エコキュートは冬前に点検しよう！寒くなる・壊れる前の対策がおすすめ

「エコキュートは冬場に故障しやすい？」
「エコキュートの冬前には点検が必要なの？」
「何を点検すればいいの？」

このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか？

エコキュートは、冬になると低気温によって故障することがあります。

故障を防ぐためには、冬前に点検や準備をおこなうのが大切です。

この記事では、エコキュートの冬前の点検の大切さやよくある故障、具体的な点検方法などを解説するので参考にしてください。

冬にありがちなエコキュートの故障

冬場では、以下のエコキュートの故障が考えられます。

• 配管が凍結して給湯できなくなる
• ヒートポンプの性能が低下する
• 正しい温度で給湯できなくなる
• 沸き上げが間に合わなくなる
• 温度センサーが異常を検知する
• 漏水・漏電が起きる

このように冬場になると、さまざまな故障が考えられるようになります。

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

配管が凍結して給湯できなくなる

冬場は、エコキュートに関係する配管が凍結し、給湯できなくなることがあります。

特に屋外にむき出しの配管は低気温の影響を受けやすく、寒冷地では頻繁に凍結することも。

また、一度凍結すると解凍までに時間がかかり、また無理に使おうとするとさらなる故障を誘発することもあります。

冬場を迎える前に保温材を貼り付ける、凍結防止装置を設置するなどの準備が必要です。

ヒートポンプの性能が低下する

冬場には、エコキュートのヒートポンプの性能が低下するかもしれません。

エコキュートは、ヒートポンプから外気の熱エネルギーを得て運転します。

しかし、外気温が低いと得られる熱エネルギーが少なくなり、熱交換効率が悪化します。

結果として、後述のように正しい温度で給湯できない、水しか出てこないといったことが起こるかもしれません。

正しい温度で給湯できなくなる

正しい温度で給湯できなくなる問題も起こります。

たとえば、外気温が低いなどの原因で、設定どおりに加熱できず、ぬるいお湯が出てくることがあります。

また、配管のなかでお湯が冷えてしまい、設定温度どおりに給湯できないケースも。

結果として、「冷たくて浸かれない」と感じるほどの給湯しかなされないこともあります。

沸き上げが間に合わなくなる

冬場では、お湯を沸かす沸き上げが間に合わなくなる問題が生じやすいです。

ヒートポンプの性能が低下すると、貯湯タンクユニットにおける加熱にかかる時間が長くなりがち。

そうすると沸き上げが間に合わず、入浴したいときにお湯が不足します。

洗濯や食器洗いなどでお湯を使っている場合は、より不足するかもしれません。

温度センサーが異常を検知する

温度センサーは、使用にあたって問題がある低気温や凍結などを検知すると、エラーコードを発します。

冬場は温度が下がるため、エコキュートの温度センサーが異常を検知しやすいです。

エラーコードが発せられると、一時的に給湯が停止するなどします。

停止などは、多くの場合リモコンユニットからエラーを解除すれば改善しますが、一時的にでも給湯が止まるのは不便です。

漏水・漏電が起きる

冬場および特に寒い地域では、漏水や漏電のリスクが生じます。

たとえば、配管が凍結することでパッキンなどが破損し、そこから水漏れすることがあります。

さらに、その水漏れが電気回路に接触し、漏電遮断器が起動することも。

その場合は安全装置がはたらき、一時的にエコキュートの機能が停止します。

もちろん、漏水や漏電により、エコキュート自体が故障することもあります。

冬に備えたエコキュートの点検方法と対策

冬場では、エコキュートに関してさまざまな故障が予想されます。

これに備えるため、以下の点検や準備を実施しましょう。

• 業者に点検を依頼する
• 凍結防止ヒーターを設置する
• 自動凍結防止運転の有無を確認する
• フィルター清掃を実施する
• 貯湯タンクユニットの温度設定を変更する
• 古いエコキュートを買い換える

