エコキュートのセミオートタイプとは?メリット・デメリットや選ぶ際のポイントを解説

エコキュートには、大きく分けてフルオートタイプ・セミオートタイプ・給湯専用タイプの3種類があります。
そのなかでセミオートタイプは、初期費用を抑えられ、入浴剤が自由に使えるなど実生活にうれしい特徴を備えています。
一方で、機能が少ないため選択肢が限られ、補助金の対象外になりやすい点は注意が必要です。
「最適なエコキュートのタイプがわからない」「セミオートでいいか迷っている」方も多いでしょう。
そこでこの記事では、セミオートの特徴やメリット・デメリット、フルオートとの費用差、メーカーごとのラインナップを解説します。
最後に、セミオートタイプがどんな家庭に向いているかも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートのセミオートとは?
エコキュートのセミオートは給湯方式の1つで、フルオートに比べ機能をシンプルにした分、初期費用を抑えやすいのが特徴です。
他の給湯方式と比較しながら、セミオートについて紹介します。
エコキュートの給湯方式は3種類
ながお
フルオートは、自動でお湯はり・追い焚き・保温までおこなえる便利さが強みです。
セミオートは、ボタン1つで自動お湯はりは可能ですが、追い焚き機能はありません。
給湯専用は、最もシンプルで、蛇口からお湯を出すだけの仕組みです。
つまり、セミオートは機能性とコストのバランスが取れたタイプで、フルオートほどの多機能は不要だが、給湯専用よりは快適に使いたいという家庭に最適です。
セミオートタイプとフルオートタイプの共通点と違い
セミオートタイプとフルオートタイプには、共通点も多くあります。
どちらも自動でお湯はりができ、設定した湯量でストップするので入浴準備が簡単です。
また、リモコンで操作できる点も同じです。
違いは「追い焚き機能の有無」です。
フルオートタイプは、お湯の温度が下がると自動的に加熱して保温できますが、セミオートタイプは追加で熱を加えられないため、ぬるくなったら差し湯や再度お湯はりをする必要があります。
この違いを理解しておけば、暮らしに合ったタイプを選びやすくなるでしょう。
セミオートタイプとフルオートタイプの、より詳しい違いや特徴に関する情報は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】エコキュートのセミオートとフルオートの違いとは?特徴やあなたに合った選び方を解説!
セミオートタイプのエコキュート|4つのメリット
セミオートタイプのメリットは、下記の4点です。
- フルオートタイプと比べ初期費用が抑えられる
- 配管が汚れにくい
- 好きな入浴剤が使える
- 外壁の穴あけ・配管増設など交換時の追加工事が不要
順にみていきましょう。
①フルオートタイプと比べ初期費用が抑えられる
セミオートタイプの最大のメリットは、導入コストの安さです。
本体価格はフルオートに比べて数万円ほど低く、初期費用を大きく抑えられます。
さらに、工事内容もシンプルなため追加費用が発生しにくく、設置予算を抑えたい家庭に向いています。
「必要な機能だけを備えた、コスパ重視のモデル」といえるでしょう。
②配管が汚れにくい
フルオートタイプは、追い焚きや自動保温の際に浴槽内の水を循環させますが、セミオートは循環配管を使わないため、配管内部が汚れにくいという特徴があります。
その結果、配管洗浄の手間が減り、衛生面でも安心です。
特に入浴剤を多用する家庭では、循環配管を通さないことで、汚れの蓄積やにおいの発生を防ぎやすくなります。
結果的に日常のメンテナンスが楽になり、長期的にみても清潔に使える点は大きなメリットです。
③好きな入浴剤が使える
フルオートでは配管を傷めたり、機器の不具合を防ぐために使用できる入浴剤が限られる場合がありますが、セミオートなら市販の入浴剤を自由に楽しめます。
炭酸系や発泡系など幅広い種類を使えるので、季節や気分に合わせてバスタイムを充実させたい家庭に最適です。
「お風呂時間を快適にしたいけれど、コストは抑えたい」という方には大きな魅力といえるでしょう。
④外壁の穴あけ・配管増設など交換時の追加工事が不要
フルオートタイプでは、浴槽循環用の配管工事が必要ですが、セミオートはその施工が不要なため、交換時の追加工事が発生しにくいのも利点です。
特に既存がセミオートタイプであれば、入れ替えもスムーズで、外壁に新たな穴を開ける必要がありません。
工期も短縮でき、結果的に費用や施工時のストレスを軽減できます。
将来的に再び買い替える際も、余計な工事を避けられるため、長期的にみてもコストメリットがある選択肢といえるでしょう。
セミオートタイプのエコキュート|3つのデメリット
一方、セミオートタイプのデメリットは、下記の3点です。
- フルオートに比べ機能が少なく選択肢が限られる
- 補助金の対象になりにくい
- 将来セミオートからフルオートに切り替えできないケースがある
順に解説します。
①フルオートに比べ機能が少なく選択肢が限られる
セミオートは、お湯はり機能は備えていますが、追い焚きや自動保温はできません。
