エコキュートはSDGsに効果的？環境への配慮や設置するメリット・デメリットを解説

「エコキュートはSDGsに効果的？」「光熱費をどれくらい節約できる？」と疑問に思っていませんか。

エコキュートは省エネ性能が高く、SDGsにも効果的な給湯器です。

そのため、エコキュートのモデルによっては、設置する際に国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。

本記事では、エコキュートがSDGsに効果的な理由や設置のメリット・デメリット、補助金制度や選び方のポイントまで詳しく解説します。

環境に配慮した製品を選びたい方や毎月の光熱費をできるだけ抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。

エコキュートがSDGsに効果的な理由

エコキュートは、従来のガス給湯器や電気給湯器と比べて二酸化炭素の排出量を抑えられる点や、電気の使用効率が高い点が特徴です。

ここでは、エコキュートがSDGsに効果的な2つの理由をまとめました。

• お湯を沸かす際に必要な電力が抑えられるから
• ガスを使用せずCO2排出を抑えられるから

それぞれの詳細をみていきましょう。

お湯を沸かす際に必要な電力が抑えられるから

エコキュートは、ヒートポンプ技術を活用し、大気中の熱を効率的に利用してお湯を沸かす仕組みです。

少量の電力で大量のお湯を沸かせるため、電力消費の大幅な削減が可能です。

省エネ性能の高さは、SDGsのエネルギー効率の改善に効果的です。

夜間電力の活用で、電力の需要が高まる日中の電力消費を抑えられます。

さらに、エコキュートは電気だけでなく、外気の熱エネルギーを活用するため、環境負荷を軽減してお湯を沸かせます。

地球温暖化対策の観点からも、日常生活で無理なく取り組めるSDGs実現の手段の1つとして、エコキュートの導入はおすすめです。

ガスを使用せずCO2排出を抑えられるから

エコキュートはガスを使用せず、電気と空気中の熱を利用してお湯を沸かします。

化石燃料を直接燃焼させないことから、給湯時の二酸化炭素の排出量を抑えられます。

従来のガス給湯器と比較すると、CO2排出量は約50％も削減できるといわれています。

また、電力会社によっては再生可能エネルギー由来の電力を選ぶことも可能なため、エコキュートの使用により、さらに環境への負担を抑えられるでしょう。

日本国内でも温室効果ガスの排出量削減が求められる昨今、家庭単位でできるSDGsの取り組みとしてエコキュートの導入は効果的です。

SDGsへの効果以外にエコキュートを設置する4つのメリット

エコキュートはSDGsに効果的なだけでなく、設置によってさまざまなメリットがあります。

ここではエコキュートの設置で得られる4つのメリットを紹介します。

• 電気代の節約につながる
• 導入時に補助金を利用できる
• 入浴時やお湯の使用時に便利な機能を利用できる
• 災害時の生活用水の備えとして活用できる

各メリットを詳しくみていきましょう。

電気代の節約につながる

エコキュートは、主に夜間の安価な電気を使ってお湯を沸かす仕組みです。

そのため、電力プランによっては、日中にお湯を沸かすよりも電気料金を抑えられ、電気代の節約につながります。

