【三菱電機エコキュート】故障時の対処法は？修理or交換の判断基準も解説

三菱電機エコキュートは高い省エネ性能で多くの家庭に利用されていますが、使用しているうちに故障する場合もあります。

故障時に「修理すべきか、交換すべきか」と悩む方も多いでしょう。

この記事では、エコキュートの故障時にみられる代表的なトラブルや、修理と交換の判断基準を解説します。

また、エコキュートを長持ちさせるための方法や、修理・交換時に知っておきたい費用や注意点も紹介するので、修理や交換を検討中の方はぜひ参考にしてください。

三菱電機エコキュートによくあるトラブル

入浴時に快適に過ごせると好評の三菱電機エコキュートですが、トラブルに見舞われることもあります。

症状によって自己で解決できるケースもあれば、修理が必要なケースもあります。

• 自分で解決できる可能性があるトラブルの例
• 点検や修理が必要な可能性があるトラブルの例

順に説明します。

自分で解決できる可能性があるトラブルの例

修理や点検を依頼しなくても、自分で解決できる可能性のあるトラブル例は下表のとおりです。

症状	考えられる原因	対処法
蛇口からお湯が出ない	断水や凍結の可能性	断水は回復を待ち、凍結は気温が上がるまで待機。熱湯をかけない。
シャワーからお湯が出ない	元栓が閉まっている可能性	貯湯タンクの脚部カバーを外し、止水栓が開いているかを確認。
お湯の勢いが弱い	複数の蛇口やシャワーを同時に使用	これは故障ではないため対処は不要。
お湯はりができない	排水栓の閉め忘れ	排水栓を閉め、エラーをキャンセル後、再度お風呂の自動運転を試みる。
お湯はり・追い焚きに時間がかかる	ふろアダプターの目詰まり	アダプターのカバーを外し、よく洗浄してから試す。
ヒートポンプからの水漏れ	結露による水漏れ症状	故障ではなく、熱交換による結露なので、特に問題なし。

点検や修理が必要な可能性があるトラブルの例

点検や修理依頼が必要だと思われる症状の例は下表のとおりです。

症状	考えられる原因	対処法
設定温度どおりにお湯が出ない	混合弁の故障	メーカーに修理を依頼。
設定湯量どおりに湯はりができない	水位センサーの故障	メーカーに修理を依頼。
漏電ブレーカーが落ちる	ユニット側の回路基板の故障	点検修理が必要なのでメーカーに問い合わせ。
リモコン操作が不良	通信不良	設置業者やエコキュート専門業者に相談。
沸き上げができない	ヒートポンプユニットのセンサー故障	メーカーに確認。
本体周りが水浸し	減圧弁や配管の老朽化による水漏れ	設置業者またはエコキュート専門業者に相談。

リモコンに表示されたエラーコードや発生した不具合・症状から故障診断が可能です。

三菱電機エコキュートのエラーコードの確認方法や解除方法など、詳しくは下記の記事をご覧ください。

【関連記事】【三菱電機】エコキュートのエラーコード一覧 | 交換パラダイス

三菱電機製エコキュートの修理を依頼する場合の対処法

三菱電機製エコキュートの修理を依頼する場合の対処法は、次の3つです。

1. 保証期間と修理費用を確認する
2. メーカーのカスタマーセンターへ連絡する
3. エコキュート専門業者へ連絡する

順に説明します。

保証期間と修理費用を確認する

エコキュートの修理を依頼する前に、まず保証期間と修理費用を確認しましょう。

通常、エコキュートには購入から一定期間の保証がついており、その期間内であれば大半は修理費用が無料で済みます。

三菱電機エコキュートの保証期間は、次のとおりです。

三菱電機エコキュートの保証期間
本体（タンク・冷媒回路以外の機器）	2年間
リモコン	2年間
冷媒系統（ヒートポンプユニット）	3年間
貯湯タンク	5年間

保証書に記載された期間を確認し、保証期間が過ぎている場合には修理費用が発生します。

保証期間内であれば、製品の不具合が原因の修理は無償で対応してもらえるため、最初にその確認をしましょう。

また、エコキュートの購入日から3カ月以内に「三菱電機のスマート電化延長保証」へ申し込めば、最長10年間の保証が受けられます（有料）。

三菱電機エコキュートの保証や延長保証に関する詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】エコキュートの保証期間はどのぐらい？延長保証やメーカーごとの違いを解説