そのため、冷めたお湯を再び温めたいときは、差し湯や再度お湯はりをおこなう必要があります。
また、メーカーによってはセミオートのラインナップが少なく、フルオートに比べ選べる機種が限られるのもデメリットです。
特に、最新機能や大容量タイプを希望する家庭では、フルオートが主流となっているため、選択肢が狭くなる点は理解しておきましょう。
②補助金の対象になりにくい
国や自治体のエコキュート関連補助金は、省エネ性能や機能が充実したフルオートを対象とするケースが多いです。
セミオートは基本性能に絞られているため、補助金の条件を満たさない場合も少なくありません。
その結果、初期費用は安くても、補助金を受けられるフルオートの方が実質的に安くなる可能性もあります。
コスト面だけで判断せず、事前の利用可能な補助金の条件確認も大切です。
エコキュートの補助金である「給湯省エネ2025事業」の最新情報は、下記の記事をチェックしましょう!
【関連記事】エコキュート補助金「給湯省エネ2025事業」を徹底解説!
③将来セミオートからフルオートに切り替えできないケースがある
セミオートタイプからフルオートタイプに切り替える場合、追い焚き配管や外壁の穴あけが必要になります。
そのため、今後ライフスタイルが変化し「追い焚きが必要になった」と感じても、簡単にフルオートへ移行できない可能性があるのです。
長期的な暮らし方を想定し、導入時点でどのタイプが合うかを慎重に検討しましょう。
セミオートとフルオートの費用差はどれくらい?
エコキュート選びでは、本体価格や工事費用、ランニングコストに違いがあります。
ここでは、両者の費用差を具体的に解説します。
エコキュート本体の価格差
ダイキンの公式カタログで、フルオートとセミオートを比較すると、標準価格の差はおよそ17万円です。
フルオートは、自動保温や追い焚きなど多機能な分、メーカー希望小売価格が高めに設定されています。
ただし、実際の販売店での見積もりやキャンペーン価格では、この差が大きく縮まるのが一般的です。
販売価格は、市場の需要や仕入れ条件によって変動するため、セミオートとフルオートの実質的な差額は数万円程度に収まるケースも少なくありません。
したがって、単純にカタログ価格だけで判断せず、実際の販売価格の確認が大切です。
参考:ダイキン公式Webサイト|家庭用ヒートポンプ給湯機 総合カタログ
工事費用はほぼ同じ
セミオートとフルオートでは、本体の仕様こそ異なりますが、設置にかかる工事内容はほとんど変わりません。
いずれも貯湯タンクとヒートポンプの設置、配管や電気工事が必要になるため、工事費用は10〜20万円程度が相場です。
唯一の違いは、フルオートが浴槽循環配管を必要とする点ですが、新設時におこなう工事であれば追加費用はわずかです。
そのため、セミオートを選んだからといって工事費が大きく安くなるわけではありません。
最終的な見積もりでは、本体価格差の方が全体の費用に影響しやすいといえるでしょう。
長期的なランニングコストの差は小さい
セミオートとフルオートは、使用するヒートポンプの性能や給湯効率が基本的に同じであるため、光熱費の差はほとんどありません。
違いが出るとすれば、フルオートで自動保温を頻繁に使った場合に電気代がやや増える程度です。
ただし、省エネ運転機能を活用すればその差も小さく抑えられます。
むしろ、日々の使い方や家族の人数による影響の方が大きいです。
ランニングコストで比較するより、初期費用や使い勝手を基準に選ぶほうが賢明です。
セミオートタイプのエコキュートを選ぶ際のポイント
セミオートタイプは、シンプルでコスパが高い反面、メーカーや機種ごとに性能や快適性に違いがあります。
選ぶ際は、以下の3点を意識しましょう。
ポイント①:メーカーごとに異なる機能
セミオートといっても、メーカーごとに搭載機能や細かい仕様は異なります。
例えば、同じセミオートでもダイキンは高圧給湯に強みがあり、パナソニックはエコナビ機能で省エネ性を高めています。
三菱電機は「バブルおそうじ」など衛生面を重視したモデルがあり、コロナは価格が比較的抑えめです。
同じセミオートタイプでも快適性に差が出るため、カタログや公式サイトで特徴を必ず確認しましょう。
ポイント②:給湯保温効率
給湯保温効率とは、貯湯タンクから供給したお湯の温度がどのくらい長く保たれるかを示す性能指標です。
セミオートタイプは追い焚き機能がないため、お湯が冷めにくいかどうかが快適性に直結します。
効率が高い機種ほど湯温の低下が少なく、差し湯の回数を減らせるため、光熱費の節約にもつながります。
逆に効率が低いとすぐにぬるくなり、毎回の入浴で不便を感じやすくなるでしょう。
メーカーや機種ごとに保温性能には差があるため、カタログの数値や利用者の口コミを確認して選ぶことが大切です。
セミオートタイプを選ぶ際は、価格だけでなく給湯保温効率も比較し、長く快適に使えるモデルを選ぶことがおすすめです。
エコキュートの年間給湯保温効率に関する詳しい情報は、下記記事をご覧ください。
【関連記事】エコキュートの年間給湯保温効率とは?メーカー別比較と製品選びのポイントを解説!
