エコキュートを洪水やゲリラ豪雨から守るには?水害対策と火災保険適用について解説

急な豪雨や洪水によって、家の外に設置されたエコキュートが浸水や破損の被害を受ける事例が増えています。
特に都市部や川沿い、低地に住む家庭では、エコキュートの設置環境がそのままリスクにつながることもあります。
この記事では、ゲリラ豪雨の傾向や地域リスクの違いを踏まえたうえで、エコキュートの浸水時の対処法、火災保険で補償されるケースとされないケース、申請手順まで詳しく解説します。
災害からエコキュートを守るには、正しい知識と事前の備えが不可欠です。
近年増加しているゲリラ豪雨と浸水リスク
近年、全国的にゲリラ豪雨の発生回数が増加し、住宅や設備が水害に遭うリスクが高まっています。
地域ごとの地形や排水環境によって被害の程度は異なりますが、まずは自宅周辺の浸水リスクの正しい把握が防災対策の第一歩です。
気象庁のデータに基づくゲリラ豪雨の増加傾向
気象庁の統計によると、1時間に50mm以上の短時間強雨の年間発生回数は、1976年から2024年にかけて10年あたりで約28回増えており、約1.5倍と明確な増加傾向にあります。
これは大気の状態が不安定になりやすくなっていることを意味し、都市部を中心に局地的な豪雨が頻発している要因の1つと考えられます。
今後もゲリラ豪雨の発生は増えると見込まれており、家庭の屋外設備に対する備えが重要性を増しています。
参考:気象庁 | 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化
ハザードマップの見方と「想定浸水深」の確認方法
ハザードマップは、過去の災害記録や地形データをもとに、将来発生しうる水害の範囲や深さを予測する地図です。
特に注目すべきは「想定浸水深」で、これは大雨や河川氾濫時にどの程度まで水が到達するかの深さを示しています。
自宅やエコキュートの設置場所が浸水リスクのある区域に含まれていないか、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や自治体のマップで事前に確認しておくと、被害の予防に役立ちます。
参考:「国土交通省|ハザードマップポータルサイト」
地域によるリスクの違い(都市部・川沿い・低地)
浸水リスクは地域によって大きく異なります。
都市部ではアスファルトによる舗装率が高く、雨水が地中に浸透しにくいため、排水処理が追いつかず「内水氾濫」が発生しやすい傾向にあります。
川沿いや低地では、上流からの増水や氾濫によって住宅街が広範囲に冠水するケースが少なくありません。
また、低地は自然と水が集まりやすいため、わずかな雨でも深刻な被害につながることがあります。
自宅の地勢を把握しておくことで、対策も具体的に考えられるでしょう。
洪水やゲリラ豪雨などエコキュートの浸水リスクへの対処法
エコキュートは通常の雨で故障することはありませんが、洪水やゲリラ豪雨によって本体が浸水すると、内部の電気部品が損傷し、修理や買い替えが必要になる場合があります。
被害を最小限に抑えるための対処法を、状況別に解説します。
- エコキュートが浸水する恐れがある場合の対処法
- エコキュートが浸水してしまったあとの対処法
- 浸水後エコキュートが乾いたあとの対処法
順にみていきましょう。
エコキュートが浸水する恐れがある場合の対処法
大雨や洪水の予報が出ている際には、エコキュートの電源を切ることが重要です。
具体的には、貯湯タンクユニットにある漏電遮断器を「切」にして、通電を停止します。
これにより、浸水時の漏電や火災のリスクを軽減できます。
また、取扱説明書を確認し、機種ごとの対策方法を把握しておくと安心です。
漏電遮断器が落ちた場合の原因や対処法に関しては、下記の記事も参考にしてください。
【関連記事】エコキュートの漏電遮断器が落ちる原因を解説|落ちたときの対処法も紹介
エコキュートが浸水してしまったあとの対処法
エコキュートが浸水した場合は、絶対に電源を入れず、使用を中止してください。
内部に水分や泥が残っていると、漏電や発火の危険性があります。
まずは、販売店やメーカーの窓口に連絡し、点検を依頼しましょう。
自己判断での通電は避け、専門家の指示を仰ぎましょう。
浸水後エコキュートが乾いたあとの対処法
見た目が乾いていても、内部に水分や不純物が残っている可能性があります。
そのまま使用すると、故障や火災の原因となるため、必ず専門業者による点検を受けましょう。
点検の結果、修理が可能な場合もありますが、損傷が大きい場合は買い替えが必要になる場合もあります。
エコキュートの修理費の相場や業者の選び方に関しては、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】エコキュートの修理業者はどこがおすすめ?修理の費用相場やタイミングを解説
エコキュートの損傷に火災保険が適用されるケース
エコキュートが自然災害や突発的な事故で損傷した場合、火災保険が適用されるケースがあります。
ただし、適用の可否は契約内容や損傷の原因によって異なります。
火災保険が適用される具体的なケースを6つ紹介します。