また、三菱電機エコキュートの修理費用の目安は、17,000～70,000円です。

故障箇所ごとの料金など、修理費用に関する詳しい情報は下記の記事をご覧ください。

【関連記事】エコキュートの修理代はいくら？水漏れや室外機の故障など状況別に解説！

メーカーのカスタマーセンターへ連絡する

三菱電機のエコキュートに問題が発生し、メーカーに修理を依頼する場合には、まずはメーカーのカスタマーセンターに連絡をしましょう。

カスタマーセンターでは、故障の症状に応じて、必要な修理内容や対応方法を案内してくれます。

修理の手配や保証に関する確認もこの段階で可能です。

三菱電機お客さま相談センター：0120-139-365 点検制度お客さま相談窓口：0120-490-499 修理・点検の依頼：三菱電機システムサービス株式会社

電話やWebでの問い合わせが可能なので安心です。

エコキュート専門業者へ連絡する

状況によっては、エコキュート専門業者に相談・依頼しましょう。

専門業者はエコキュートに特化した修理経験を持っており、迅速かつ正確な修理が期待できます。

特に、保証期間が過ぎている場合や、メーカーのサービスエリア外に住んでいる場合などには便利です。

専門業者に依頼する際は、事前に料金体系や対応可能なトラブルを確認してください。

この時点で概算の見積もりを出してもらい、修理をするか交換するかの判断材料にしましょう。

三菱電機エコキュートを修理するか交換するかの判断基準

エコキュートが故障した場合、修理か交換かの判断は重要です。

修理か交換かを判断する際の、3つの基準を解説します。

1. 保証期間内であれば修理を依頼
2. 10年経つ場合には交換がおすすめ
3. 購入後10年未満でも故障の頻度や修理費が高い場合には交換がベター

順に説明します。

保証期間内であれば修理を依頼

エコキュートが保証期間内であれば、修理の依頼がもっとも合理的です。

保証期間内に発生した不具合は、基本的に無償で修理対応してもらえるため、交換の必要はありません。

保証書に記載された期間や条件を確認し、保証対象に該当する場合は、メーカーに修理を依頼しましょう。

メーカーが提供するサービスは、専門的な知識を持った技術者による修理がおこなわれるため、安心して修理を受けられます。

10年経つ場合には交換がおすすめ

エコキュートの寿命は一般的に10～15年程度とされており、10年が経過した場合は故障のリスクが高まるため、交換した方がよい場合があります。

特に、経年劣化による部品の摩耗や効率の低下が原因で修理が必要となる場合、修理費用が高額になる可能性もあります。

10年以上使用しているエコキュートは、今後さらに故障が増える可能性もあり、新しいモデルに交換すればエネルギー効率が向上し、長期的にランニングコストを削減できるでしょう。

