エコキュートとガス給湯器のどっちがお得か徹底比較!メリット・デメリットを解説

エコキュートとガス給湯器のどっちがお得か徹底比較!メリット・デメリットを解説

「エコキュートとガス給湯器の比較ポイントが知りたい」

エコキュートとガス給湯器のどちらがお得か、気になっている方は多いでしょう。

この記事では、エコキュートとガス給湯器の違いやメリット・デメリットを解説しています。

また、それぞれに向いている方の特徴も紹介します。

国の電気・ガス料金支援は、いつ終わるかわかりません。

光熱費を抑えたい方はこの記事を参考にして、家庭に合ったエコキュートとガス給湯器を選びましょう。

【参考】経済産業省資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」

目次

エコキュートとガス給湯器の違い9選

エコキュートとガス給湯器の違い9選

エコキュートとガス給湯器の9つの違いを解説します。

  1. 導入費用
  2. ランニングコスト
  3. メンテナンスの手間
  4. 設置スペースの広さ
  5. 稼働音
  6. 搭載機能の利便性
  7. 給湯の仕組み
  8. 水圧
  9. 利用できる補助金制度

順番に確認していきましょう。

導入費用

エコキュートとガス給湯器の導入費用には、以下の差があります。

  • エコキュート:40~80万円
  • ガス給湯器:30~60万円

導入費用の安さでは、ガス給湯器が勝っているといえるでしょう。

ただし、エコキュートを導入する場合は補助金制度を活用して、1台につき最大13万円の減額が可能です。

また、ハイブリッド給湯器に分類されるエコジョーズも、補助金制度で1台あたり最大15万円安く購入できます。

エコキュートとガス給湯器の導入費用で迷っている方は、補助金制度が活用できるかチェックしましょう。

【参考】経済産業省資源エネルギー庁「⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助⾦の概要」

ランニングコスト

パナソニックの製品を参考にして、エコキュートとガス給湯器のランニングコストの違いをみてみましょう。

  • エコキュート:約37,200円
  • ガス給湯器(都市ガス):約76,800円

※東京電力エナジーパートナーの場合

ガス給湯器はエコキュートに比べて、年間のランニングコストは約4万円高くなる可能性があります。

住んでいる地域やお湯の消費量によって変わりますが、家計の出費を抑えるならエコキュートがお得です。

【参考】パナソニック公式サイト「低ランニングコスト」

メンテナンスの手間

エコキュートとガス給湯器では、メンテナンス内容に以下の違いがあります。

エコキュート ガス給湯器
  • 配管の洗浄
  • 漏電遮断器の点検
  • 貯湯タンクの掃除・水抜き
  • 浴そうフィルターの掃除
  • 給水口ストレーナーの掃除
  • 凍結防止ヒーターの動作確認
  • ヒートポンプユニットの空気抜き
  • リモコンや本体外装の掃除
  • 排気口・呼吸口の確認
  • 水漏れやガス漏れなどの有無
  • 異常な稼働音の有無

