エコキュートを屋内設置するメリット・デメリット|室内タイプの注意点も解説!

エコキュートは省エネ性が高く、環境にも優しい給湯器として注目されていますが、屋外設置が一般的です。
しかし、集合住宅や寒冷地では「屋内設置型」を選ぶケースも少なくありません。
この記事では、エコキュートの基本的な仕組みから、屋内設置型に関するメリットとデメリット、導入時の注意点まで詳しく解説します。
さらに、屋内での設置場所や使用に関するよくある質問にも答え、最適な選択をサポートします。
エコキュートの導入を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもエコキュートとは?基本的な仕組みを解説
エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」です。
家庭用給湯器で、ヒートポンプ技術によって取り込んだ空気の熱を利用することでお湯を沸かします。
電気代が安い夜間の時間帯に効率よくお湯を沸かすため、ガス給湯器に比べ非常に経済的です。
エコキュートの大きな特徴は、空気の熱を使ってお湯を作ることです。
具体的には、下記のようなサイクルを繰り返すことで、貯湯タンクに沸かしたお湯を貯めていきます。
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結果、タンク内の高温のお湯に、設定温度になるよう水を混ぜることで、浴室やキッチン、洗面所などに給湯されます。
出典:ダイキン工業株式会社「エコキュートとは?エコキュートの仕組み」
エコキュートは、電気でお湯をつくりますが、電気の熱で水を温めるという意味ではありません。
ヒートポンプという熱交換装置で大気中から熱を集め、それを圧縮することにより、高温にしてお湯を沸かす熱源としています。
これはエアコンの室外機などと原理的には同じです。
エコキュートは、このようにして作り出したお湯をタンクに貯めておき、必要に応じて供給することを基本的な仕組みとしています。
エコキュートを屋内設置型にするケース
エコキュートは、室外機と貯湯タンクという大きな設備を中心に構成されており、一般的には屋外に設置するのが基本です。
しかし、状況によっては屋外に設置できない、もしくは屋内に設置したいと希望するケースもあります。
その場合には、屋内設置型のエコキュートを選択できます。
ただ注意すべき点は、屋内設置型のエコキュートとは、貯湯タンクを屋内に設置できるという意味です。
ヒートポンプは、エアコンの室外機と同じように屋外に設置しなければなりません。
すべての装置が、屋内に設置できるというわけではないことを、まずは理解しておきましょう。
エコキュートを屋内設置型にするケースは、主に下記の2点です。
- マンションなどの集合住宅
- 外気温が氷点下20度を下回るような寒冷地
それぞれのケースをみていきましょう。
マンションなどの集合住宅
エコキュートを屋内設置型にするケースの1つ目は、マンションなどの集合住宅の場合です。
マンションなどの集合住宅では、各住戸のスペースが限られており、屋外に十分な設置場所を確保できないことがあります。
また、屋外に設置すると、隣接する住戸に配慮が必要な場合もあるため、貯湯タンクを屋内に設置する選択肢が生まれるのです。
外気温が氷点下20度を下回るような寒冷地
外気温が氷点下20度を下回るような寒冷地でも、屋内設置型のエコキュートが求められます。
一般的に寒冷地では、配管内の液体が凍りついて機能不全を起こさないために、断熱性を高めた寒冷地仕様のエコキュートモデルが使用されます。
最低気温がマイナス10度前後まで下がる地域では、低温対策の施された寒冷地仕様のエコキュートモデルであれば対応が可能です。
しかし、マイナス20度以下になるような極寒地では、たとえ寒冷地仕様のエコキュートでも配管内の液体が凍りついてしまう可能性があります。
そのため、外気温が氷点下20度以下になるような極寒地で求められるのが、凍結対策としての屋内設置型のエコキュートです。
寒冷地仕様のエコキュートについて知りたい方は、ぜひ下記記事をあわせてご覧ください。
【関連記事】寒冷地仕様のエコキュートの選び方とおすすめメーカー5選!価格差や注意点を徹底解説