したがって、10年を超えたエコキュートは、交換の検討がおすすめです。

購入後10年未満でも故障の頻度や修理費が高い場合には交換がベター

エコキュートが購入後10年未満であっても、故障が頻繁に発生する場合や修理費が高額になる場合には、交換がベターな場合も多いです。

特に、故障が続いたり、修理が毎回高額であったりする場合、交換費用と修理費用の差があまりないケースがあります。

また新しいエコキュートは、最新の技術を搭載しており、エネルギー効率や耐久性が向上しているため、交換により今よりさらにコスト削減が期待できます。

修理費用が高く、故障の頻度が多い場合は、交換の方が経済的にメリットがあるでしょう。

三菱電機製エコキュートを交換する際に知っておくべきこと

エコキュートを交換する際には、いくつか確認しておくべき点があります。

交換時にチェックしておくべきポイントは下記の3点です。

1. 三菱電機製エコキュートの特徴
2. 三菱電機製エコキュートを交換する際の初期費用
3. 現在の環境に合った機能を選ぶ

順にみていきましょう。

三菱電機製エコキュートの特徴

三菱電機製エコキュートは、省エネ性能に優れ、環境にも配慮した給湯器です。

ヒートポンプ技術を活用した高い効率性が特徴で、少ない電力で効率的にお湯を沸かせます。

また、静音設計により動作音も静かで、設置場所を選ばず快適な使用が可能です。

さらに、三菱電機のエコキュートは長寿命で耐久性が高い点も特徴です。

多機能のリモコンや、スマートフォン連携機能など、便利な機能も備えており、生活の質も向上できるでしょう。

三菱電機製エコキュートを交換する際の初期費用

三菱電機製エコキュートの交換には、当然初期費用がかかります。

エコキュートの本体価格に加え、設置費用や古い機器の撤去費用が発生します。

具体的な金額はモデルや設置環境によって異なりますが、一般的にエコキュートの交換費用は総額で40～80万円程度です。

また最近のエコキュートは、性能向上により約10年前と比べ長期的に光熱費を削減できるため、初期費用を支払っても、トータルのコスト削減が見込めます。

なお、補助金や助成金を活用できる場合もあるため、地域や国の支援制度を調べておくことが重要です。

国がおこなっている「給湯省エネ2025事業」では、エコキュートからエコキュートへの交換に対して、最大13万円の補助が受けられる場合もあるため、積極的に活用を検討しましょう。

国による最新のエコキュート補助金に関する詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】【最新版】エコキュート補助金「給湯省エネ2025事業」を徹底解説！

現在の環境に合った機能を選ぶ

エコキュートを交換する際は、現在の住環境に合った機能を選ぶことが大切です。

例えば、家庭の人数や使用状況によってタンクの容量を選ぶ必要があり、一般的に家族4人の場合は、370Lから460Lのタンク容量が適しています。

またエコキュートの最新モデルには、省エネ機能や温水供給のスピード、スマートフォンでの遠隔操作機能など、便利な機能が搭載されています。

さらにリモコンや音声操作の機能、アプリ連携による管理機能など、自分のライフスタイルに合った機能を選べば、より快適に使用できるでしょう。

エコキュートを選ぶ際には、家族構成や使い方に合ったモデルを選定しましょう。

エコキュートの故障を防ぐためのポイント

エコキュートを長期間快適に使うためには、適切な管理とメンテナンスが欠かせません。

エコキュートの故障を防ぎ長期間使うためのポイントを5つ紹介します。

1. 生活環境に適したエコキュートを選ぶ
2. 定期的にメンテナンスや点検をする
3. 長期間使用しないときは電源を切る
4. メーカー推奨以外の入浴剤は使わないようにする
5. ヒートポンプの周りに物を置かない