表のように、メンテナンスの手間がかかるのはエコキュートの難点です。

家事の時間を増やしたくない方には、ガス給湯器が向いているでしょう。

設置スペースの広さ

設置スペースの広さの違いは以下のとおりです。

  • エコキュート(角型):横幅約2m×奥行約1m×高さ約2m
  • ガス給湯器:横幅約0.7m×奥行約0.8m×高さ約0.85m

本体のサイズは上記の数字より小さいものですが、メンテナンスのスペース確保・国の基準遵守のために広いスペースが必要です。

設置スペースの用意のしやすさでは、ガス給湯器が上といえます。

【参考】国土交通省「建築設備計画基準」

稼働音

エコキュートとガス給湯器では、稼働音に違いがあります。

音量の数値はどちらも40〜50dbほどで、図書館や美術館と同じレベルです。

しかし、エコキュートは振動音や低周波音で周囲に悪影響を与える可能性があります。

実際に睡眠不足で国民生活センターに苦情が入った事例があるため、エコキュートの設置には専門家の知識が必要です。

稼働音を気にせずに済む点は、ガス給湯器のメリットといえるでしょう。

【参考】環境省「図1騒音の目安(都心・近郊用)」

搭載機能の利便性

機能の豊富さによる利便性は、エコキュートの強みです。

ただ現在のガス給湯器は、追い焚きや湯はりをフルオートでおこなうこともできます。

しかしエコキュートには、外出先から遠隔操作したり太陽光発電システムと連携したりできる機能があります。

浴そうの自動洗浄もできるため、入浴の準備を手早く済ませたい方にとっては、エコキュートがおすすめです。

給湯の仕組み

エコキュートとガス給湯器は、給湯の仕組みに以下の違いがあります。

  • エコキュート:大気熱を利用してお湯を沸かす
  • ガス給湯器:ガスで素早くお湯を沸かす

エコキュートはガスを使わないため環境保護・エネルギー効率に優れていますが、給湯に時間がかかるのがネックとなる場合も。

一方、ガス給湯器は瞬間的にお湯を沸かせるため、いつでもお湯の利用が可能です。

水圧

水圧は、基本的にエコキュートよりガス給湯器の方が高いです。

ただし、日立のエコキュートのように、ガス給湯器と同じくらいの水圧を誇るモデルもあります。

水圧の強さで、シャワーや台所の水の勢いは大きく変わります。

水の勢いを気にせず使いたい方はガス給湯器にするか、水圧が500kpaほどのエコキュートを選ぶといいでしょう。

利用できる補助金制度

導入費用を安くできる補助金制度の有無は、エコキュートとガス給湯器の大きな違いの一つです。

通常のガス給湯器には、基本的に補助金制度がありません。

一方で、エコキュートやエコジョーズのような高効率給湯器の導入時には、10万円以上の支援を受けられる補助金制度を利用できます。

2025年1月時点では、国が推進している「給湯省エネ2025事業」の申し込みは開始されていません。

2025年の補助金制度を詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

【関連記事】【最新版】エコキュート補助金「給湯省エネ2025事業」を徹底解説!