エコキュートを屋内設置型にする3つのメリット
ここでは、エコキュートを屋内設置型にするメリットを3点紹介します。
- お湯が冷めにくく電気代の節約になる
- 経年劣化しにくい
- 配管凍結の心配がない
順にみていきましょう。
お湯が冷めにくく電気代の節約になる
エコキュートを屋内に設置するメリットの1点目は、お湯が冷めにくく電気代の節約になることです。
室内は、気温差が激しい屋外に比べ温度が安定しており、外気の温度による影響を受けにくい環境にあります。
エコキュートのヒートポンプユニットが加熱のための動作をおこなうのは、「貯湯タンク内のお湯の温度が下がる」と湯量が減ったと判断するためです。
特に冬場は屋外の温度が低いため、エコキュートのヒートポンプユニットがタンク内のお湯の量を減らさないように稼働し続け、エネルギーを消費します。
また、屋内に高温の貯湯タンクがあることで、室内の温度も上がるため、暖房費の節約にもつながります。
結果、屋外に設置した場合に比べて、省エネで電気代の節約になることが大きなメリットです。
エコキュートによる電気代の節約について気になる方は、下記の記事もご覧ください。
【関連記事】エコキュートの電気代はどれくらい?安くできる節約方法やシミュレーションを紹介
経年劣化しにくい
メリットの2点目として、エコキュートを屋内に設置することで経年劣化しにくいことがあげられます。
エコキュートを屋外に設置すれば、日々の気温の変化や紫外線、風雨や風雪などによる外的なダメージを受けないため、経年劣化が少なくなります。
エコキュートは本来、屋外設置を前提としているため、屋外に設置しても外的影響はないと考える方もいるでしょう。
ただ、エコキュートの寿命は一般的に10年といわれています。
長い目で見ると、屋外に設置した場合に比べ経年劣化しにくく、設備自体の安定稼働と長寿命につながるでしょう。
配管凍結の心配がない
配管凍結の心配がないことも、エコキュートを屋内に設置するメリットです。
寒冷地でなくても、冬場は夜間の温度が氷点下より下がる地域は少なくありません。
気温がマイナス4度以下になると、水道管が凍結する恐れがあります。
エコキュートの配管も例外ではなく、極端な冷え込みにより凍結する恐れがあります。
エコキュートを屋内に設置すれば、そういった心配もなく冬場も安心して利用できるでしょう。
エコキュートを屋内設置型にする3つのデメリット
次に、エコキュートを屋内設置型にするデメリットをみてみましょう。
- 設置やメンテナンスのために畳1畳分のスペースが必要
- 設置のための追加工事が必要な場合がある
- 夏場は室内の温度が上がる
順に説明します。
設置やメンテナンスのために畳1畳分のスペースが必要
エコキュートの貯湯タンクは、一般的な家庭用冷蔵庫の背丈をさらに高くしたくらいの大きさがあります。
設置のために畳半畳、メンテナンス時にさらに畳半畳分、合計で約畳一畳分のスペースが必要です。
あらかじめ、エコキュートを設置するスペースが間取り的に確保できるかどうかを確認しておきましょう。
設置のための追加工事が必要な場合がある
設置のために追加工事が必要になる場合があることも、頭に入れておきましょう。
室内に設置する場合には、配管工事や排気筒が必要になり、その分の材料費や工事費がかかるケースがあります。
排気筒の長さなどにもよりますが、1~2万円が一般的な相場です。
またエコキュートは本来、屋外設置を想定しており、かなりの重量があります。
タンクのサイズによって異なりますが、空の状態で約100キロ、お湯を満タンにした状態で約500キロもの重さになります。
この重量に耐えられる床の補強構造かどうかも、確認する必要があります。
場合によっては、床の補強工事が必要になるかもしれません。
夏場は室内の温度が上がる
エコキュートを屋内に設置することにより、冬場はお湯の温度が冷めにくいため電気代の節約になることは前述したとおりですが、夏場は逆のケースが考えられます。
暑いときに高い温度の貯湯タンクがあることで、室内の温度が若干上がるため、エアコンによって室内の温度を下げる分、電気代がかかります。
ただ、夏に冷やすエネルギーは冬場に暖めるエネルギーと比べると少ないため、暖房費の減少のほうが大きく、年間を通してみると電気代の節約になるでしょう。