順にみていきましょう。

①生活環境に適したエコキュートを選ぶ

エコキュートを選ぶ際には、家族構成や生活環境に合わせた製品を選ぶことが重要です。

例えば、家庭の人数やお湯の使用頻度に合わせて、タンク容量を決めましょう。

容量が小さすぎると、お湯が足りなくなることがあり、大きすぎると電気代が無駄にかかってしまいます。

また、設置場所にも注意が必要です。

エコキュートは外部ユニットが必要なため、設置場所に十分で適切なスペースがあるかを確認しましょう。

環境に合った機種選びをすれば、故障や不具合のリスクを減らせます。

②定期的にメンテナンスや点検をする

エコキュートを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスや点検が不可欠です。

特に、フィルターやタンク内部の清掃をおこなえば、効率よくお湯を沸かすことができ、部品の劣化を防ぎます。

メーカーや専門業者による定期的な点検を依頼し、エコキュートの状態をチェックしてもらいましょう。

点検時には、配管の確認やヒートポンプの清掃もできるため、故障を未然に防げます。

メンテナンスを怠ると、故障が発生しやすくなるため、定期的なケアを心がけましょう。

③長期間使用しないときは電源を切る

エコキュートを長期間使用しない場合、電源を切ることが大切です。

特に旅行や出張などで長期間家を空ける際には、エコキュートの電源を切れば不要な電力消費を防ぎ、機器の劣化を遅らせられます。

また電源を切ることで、過剰な加熱を防ぎ、温度センサーやヒートポンプへの負担を軽減できます。

長期間使用しない場合は電源を切り、再使用時に十分に確認してから運転を開始しましょう。

④メーカー推奨以外の入浴剤は使わないようにする

エコキュートは、メーカーが推奨する入浴剤の使用が推奨されています。

推奨外の入浴剤を使用すると、浴槽内や配管にスケールや汚れが溜まりやすくなり、これが原因でエコキュートに故障を引き起こすケースがあるからです。

特に、油分や化学物質が含まれる入浴剤は、熱交換器や配管に悪影響を与える可能性があるため、使用を避けるべきです。

入浴剤を使用する際は、必ずメーカーの指示に従い、適切なものを選ぶようにしましょう。

エコキュートで使える入浴剤に関する詳しい情報を知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

【関連記事】エコキュートで入浴剤は使える？使用時の注意点やおすすめ入浴剤を解説

⑤ヒートポンプの周りに物を置かない

エコキュートのヒートポンプユニットは外部に設置されているため、その周りに物を置くことは避けるべきです。

ヒートポンプは効率よく熱を交換するために空気の流れが重要で、周囲に物があると通気が悪くなり、効率的に動作ができなくなります。

これによりエコキュートが過剰に動作し、エネルギー消費が増加したり、機器に負担がかかったりして、故障の原因となる場合があります。

ヒートポンプの周りは常に清潔に保ち、物を置かないようにしましょう。

三菱電機エコキュートに関するよくある質問

出典：三菱電機公式サイト「家庭用エコキュート 総合カタログ」

三菱電機エコキュートに関するよくある質問を3つ紹介します。

これらの情報を知っておくことで、製品の理解が深まり、問題が発生した際にも適切に対応できるようになります。

1. 三菱電機エコキュートの欠点は？
2. 三菱電機のエコキュートの修理はDIYでできる？
3. エコキュートの故障が多いメーカーは？

順にみていきましょう。

質問①三菱電機エコキュートの欠点は？

三菱電機エコキュートは高い性能と信頼性を誇りますが、いくつかの欠点もあります。

主な欠点としては、日立、ダイキン、パナソニックのエコキュートと比べて水圧がやや低い点です。

標準的な水圧（170～180kPa）に比べると三菱電機エコキュートのハイパワー給湯は290kPaで高いですが、上記3社の高圧タイプの水圧は300kPaを超えています。

よって他の3社と比べると、若干シャワーの勢いが物足りなかったり、湯はりに時間がかかるでしょう。

また、初期費用が比較的高額であり、設置や運転にかかるコストを長期的に見積もる必要があります。

質問②三菱電機のエコキュートの修理はDIYでできる？

結論から申し上げると、三菱電機エコキュートの修理をDIYでおこなうのはおすすめできません。

エコキュートは高度な技術を要する設備であり、誤った修理をすればさらに故障を引き起こす可能性があります。

また、エコキュートの工事に際しては「第二種電気工事士」「ガス機器設置スペシャリスト」など、さまざまな資格が必要であり、無資格で修理をすれば違法行為になる場合があります。

その結果、本来受けられるはずの保証も受けられなくなります。

自分で可能な、簡単なトラブルシューティングやメンテナンス（フィルター掃除など）以外の修理作業は、専門業者に任せるべきです。

質問③エコキュートの故障が多いメーカーは？

故障率に関しては、メーカーごとに大きな差はありません。

エコキュートの寿命は、環境や使用状況次第で大きく変わってきますが、どのメーカーのエコキュートでも、適切なメンテナンスをすれば10年以上は使用可能です。

ただ、三菱電機やパナソニックのエコキュートは、販売台数が多い分、故障による交換件数も多い傾向にあります。

故障が多いというより、単純に使われている台数に比例した結果と考えられます。

重要なのは、定期的なメンテナンスや点検、問題が発生した場合の早期の対応です。

三菱電機エコキュートの修理・交換をする際は信頼できる業者を選ぼう！

エコキュートの修理や交換を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

信頼できる業者を選ぶためのポイントは下記のとおりです。

資格と認証の確認	エコキュートの修理や設置には専門的な知識と資格が求められます。 業者が必要な資格を持っているかを確認しましょう。
実績と口コミの確認	過去の実績や顧客からの評価を確認しましょう。 信頼できる業者は口コミや評判がよい場合が多いです。
明確な見積もり	事前に料金を明確に提示してもらい、追加料金が発生しないかの確認が重要です。 予算内に収めるためにも、事前の見積もりはしっかりと確認しましょう。
対応の速さと誠実さ	問い合わせに対する対応が迅速で丁寧な業者を選ぶことが、スムーズで安心できる修理や交換につながります。

ここまで、三菱電機エコキュートが故障した際の対処法を解説してきました。

修理や交換をする際には、まず保証期間や修理費用を確認しましょう。

保証期間内であれば修理を依頼し、10年を超えている場合は交換を検討するのが理想です。

また、エコキュートを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスや生活環境に適した機種選びが大切です。

信頼できる業者を選んで修理や交換をスムーズにおこない、快適にエコキュートを使用しましょう。