エコキュートの3つのメリット

エコキュートの3つのメリット

エコキュートには、ガス給湯器にない3つのメリットがあります。

  • 光熱費を抑えられる
  • 災害時の非常用水を確保できる
  • 入浴の手間を減らせる

それぞれ詳しく解説します。

光熱費を抑えられる

光熱費を抑えたい方には、エコキュートがおすすめです。

パナソニックによれば、中部電力のエリアでエコキュートを利用すると、年間のランニングコストに約4倍の差ができると試算しています。

年間約6万円の節約が可能であり、食事や趣味へお金を回すこともできるでしょう。

【参考】パナソニック公式サイト「低ランニングコスト」

災害時の非常用水を確保できる

災害時の非常用水を確保できるのは、エコキュートの強みです。

エコキュートには自然災害の情報を事前に把握する機能があり、災害が起こる前にお湯を貯める機能があります。

停電や断水が起きた場合も、数百Lの水を使うことが可能です。

自然災害が起きると人命救助や消火活動が優先されるため、支援が始まるまで約3日かかります。

災害支援が始まるまでの安全を確保したい方には、エコキュートがおすすめです。

【参考】内閣府「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」

入浴の手間を減らせる

入浴の手間を減らせるのが、エコキュートの大きなメリットです。

ガス給湯器でもフルオートの追い焚きや湯はりはできますが、エコキュートは遠隔操作や浴そうの自動清掃ができます。

寒い季節の帰宅後に湯船で素早く暖まりたい方や、浴そうの掃除や湯はりなどの作業を省きたい方は、エコキュートを導入しましょう。

エコキュートの3つのデメリット

エコキュートの3つのデメリット

エコキュートは利点だけでなく、デメリットも3つあります。

  • 高額な初期費用が必要になる
  • 日常的なメンテナンスが増える
  • 水圧がガスに比べて弱くなる

デメリットを把握せずにエコキュートを導入すると、後悔するかもしれません。

出費を無駄にしないためにも、注意点を押さえておきましょう。

高額な初期費用が必要になる

エコキュートの初期費用は40~80万円と高額です

ガス給湯器は30~60万円で済むため、初期費用の高さを気にする方は多いでしょう

エコキュートを安く購入するなら、補助金制度の活用が必須です。

制度は予算の上限に達すると終了するため、出費を抑えたい方は早めに申し込みましょう。

日常的なメンテナンスが増える

エコキュートは、日常的なメンテナンスが欠かせません。

メンテナンスを怠ると部品の劣化や消耗を招き、修理や交換の出費が増えてしまいます。

ヒートポンプユニットの水漏れや配管の異常の有無など、さまざまな点検が欠かせません。

エコキュートのメンテナンス方法を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

関連記事:エコキュートのメンテナンス方法は?お手入れのペースや具体的な掃除のやり方を解説

水圧がガスに比べて弱くなる

基本的にエコキュートの水圧は、ガス給湯器に比べて弱めです。

蛇口やシャワーの勢いが弱くなりやすいため、入浴や料理に不満を覚えるかもしれません。

ただし、日立が販売しているエコキュートのように、ガス給湯器と同レベルの水圧で使えるモデルもあります。

また、シャワーヘッドや蛇口の部品を交換すれば、水圧を強くできます。

エコキュートの水圧を強くしたい方は、次の記事を読んでください。

関連記事:エコキュートの水圧は弱いって本当?原因から強くする方法まで解説!

エコキュートが向いている方の4つの特徴

エコキュートが向いている方の4つの特徴

エコキュートが向いている方の特徴は次の4パターンです。

  • オール電化住宅に住む予定の方
  • 自然災害に備えたい方
  • 昼間は家にいないことが多い方
  • 太陽発電システムを使っている方

順番に解説します。

オール電化住宅に住む予定の方

オール電化住宅に住む予定の方は、エコキュートの導入費用を節約可能です。

2025年にエコキュートを始めとする省エネ設備を導入する方は、次のような補助金制度を活用できます。

項目 給湯省エネ2025事業 賃貸集合給湯省エネ2025事業
対象 高効率給湯器を導入する方 エコジョーズやエコフィールを導入する方
補助額 最大20万円/台 最大10万円/台

【参考】国土交通省「住宅省エネキャンペーンにおける3省連携」

また表の制度以外に、高性能の断熱窓設置や既存住宅のリフォームを支援する制度もあります。

補助金制度を活用して、エコキュートなどの省エネ設備を導入しましょう。

自然災害に備えたい方

自然災害への備えにエコキュートはおすすめです。

エコキュートは地震や台風などの災害情報をキャッチして、自動で貯湯する機能があります。

災害前にお湯を貯めておけば、冬の断水時に冷たい水で体を洗わずに済みます。

東日本大震災が起きたときには、断水が復旧するまで1カ月かかった地域もありました。

自然災害時のライフライン復旧までの安全性を高める方法として、エコキュートは効果的です。

【参考】厚生労働省「東日本大震災水道施設被害状況調査の概要」

昼間は家にいないことが多い方

日中住宅を空けがちな方にも、エコキュートは向いています。

コキュートは、夜間の電気代が安くなる電力プランとの併用で節電可能です。

夜間にお湯を沸かして朝・夕方・夜にお湯を使えば、日中の電気代を安くできます。

昼間は家にいないケースが多い方は、エコキュートの導入がおすすめです。

太陽光発電システムを使っている方

太陽光発電システムとの組み合わせで、エコキュートの強みをより活かせます。

エコキュートは夜間電力プランとの併用が主な使い方ですが、深夜以外の電気代が高くなりやすいのが難点。

太陽光発電システムがあれば、日中に発電して夕方から就寝前まで高い電気代を払わずに済みます。

エコキュートと太陽光発電システムの組み合わせを詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしましょう。