ポイント③:水圧
エコキュート選びでは、水圧も快適性を大きく左右します。
特に、2階の浴室やシャワー利用が多い家庭では、高圧給湯やパワフル給湯モデルを選ぶと安心です。
セミオートタイプでも、メーカーによっては標準圧と高圧タイプの両方を販売しているため、自宅の配管環境や使用状況に合わせて選択しましょう。
水圧が不足するとシャワーの勢いが弱く、入浴の満足度が下がってしまいます。
導入前には必ず「どの水圧タイプか」を確認し、生活スタイルに合ったモデルを選ぶことが大切です。
セミオートタイプを販売しているエコキュートメーカー
下記のエコキュートメーカー4社は、いずれもセミオートタイプを販売しています。
まずは、全体の特徴を比較できる表をご覧ください。
メーカー | セミオートの主な特徴 | おすすめの家庭 |
ダイキン | 高圧給湯モデルを展開、コンパクト設計もあり | 2階に浴室がある家庭やシャワーをよく使う家庭 |
パナソニック | 省エネ機能「エコナビ」で効率的に運転 | 光熱費を抑えたい家庭 |
三菱電機 | 「バブルおそうじ」で衛生面を重視 | 清潔性や耐久性を重視する家庭 |
コロナ | 手頃な価格とシンプルな操作性 | 初期費用を抑えたい家庭 |
具体的に、メーカーごとの特徴をみていきましょう。
ダイキンエコキュートのセミオートタイプ
出典:ダイキン公式サイト「家庭用ヒートポンプ給湯機 総合カタログ」
項目 | 内容 |
特徴 | 高圧給湯モデルがあり、2階浴室でも快適に使用可能 |
メリット | コンパクト設計で狭小地にも設置対応・部品供給が安定しており修理対応もスムーズ |
ダイキンは、セミオートでも高圧給湯タイプに対応しており、2階浴室やシャワーを多用する家庭でも快適です。
さらに、狭い敷地向けのコンパクトモデルもあり、都市部の住宅事情にも対応可能です。
加えて、運転音が比較的静かな設計のため、夜間の給湯運転でも周囲に配慮しながら使えるのは大きなメリットです。
使い勝手と、快適性を両立したい家庭に適したメーカーといえるでしょう。
パナソニックエコキュートのセミオートタイプ
出典:パナソニック公式サイト「Panasonicの由来」
項目 | 内容 |
特徴 | 省エネ機能「エコナビ」で効率的にお湯を利用 |
メリット | ラインナップが豊富で家庭の人数や設置条件に合わせやすい・光熱費につながる運転設計 |
パナソニックは省エネ性能に強みがあり、セミオートタイプでも「エコナビ」による効率運転で無駄を減らします。
豊富なラインナップから、家庭の人数や設置環境に応じて選びやすく、省エネとコストのバランスを重視する家庭におすすめです。
三菱電機エコキュートのセミオートタイプ
出典:三菱電機公式サイト「家庭用エコキュート 総合カタログ」
項目 | 内容 |
特徴 | 「バブルおそうじ」で衛生的に浴槽を維持 |
メリット | 故障が少なく安定した稼働実績がある・メンテナンスや部品交換が比較的容易 |
三菱電機は、衛生機能に力を入れており、セミオートでも「バブルおそうじ」を搭載したモデルがあります。
耐久性や品質の高さにも定評があり、長期的な利用を考える家庭に安心です。
清潔性を重視する方には、特におすすめです。
コロナエコキュートのセミオートタイプ
出典:コロナ公式サイト|集合住宅専用エコキュートカタログ
項目 | 内容 |
特徴 | シンプル設計で直感的に操作可能 |
メリット | 価格が手頃で初期費用を抑えやすく、導入のハードルが低い |
コロナは、シンプルで分かりやすい設計が特徴で、初めてエコキュートを導入する家庭でも安心です。
他メーカーと比べて価格が安価な点も魅力で、初期費用をできるだけ抑えたい人に選ばれています。
多機能性よりも、コストや扱いやすさを優先する家庭に適しています。
セミオートタイプのエコキュートが向いている家庭・向いていない家庭
