチェックしてください。
【関連記事】エコキュートの交換費用は?買い替え時期やメリット・補助金活用について徹底解説!
【参考】給湯省エネ2024事業【公式】「対象機器の詳細【エコキュート】」
自治体ごとの補助金制度
エコキュートなどの省エネ機器購入には、自治体から補助金が出る場合があります。
たとえば、茨城県常陸太田市では、エコキュート1台につき3万円の補助金を受け取れます。
太陽光発電システムやエネファーム、蓄電システムなどの購入時にも補助金が出る制度です。
【参考】常陸太田市公式ホームページ「【補助】太陽光発電設備及び高効率給湯器設置費補助金」
まとめ:薄型エコキュートはスペースを確保しにくい住宅におすすめ!
この記事では、薄型エコキュートのメリットとデメリットを解説しました。
薄型エコキュートは、角型では設置場所を確保できない戸建て住宅や集合住宅に向いている製品です。
容量や機能性では角型に劣りますが、幅の小ささを活かして設置場所の選択肢を広げられます。
角型よりも目立ちにくいため、住宅のデザインを損ないたくない方にもおすすめです。
家庭の生活スタイルや住宅事情に合わせて、エコキュートを選びましょう。
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