- 洪水やゲリラ豪雨でエコキュートが水没した
- 火災が原因でエコキュートが損傷した
- 台風によりエコキュートが転倒して故障した
- 落雷による過電流によりエコキュートが故障した
- 運転ミスをして車がエコキュートに衝突した
- 子どもがボールをエコキュートにぶつけ壊した
順にみていきましょう。
①:洪水やゲリラ豪雨でエコキュートが水没した
洪水やゲリラ豪雨によってエコキュートが水没した場合、火災保険の「水災補償」が適用される可能性があります。
ただし、保険金が支払われるためには、床上浸水や地盤面から45cm以上の浸水など、一定の条件を満たす必要があります。
契約内容を確認し、適用条件を満たしているかをチェックしましょう。
②:火災が原因でエコキュートが損傷した
火災によってエコキュートが損傷した場合、火災保険の基本補償である「火災補償」が適用されます。
エコキュートは建物に付属する設備とみなされるため、建物の補償対象に含まれることが一般的です。
火災発生時には、速やかに保険会社に連絡し、必要な手続きをおこないましょう。
③:台風によりエコキュートが転倒して故障した
台風などの強風によってエコキュートが転倒し、故障した場合、火災保険の「風災補償」が適用される場合があります。
ただし、契約内容によっては風災補償が含まれていない場合もあるため、事前に保険証券を確認し、必要に応じて補償内容の見直しを検討しましょう。
④:落雷による過電流によりエコキュートが故障した
落雷によってエコキュートが故障した場合、火災保険の「落雷補償」が適用される可能性があります。
また、電気的・機械的事故特約を付帯している場合は、過電流による故障も補償対象となることがあります。
契約内容を確認し、適用範囲を把握しておくことが重要です。
⑤:運転ミスをして車がエコキュートに衝突した
車の運転ミスによって車がエコキュートに接触し損傷した場合、火災保険の「破損・汚損補償」が適用されることがあります。
また、加害者が特定できる場合は、自動車保険の対物賠償責任保険から補償を受けられる可能性もあります。
事故発生時には、速やかに保険会社に連絡し、適切な対応をしましょう。
⑥子どもがボールをエコキュートにぶつけ壊した
子どもが遊んでいてボールをエコキュートにぶつけ損傷させた場合、火災保険の「破損・汚損補償」が適用されることがあります。
ただし、補償の適用には契約内容や損傷の程度によって異なるため、事前に保険会社に確認しておくことが重要です。
エコキュートの損傷に火災保険が適用されないケース
火災保険はすべての損害を補償するわけではありません。
契約内容や損傷の原因によっては、エコキュートの損傷が補償対象外となる場合があります。
以下に、火災保険が適用されない4つのケースを紹介します。
- 契約している火災保険の対象が「家財」のみの場合
- 地震による損傷の場合
- 免責金額に満たない損傷の場合
- 経年劣化が原因の場合
順にみていきましょう。
①:契約している火災保険の対象が「家財」のみの場合
火災保険の補償対象は「建物」「家財」「建物と家財の両方」の3つに分かれます。
エコキュートは建物に固定された設備とみなされるため、補償対象が「家財のみ」の契約では、エコキュートの損傷は補償されません。
契約内容を確認し、必要に応じて補償対象を見直しましょう。
②:地震による損傷の場合
地震によってエコキュートが損傷しても、火災保険では補償対象外です。
これは「地震による損害」は火災保険の基本補償から除外されているためで、補償を受けるには別途「地震保険」への加入が必要です。
ただし、地震保険は火災保険のように実際の修理費用に応じて保険金が支払われる仕組みではありません。
建物の全体的な被害の程度によって支払い金額が決まるため、エコキュートのような個別設備だけが壊れた場合には、保険金が支払われないケースがほとんどです。
以下に、支払基準の一例を示します
(建物の)被害の程度 | 支払われる保険金の割合 |
全損 | 契約保険金の100% |
大半損 | 契約保険金の60% |
小半損 | 契約保険金の30% |
一部損(軽微) | 契約保険金の5% |
エコキュートだけが壊れても、建物全体の損害がない場合には保険金が支払われません。
このような仕組みから、地震による設備単体の故障は実質的に保証されにくいため注意が必要です。
③:免責金額に満たない損傷の場合
火災保険には、保険金が支払われる際の自己負担額である「免責金額」が設定されている場合があります。
たとえば、免責金額が10万円に設定されている場合、損害額が10万円未満であれば、保険金は支払われません。
小規模な損傷の場合、免責金額に満たず補償を受けられない可能性があります。
④:経年劣化が原因の場合
エコキュートの故障が経年劣化によるものである場合、火災保険の補償対象外です。
火災保険は、突発的な事故や災害による損害を補償するものであり、自然な消耗や老朽化による故障は対象となりません。
定期的なメンテナンスや点検をおこない、故障の予防に努めることが重要です。
エコキュートが水害によって損傷した際に火災保険を申請する手順