関連記事:エコキュートと太陽光発電の連携で光熱費を節約!メリットとデメリットを解説

ガス給湯器が向いている方の4つの特徴

ガス給湯器が向いている方の4つの特徴

ガス給湯器が向いている方の特徴は次の4つです。

  • お湯の使用量が多い方
  • 水圧が気になる方
  • 初期費用を抑えたい方
  • 住宅のスペースが余っていない方

エコキュートとガス給湯器で悩んでいる方は参考にしてください。

お湯の使用量が多い方

ガス給湯器はお湯の使用量が多い方におすすめです。

エコキュートはお湯切れのリスクがあり、いざというときにお湯を使えない場合があります。

ただし、エコキュートとガス給湯器を組み合わせたエコジョーズなら、すぐにお湯を沸かせるのでお湯切れの心配はありません。

お湯をいつでも大量に使いたい方や、ガス給湯器の機能だけでは満足できない方はエコジョーズを導入しましょう。

水圧が気になる方

シャワーや蛇口の水圧が気になる方には、ガス給湯器が向いています。

エコキュートは基本的に水圧が弱く、住宅内で複数人が同時にお湯を出したり本体から位置が離れたりすると、強い勢いでお湯を出せません。

ただし、日立が製造したエコキュートのように水圧が強い機器もあります。

水圧を気にせずにお湯を出したい方はガス給湯器か、水圧が強く作られているエコキュートを選びましょう。

初期費用を抑えたい方

初期費用を抑えたい方には、ガス給湯器が経済的におすすめです。

ガス給湯器は、エコキュートに比べて最大50万円ほど安く導入できる可能性があります。

ただし、エコキュートはランニングコストを年間数万円抑えられ、補助金制度を活用すれば6~13万円安く購入可能です。

なお、補助金制度は早めに申し込みしなければ終了する可能性があります。

給湯器の導入費用を抑えたい方はガス給湯器を選ぶか、早めに補助金制度を利用してエコキュートを導入しましょう。

住宅のスペースが余っていない方

住宅のスペースがあまり広くない方は、ガス給湯器がおすすめです。

エコキュートの設置にはどうしても広いスペースが必要なため、導入できない場合があります。

ガス給湯器はエコキュートよりも小型で、住宅のスペースに関係なく設置可能です。

なお、エコキュートには狭い場所にも設置できる薄型モデルがあります。

「設置スペースは確保できないけどエコキュートを使いたい!」方は、次の記事で薄型エコキュートの詳細をチェックしましょう。

関連記事:薄型エコキュートのメリットとデメリット|特徴や選び方まで解説

エコキュートからガス給湯器に戻すときのデメリット3選

エコキュートからガス給湯器に戻すときのデメリット3選

エコキュートからガス給湯器に戻すと、3つのデメリットに悩まされる可能性があります。

  • 入浴の準備時間が増える
  • 節電できなくなる可能性がある
  • 自然災害への対策が不足する

ガス給湯器を選ぶときは、利便性やコスト面などの要素を考慮しましょう。

入浴の準備時間が増える

ガス給湯器に戻すと入浴の準備時間が増えてしまいます。

エコキュートには自動で浴そうを掃除する機能があり、手作業で掃除する必要がありません。

腰をかがめて掃除する手間を省けるので、足腰に負担をかけたくない方も安心です。

入浴の手間を減らしたい方には、エコキュートがおすすめです。

節電できなくなる可能性がある

ガス給湯器では、現在利用している電力プランから割引できなくなる可能性があります。

例えば、四国電力の「でんかeプラン」は、総容量が1kVA以上の夜間蓄熱式機器を利用していると、毎月電気代が5%割引されます。

エコキュートをやめて容量が減れば、電気代が増えてしまうかもしれません。

ガス給湯器に戻す前に、電力プランが変わる点を確かめておきましょう。

【参考】四国電力公式サイト「でんかeプラン」

自然災害への対策が不足する

ガス給湯器は、自然災害への対策が不足するリスクがあります。

エコキュートには、災害情報を検知して自動で貯湯する機能があり、非常用水をいつでも確保可能です。

災害時のライフライン復旧は、基本的に電気・水道・ガスの順番でおこなわれます

ガス機器を使っている場合、お湯を使えるようになるまで遅れてしまうかもしれません。

自然災害の危険性を減らしたい方には、エコキュートがおすすめです。

【参考】日本気象協会「備蓄品はこれが必要(知る防災)」

エコキュートとガス給湯器で迷ったときは専門業者への相談がおすすめ!

この記事では、エコキュートとガスの違いとそれぞれのメリット・デメリットを解説しました。

エコキュートのモデルによっては水圧が弱く、シャワーや料理に満足できないケースがあります。

しかし、ランニングコストの効率の良さや機能の利便性、災害時の非常用水の確保などのメリットは見逃せません。

ガス給湯器にも、初期費用の安さや設置スペースを簡単に用意できる点などのメリットがあります。

どちらにするか迷った方は、給湯器の知識が豊富な専門業者に相談しましょう。

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この記事の監修者

長尾 太一のアバター 長尾 太一 エコキュートのプロ

交換パラダイスの長尾です。

・「何よりもお客様を大切にする」という会社の理念に共感し、北海道から「愛と情熱」を原動力に上京
・現在、家回り全般に対応できる総合リフォーム会社のエコキュート専門チームに所属
・お客様一人ひとりと真剣に向き合うことを最優先に生きています。
・モットーは「猪突猛進」
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エコキュートのプロフェッショナルとして、商品知識・施工知識・住宅全般の知識、すべてに精通し、お客様のどんなお悩みにもお応えいたします。皆様の生活がより豊かにできるような安心・快適な住まいづくりのお手伝いに全力投球いたします。

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