エコキュートを屋内設置型にする際の注意点
エコキュートを屋内型にするメリットとデメリットを理解するだけでなく、実際に屋内に設置する場合に、把握しておくべき注意点があります。
- 屋内仕様のエコキュートを選ぶ
- 屋内設置が可能なのは貯湯タンクのみ
- 密閉された空間への設置はNG
1つずつみていきましょう。
屋内仕様のエコキュートを選ぶ
エコキュートは、通常の屋外に設置するものと屋内設置型では仕様が異なります。
漏水センサーとエマージェンシーストップ機能が搭載されていることが、屋内設置型のエコキュートの特徴です。
室内で水漏れが発生しても部屋中が水浸しにならないよう、必ず屋内仕様のエコキュートを選択しましょう。
屋内設置が可能なのは貯湯タンクのみ
屋内設置が可能なのは貯湯タンクのみで、ヒートポンプは屋外に設置しなければなりません。
外気を取り込むヒートポンプの冷媒※にはCO2が使われています。
万が一、ガス漏れが発生した場合に、二酸化炭素中毒を引き起こす危険性があるため屋内には設置できません。
※冷媒:ヒートポンプの配管内を循環し、熱を移動させる役割を持つ特殊な液体の総称
密閉された空間への設置はNG
室内にエコキュートの貯湯タンクを設置するスペースがあっても、密閉空間である場合には設置できません。
前述したように、エコキュートのヒートポンプは冷媒にCO2を用いています。
ヒートポンプ自体は屋外にあったとしても、もし配管が破断した場合には、CO2が屋内に漏れ出す危険があるからです。
十分に換気できる場所に設置するか、換気設備を整えるなどして、決して密閉空間に設置しないようにしましょう。
屋内設置型のエコキュートに関するよくある質問
屋内設置型のエコキュートに関するよくある質問を紹介します。
エコキュート導入時の参考にしてください。
Q:エコキュートを屋内に設置する場合にはどこに設置しますか?
A:エコキュートを屋内に設置する場合は、浴室、洗面所、台所などの水回りに近い場所が最適です。
貯湯タンクユニットが風呂場や台所から離れた場所にあると、お湯を使うまでに若干時間がかかるため、途中でお湯が冷めてしまう可能性があります。
エコキュートから風呂場までの距離は、15メートル以内が目安とされています。
ただし、貯湯タンクユニットは人の身長よりも高く、給湯や給水の配管があちこちにつながっているため、場所によっては目立ってしまいます。
マンションなどの集合住宅ではパイプスペース、戸建て住宅では使用していない空間や物置などの目立たないスペースに設置しましょう。
Q:エコキュートの屋内仕様と屋外仕様の違いは何ですか?
A:屋内仕様と屋外仕様の違いは、万が一水漏れしたときのために漏水センサーがついているかどうかです。
屋外で水漏れしても、場所にもよりますが一般的には深刻な被害になることは少ないです。
しかし、屋内の場合は、家財道具が水浸しになったり、階下の住居へ漏れたりする恐れがあります。
そうならないよう、屋内設置型のエコキュートには水漏れセンサーがついているので、屋内に設置する場合には必ず屋内設置型のエコキュートを選択しましょう。
Q:エコキュートを屋内に設置した場合の騒音はどのくらいですか?
エコキュートの動作音は、各メーカーの発表によれば40デシベル程度と言われています。
環境庁の生活騒音パンフレットにあげられている例で紹介すると、昼間の戸建て住宅地や図書館内の音程度なので、そんなに大きな音が出るわけではありません。
ただ、エコキュートは使用時間が深夜電力を使う夜間になるため、数値で表されているより実際にはうるさく感じる方もいるかもしれません。
できれば、寝室から離れている場所への設置をおすすめします。
屋内設置型のエコキュート導入は注意が必要!
屋内設置型のエコキュートは、省エネ性や経年劣化を防ぐなど多くのメリットがありますが、設置するスペースや設置環境の確保などの課題もあります。
自宅の条件やライフスタイルにあわせて、最適なモデルと設置方法を検討することが大切です。
専門業者に相談しながら、安心で快適な給湯器を選びましょう。
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