セミオートタイプはコスト面で魅力的ですが、使い方や世帯人数によって向き不向きがあります。
- 単身世帯や2人暮らしにおすすめ
- 子育て世帯や家族人数が多い家庭には不向き
順にみていきましょう。
単身世帯や2人暮らしにおすすめ
セミオートタイプはお湯はり機能を備えているため、少人数世帯には十分な性能を発揮します。
また、循環配管が不要なため、配管の汚れやメンテナンスの手間も少なく、清潔に使えるのもメリットです。
必要なときだけお湯を沸かしてシンプルに使えるので、無駄な機能にコストをかけたくない家庭に適しています。
子育て世帯や家族人数が多い家庭には不向き
一方で、家族の人数が多い世帯には、セミオートは不向きな場合があります。
入浴時間がバラバラになりやすく、追い焚き機能がないため、お湯が冷めるとその都度差し湯をしなければなりません。
結果的に水道代や電気代がかさみ、手間も増えるため不便を感じやすいでしょう。
人数が多い家庭では、利便性を優先し、長期的なランニングコストも考慮しての選択が重要です。
コスパ重視の方にはセミオートタイプのエコキュートがおすすめ!
セミオートタイプのエコキュートは、初期費用を抑えつつ必要十分な機能を備えた、コスパに優れた選択肢です。
追い焚きや自動保温は使えませんが、配管が汚れにくく、入浴剤を自由に楽しめるなど実用性の高い魅力があります。
単身者や夫婦2人暮らしなど少人数家庭には特におすすめで、ライフスタイルに合えば長期的にも満足度の高い設備となるでしょう。
購入時は、メーカーごとの特徴や価格帯を比較し、自分の暮らしに最適な1台を選ぶことが大切です。
「お湯が突然出なくなった!」「エラーが頻繁に出る!」など、エコキュートに関するお悩みは交換パラダイスへご相談ください。 エコキュートの買い替えに対する悩みはさまざまで、どう対処したらいいのかわからないことも多いですよね。 交換パラダイスはこれまで、約1,700件以上のエコキュートに関するお悩みを解決してきた実績を持ち、Googleの口コミではありがたいことに★5つの高評価を数多くいただいております。 さまざまなお悩みに最適な提案をいたしますので、エコキュートについてお困りの場合には、ぜひ一度ご相談ください。 ※1 経済産業省の給湯省エネ事業2025の補助金対象のエコキュート(以下EQ)への交換における補助額であり、電気温水器からEQの交換の場合最大17万円支給されます。 EQからEQの場合は最大13万円となります。 当社はお客様の代わりに申請書類作成のサポートを行いますが、申請者はあくまでお客様自身となります。 また行政・自治体の判断で補助金が打ち切りになる等、給付が確約するわけではございませんので、あらかじめご承知おきください。 ※2 実質無料キャンペーン含む。無償保証規約はこちらから。 ※3 10年間毎年1回点検について… 当社で製品を購入していただいたお客様限定で、ご契約時に定期点検(別途有料:49,500円(税込))をお申し込みいただいた場合に限ります。 施工後10年間にわたり、毎年1回(初年度は3か月後、1年後の2回)、合計11回にわたり弊社が設置した給湯器に不具合がないかを無償で点検いたします。 購入した製品の製品不備確認(リコールだった場合メーカーへ打診協議をお客様の代わりに行います)や施工不備による部分修理などを全て無償で行います。 蓄電池や太陽光パネルを設置している場合、それらの点検・簡易修理も無償で承ります。 その他住宅関連の点検も希望される場合は、点検のご連絡の際にお伝えいただければ無償で点検対応いたします。 なお、一部エリアは対象外となります。詳しくはスタッフまでお尋ねください。エコキュートのご購入をご検討なら交換パラダイスにお任せください!
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