一般的な家庭で使用される給湯エネルギーは、全体の消費エネルギーの約3分の1を占めており、その部分をエコキュートでの効率化で大きなコスト削減が期待できます。

さらに、断熱性能の高い貯湯タンクによりお湯を長時間保温できるため、保温のための追加加熱も抑えられます。

家計にやさしく、長期的にみると光熱費の削減が可能な点がエコキュートのメリットです。

導入時に補助金を利用できる

エコキュートを導入する際には、国や自治体が実施している補助金制度を活用できる場合があります。

例えば、「給湯省エネ2025事業」では、エコキュートの購入や設置に対して一定額の補助が受けられます。

補助金制度の活用で、初期費用の負担を軽減でき、高い省エネ性能を持つエコキュートを低コストで導入可能です。

また、自治体によっては国の制度とは別に独自の補助金を設けている場合もあり、併用できるケースもあります。

導入前には、お住まいの地域の補助金制度を確認しておきましょう。

入浴時やお湯の使用時に便利な機能を利用できる

エコキュートは単にお湯を沸かすだけでなく、給湯に関する快適さを向上させる便利な機能が多く搭載されています。

例えば、浴槽の自動湯はり機能や追い焚き機能、予約タイマーなど、生活スタイルに合わせた給湯が可能です。

さらに、リモコン操作で簡単に湯量や温度の調整ができるモデルでは、高齢者や子どもでも安心して使用できます。

最近ではスマートフォンアプリと連携し、外出先からの遠隔操作に対応するモデルも登場しており、帰宅後すぐ入浴できるよう湯はりをおこなうことも可能です。

エコキュートを導入する際は省エネ性能だけでなく、搭載機能の確認、検討も欠かせません。

災害時の生活用水の備えとして活用できる

エコキュートは貯湯タンクに大量のお湯をためられるため、災害時の生活用水として活用できます。

停電や断水などライフラインが停止した際でも、タンク内に残ったお湯や水を取り出して生活に利用できるため、手洗いやトイレの洗浄、水拭き掃除などをおこなえます。

また、災害時の備えとして、非常用取水栓を搭載したモデルを選んでおくとより安心です。

災害への備えと環境配慮の両立が可能な設備として、エコキュートは優れています。

エコキュートを設置する際の2つのデメリット

エコキュートには多くのメリットがありますが、設置する際にいくつかデメリットもあります。

エコキュートを設置する際の2つのデメリットをまとめました。

• 導入コストが高い
• 貯湯タンクを設置するスペースが必要

デメリットの詳細を説明します。

導入コストが高い

エコキュートは一般的なガス給湯器と比較して本体価格が高く、さらに設置工事費用もかかるため、初期費用が大きくなりやすいデメリットがあります。

機種やメーカーにもよりますが、設置費込みでおおよそ40〜80万ほどが費用相場です。

ただし、国や自治体の補助金制度の活用で一部費用を軽減できるケースもあるため、事前の情報収集と見積もりの比較をおこないましょう。

エコキュートは初期費用は高額ですが、省エネ性能が高くランニングコストを削減できるため、長期的な視点ではコストカットが期待できます。

貯湯タンクを設置するスペースが必要

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つの機器を設置する必要があり、設置スペースの確保が必要です。