火災保険でエコキュートの損傷に対する補償を受けるには、事前に流れを把握しておくと安心です。
火災保険を申請する手順は下記のとおりです。
- 保険会社に連絡する
- 損傷個所の写真を撮り修理業者に見積りを依頼する
- 申請書に必要事項を記入し見積書と写真と合わせて保険会社に送る
- 保険会社から調査員が来て損害状況を確認する
- 保険金額が振り込まれる
- エコキュートの修理および交換をする
順に説明します。
①:保険会社に連絡する
まずは、エコキュートが損傷した時点で、加入している火災保険会社に速やかに連絡します。
状況を簡潔に伝え、申請に必要な書類や手続きの流れを確認しましょう。
担当者から「事故受付番号」や「提出期限」などが伝えられるため、メモを取っておくと安心です。
初動の早さが、スムーズな対応につながります。
②:損傷個所の写真を撮り修理業者に見積りを依頼する
保険申請では損傷の証拠が必要となるため、エコキュート本体や周囲の被害状況を写真に残しておきます。
浸水跡や破損の様子は、全体像と詳細の両方を撮影すると効果的です。
その後、修理業者に連絡し、修理または交換にかかる費用の見積もりを作成してもらいます。
③:申請書に必要事項を記入し見積書と写真と合わせて保険会社に送る
保険会社から送付またはダウンロードした申請書に、事故の内容や被害状況、連絡先などを記入します。
見積書と損傷個所の写真を添付し、保険会社の指定先に提出します。
不備があると審査が遅れるため、提出前に書類一式をよく確認しましょう。
④:保険会社から調査員が来て損害状況を確認する
申請後、保険会社から委託された調査員(アジャスター)が現地に来て、実際の損傷状況を確認します。
この際、申請内容と実際の損害に矛盾がないかがチェックされます。
調査時に担当者へ状況説明ができるよう、当日の立ち会いができるとスムーズです。
⑤:保険金額が振り込まれる
調査結果に基づき、保険会社が支払い可否を判断します。
補償が認められた場合は、指定した口座に保険金が振り込まれます。
金額は、損傷の程度や保険契約の内容によって異なるため、事前の確認が重要です。
あらかじめ確認しておけば、いざというときも落ち着いて行動できるでしょう。
支払いまでには数日〜数週間かかることもあるため、余裕を持った対応が必要です。
⑥:エコキュートの修理および交換をする
保険金が支払われたら、見積もりを依頼した業者に正式に依頼して、修理または交換工事をおこないます。
施工完了後も、保証書や領収書などの書類は一定期間保管しておくと安心です。
再発防止の観点から、設置場所やかさ上げの検討もあわせておこなうとよいでしょう。
火災保険の補償内容の確認方法
エコキュートが補償対象かどうかを判断するには、火災保険の内容を正確に把握しておくことが重要です。
火災保険の補償内容の確認方法は下記の3つです。
- 保険担当者に確認する
- 保険証券で確認する
- Webのマイページで確認する
順に解説します。
保険担当者に確認する
補償内容に不安がある場合は、まず保険会社や代理店の担当者に相談しましょう。
契約時に説明された内容を再確認できるだけでなく、自分では見落としていた特約や条件も丁寧に教えてもらえる場合があります。
エコキュートのような住宅設備が「建物」に含まれるか、「家財」と扱われるかも、契約プランによって変わるため、専門家のアドバイスを受けることで安心して対応できます。
保険証券で確認する
手元に保管している保険証券には、契約している補償内容や免責金額、対象範囲が明記されています。
「建物」「家財」「両方」のどれに加入しているかを確認できれば、エコキュートが対象に含まれているかどうかを判断できます。
証券には細かな特約も記載されているため、日頃から見やすい場所に保管し、定期的に目を通しておくと安心です。
Webのマイページで確認する
多くの保険会社では、契約者専用のWebマイページを用意しています。
ログインすれば、補償内容や契約条件、保険期間などをオンラインで簡単に確認可能です。
また、補償対象の項目を一覧で表示してくれるページもあり、証券を探す手間なく情報を把握できます。
必要に応じてPDFで保険証券をダウンロードできる機能も便利です。
忙しい方でも、スキマ時間に確認できる手段として活用できます。
エコキュートが故障した際の火災保険の適用に関して、より詳しい情報が必要な方は下記の記事をご覧ください。
【関連記事】エコキュートが故障した場合に火災保険を適用できる?壊れ方の条件や申請方法を解説!
洪水やゲリラ豪雨などの自然災害でエコキュートが壊れたら信頼できる専門店に相談しよう!
ゲリラ豪雨や洪水による浸水被害は、エコキュートにとって深刻なリスクです。
被害を受けた際は、無理に使用せず、まず保険の適用可否を確認したうえで、修理や交換の対応を検討しましょう。
自己判断ではなく、実績豊富な専門店に相談すれば、故障箇所の正確な把握や見積りの取得、保険申請時の書類対応までスムーズに進めることができます。
自然災害の備えは、正しい情報と信頼できるエコキュート専門店選びが重要です。
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