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

業者に点検を依頼する

エコキュートを点検する場合は、業者に依頼するのがおすすめです。

業者なら、タンク内部や配管・基板など、一般家庭ではチェックできない部分まで総合的に点検できます。

もちろん、故障や冬場での不具合も、より精度高く発見できるでしょう。

また、準備や対策が必要な場合、より効果的な方法を実施もしくは提案してもらえます。

費用はかかりますが、万全の状態で冬場を迎えたいなら、業者に点検を依頼するのがおすすめです。

凍結防止ヒーターを設置する

冬場を迎える前に、エコキュートには凍結防止ヒーターを設置するのがおすすめです。

凍結防止ヒーターとは、配管に直接巻きつける機器です。

低温時にのみ発熱し、配管内での凍結を防止します。

凍結防止ヒーターがあれば、「配管が凍ってお湯が出ない」「配管そのものが破裂する」などのトラブルを避けられるでしょう。

凍結防止ヒーターに関しては、「エコキュートが凍結したらどうする？今すぐできる対処法と凍結防止のポイントを解説」でも解説しているので参考にしてください。

また、断熱材を巻きつける方法もあります。

これは、配管を覆うスポンジのようなものであり、温度低下をゆるやかにする効果があります。

ただし、凍結防止ヒーターよりもやや効果が低い点には注意してください。

自動凍結防止運転の有無を確認する

冬場を迎える前に、エコキュートに自動凍結防止運転機能があるか確認しましょう。

多くのエコキュートには、低温時にのみ作動し、通電などをとおして凍結を防ぐ機能が搭載されています。

搭載されているなら、冬場は活用しましょう。

機能がオンになっているか、深夜のみの時間帯に設定されていないかなどを確認しましょう。

また、自動凍結防止運転が正常に機能するか、試運転するのも大切です。

フィルター清掃を実施する

冬場を迎えるまでに、フィルター清掃も実施しましょう。

エコキュートは、フィルターに汚れがたまっていると、供給できる湯量が低下します。

そうすると熱交換効率が低下し、十分にお湯が温まらないことがあります。

また、フィルターの汚れによって設定どおりの給湯がなされないことも。

冬場を迎える前にフィルター清掃を実施し、設定どおりに給湯できるように準備しましょう。

【関連記事】エコキュートのメンテナンス方法は？お手入れのペースや具体的な掃除のやり方を解説

貯湯タンクユニットの温度設定を変更する

貯湯タンクユニットの温度設定を変更するのも有効です。

低気温が続くと、貯湯タンクユニットでは、設定どおりの温度でお湯を作れないことがあります。

しかし、温度設定を高くしておけば、より温かいお湯が作られるでしょう。

冬場を迎える前に、貯湯タンクユニットの設定温度を5〜10℃ほど上げておきましょう。

ただし、設定温度を上げすぎると、やけどなどにつながるので注意してください。

古いエコキュートを買い換える

古いタイプのエコキュートを使用しているなら、買い替えも検討しましょう。

エコキュートの、加熱や保温にかかわる配管や貯湯タンクユニットなどは、経年劣化を起こします。

経年劣化が著しく進行すると、設定どおりに温度を保ちにくいケースが増えます。

特にエコキュートの寿命は10〜15年と言われており、これを超えた使用はおすすめできません。

古いエコキュートを利用している場合は、買い替えを検討しましょう。

最新型に切り替えることで、給湯温度が安定する、電気代が安くなるなどのメリットも得られます。

冬季のエコキュートに関するよくある質問

この記事では、冬場を迎える前のエコキュートの点検や準備の方法を解説しました。

ここではよくある質問に回答します。

• エコキュートの残り湯で凍結防止できる？
• 凍結したらエコキュートか故障する？
• 霜取り運転が増えるのは普通？

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

Q.エコキュートの残り湯で凍結防止できる？

エコキュートの残り湯を使えば、凍結を防止できます。

多くのエコキュートには、残り湯を配管内に循環させて凍結を防ぐ、自動凍結予防運転機能が搭載されています。

これがあれば、凍結防止ヒーターなどがなくても、少なくとも配管内での凍結は防止できるでしょう。

ただし、残り湯を残す必要がある点や、外気に触れている配管やヒートポンプユニットの凍結までは完全には防げない点に注意してください。

自動凍結予防運転機能でカバーできない部分では、専用のヒーターや保温剤を利用するのが大切です。

もちろん、貯湯タンクユニットの設定温度を高めに設定するなどの対策も有効です。

Q.凍結したらエコキュートは故障する？

凍結により、ただちにエコキュートが故障するわけではありません。

配管などで凍結が発生しても、一時的に給湯がさまたげられるだけで、解凍されれば問題なく使用できます。

ただし、凍結が長期間続く、何度も繰り返されるなどした場合、配管自体が膨張もしくは破裂するかもしれません。

そうすると、正しく給湯できない、漏水や漏電が起こるなどの問題につながります。

さらに、安全装置の作動や根本的な故障などに発展することも。

これらを踏まえたうえで、凍結には十分な対策をおこなうのが大切です。

Q.霜取り運転が増えるのは普通？

冬場に霜取り運転が増えるのは正常な現象です。

ヒートポンプユニットが外気から熱を取り込む際に、熱交換器などに霜が付着することがあります。

これ自体は、エコキュートに大きな影響をおよぼすものではありません。

しかし、霜が付着している状態が継続すると漏電などにつながるため、自動的に霜取り運転が実施されます。

また、霜は冬季や寒冷地、もしくは湿度が高い環境下で発生しやすく、その影響で霜取り運転の頻度が上がります。

つまり、冬場に霜取り運転が増えるのは、霜の付着を正常に検知して改善しているだけであり、決して異常な動作ではありません。

まとめ：エコキュートは寒くなる・壊れる前に点検・対策しよう！

冬場は、エコキュートにもっとも大きな負担がかかる時期です。

配管の凍結やヒートポンプの性能低下・漏水・漏電など、さまざまなトラブルが考えられます。

しかし、フィルター清掃や配管の保温・凍結防止ヒーターの確認などの準備があれば、冬場でも問題なくエコキュートを使用できるでしょう。

また、業者による点検などを受ければ、より安心して冬場を迎えられます。

安心してエコキュートを利用するためにも、寒さが本格化する前に、点検や準備を済ませておきましょう。