特に貯湯タンクは高さが約1.8メートル前後あり、奥行きや幅も大きいため、住宅の敷地に余裕がない場合には設置が難しい場合もあります。

また、タンク内に貯められるお湯の重さは数百kgに達し、地盤がしっかりしている平坦な場所に設置しなければなりません。

そのため、設置の際には基礎工事が必要な場合があります。

狭小地や住宅密集地では、事前に設置業者と相談し、設置可能なモデルやそもそもエコキュートが設置可能かをよく確認しましょう。

エコキュートを環境に配慮して使うための3つのポイント

エコキュートは省エネ性に優れた設備ですが、使い方によって省エネ性能や環境への影響が左右されます。

ここでは、エコキュートを環境に配慮して使用するための3つの具体的なポイントを解説します。

• できるだけ日中の沸き増しをしない
• 定期的なメンテナンスを実施する
• 最新のエコキュートに交換する

各ポイントの詳細をみていきましょう。

できるだけ日中の沸き増しをしない

エコキュートは、夜間の電力が安い時間帯に沸かしたお湯を日中使用する仕組みです。

しかし、お湯の使用量が多く日中に沸き増しをおこなった場合、電気料金が高くなるケースがあります。

日中の沸き増しが起きないよう、お湯の使用量への意識やエコキュートの運転モードの調整が重要です。

具体的には、複数人で同じ時間帯に長時間の入浴を避けたり、洗濯や洗い物のタイミングを分散させたりなどの工夫をおこないましょう。

定期的なメンテナンスを実施する

エコキュートの性能を長く維持し、省エネ効果を持続させるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

フィルターの清掃や貯湯タンクの水抜き、配管の点検など、日常的にできるメンテナンスをおこなうことで故障を予防できます。

メンテナンスを怠ると、給湯の効率が低下して電力消費が増えたり、部品の劣化が早まったりする恐れがあります。

取扱説明書には推奨されるメンテナンスの頻度や方法が記載されているため、適切な方法と頻度でのメンテナンスを欠かさずおこなってください。

エコキュートのメンテナンス方法は、以下のページにまとめているので参考にご覧ください。

【関連記事】エコキュートのメンテナンス方法は？お手入れのペースや具体的な掃除のやり方を解説

最新のエコキュートに交換する

エコキュートは新しいモデルほど、従来機種に比べてさらに高効率で運転できるようになっている傾向にあります。

そのため、10年以上前の古い機種を使い続けるよりも、最新モデルに買い替えることで電力消費を抑え、環境負荷の大幅な軽減が期待できます。

また、最新のモデルでは、AIによる学習機能、遠隔操作機能などが搭載されていることが多く、無駄な電力消費を抑える機能を利用できる場合も多いです。

エコキュートの寿命は10〜15年で、設置から10年近く経過している場合は、新しいモデルへの交換がおすすめです。

エコキュートの設置で利用できる補助金制度「給湯省エネ2025事業」とは？

エコキュートの導入を検討する際に注目すべき制度が、国が実施する「給湯省エネ2025事業」です。

この制度は、省エネ性能の高い給湯器の普及を目的としており、対象製品を購入・設置した場合に補助金が支給されます。

補助金制度の利用で、導入時の初期費用の負担を抑えられます。

ただし、申請には指定された条件を満たす必要があり、対象機種や設置工事の実施業者にも制限がある点に注意してください。

事前に対象要件をよく確認し、適切な流れで申請手続きを進めましょう。

エコキュート補助金「給湯省エネ2025事業」の詳細は、以下のページにまとめているので参考にご覧ください。

【関連記事】【最新版】エコキュート補助金「給湯省エネ2025事業」を徹底解説！

エコキュートを導入する際の費用相場

エコキュートの導入費用は、機種や設置条件によって幅がありますが、一般的には本体価格と工事費を含めて40〜80万円が相場です。

また、古い給湯器の撤去費用が加わる場合もあるため、事前に見積もりを忘れずに取りましょう。

補助金制度の活用で導入コストを抑えることや、優良業者の選択がコスト削減のコツです。

エコキュートの工事費用の詳細は、以下のページにまとめているので参考にご覧ください。

【関連記事】エコキュート工事費込みの価格はいくら？注意点や交換費用もチェック！

ご家庭にあったエコキュートを選ぶ方法

エコキュートを導入する際は、ご家庭の人数や生活スタイル、設置環境などに適したモデルを選びましょう。

例えば、4人家族であれば370〜460リットルの貯湯タンク容量が目安です。

また、寒冷地や塩害地域では、それぞれの環境に対応した仕様のモデルを選ぶことで、故障のリスクを軽減できます。

機能面でも、省エネ性能の高さだけでなく、スマートフォンでの遠隔操作や自動ふろ配管洗浄機能など、日々の使いやすさも重視しましょう。

メーカーによって特化している技術や得意とする機能が異なるため、カタログや口コミを参考にしながらの比較が大切です。

また、長期保証やアフターサービスの充実度も重要な判断材料なため、設置を依頼する業者選びも慎重におこないましょう。

エコキュートの種類や選び方の詳細は、以下のページにまとめているので参考にご覧ください。

【関連記事】エコキュートの種類は？タンク容量や給湯タイプ・メーカーなどの違いから選び方まで解説

省エネ性能が高くSDGsにも効果的なエコキュートを導入しよう

エコキュートは、環境に配慮しつつ、家計にも優しい省エネ給湯器です。

従来のガス給湯器と比べてCO2排出量を大幅に削減できる点や、電力の利用効率が高い点など、エコキュートはSDGsに効果的な製品です。

初期費用こそかかりますが、補助金制度の活用で、コスト面の負担を軽減できる場合があります。

環境への配慮と毎月の光熱費削減が可能なエコキュートを設置して、快適さと社会貢献を両立させましょう。