エコキュートは災害時に大活躍！地震・台風など非常時に役立つポイントを解説

自然災害の頻発により、家庭での備えがますます重要になっています。

そのなかでも、エコキュートは災害時における頼もしいパートナーとなります。

停電や断水時でもタンク内のお湯や水を活用すれば、生活の維持が可能です。

さらに、事前の準備や適切な使用方法を知っておくことで、いざという時に大きな安心が得られます。

この記事では、エコキュートの災害対応力や非常用水の取り出し方法、注意すべき点などを詳しく解説します。

災害に備えたエコキュートの選び方と活用法を知り、安心した生活を手に入れましょう。

エコキュートが災害時に強い理由とは？

エコキュートは災害時において、他の給湯器に比べておすすめの選択肢となります。

エコキュートが災害時に強い理由は下記の3点です。

1. エコキュートは断水時でも使えるから
2. エコキュートは停電時でも使えるから
3. 災害時に復旧するのが一番早いのは電気だから

順に解説します。

エコキュートは断水時でも使えるから

エコキュートの最大の特徴は、貯湯式である点です。

これにより、断水が発生した場合でもタンク内の水を生活用水として利用できます。

たとえば、約460Lのタンクを持つエコキュートでは、4人家族の場合、約3～4日分の水を確保できるため、洗顔や食器洗い、トイレの水洗などの生活用水として活用できます。

このように、断水時でも水の供給源として頼りになる点が、エコキュートの大きな強みです。

エコキュートは停電時でも使えるから

停電時でも、エコキュートは機能を維持できます。

貯湯タンクは魔法瓶のようにある程度の保温性があります。

この特性により、停電後もしばらくの間はお湯を使うことができ、家族全員が生活に必要な水やお湯の確保が可能です。

もちろん、長期間の停電には限界がありますが、数時間から1日程度の停電であれば、十分に生活を支えるお湯が使えるため安心です。

災害時に復旧するのが一番早いのは電気だから

災害時にもっとも早く復旧するライフラインは「電気」です。

たとえば東日本大震災（2011年）や阪神・淡路大震災（1995年）では、「電気」「水道」「都市ガス」のなかで、もっとも早く復旧したのは電気でした。

東日本大震災の際の、ライフラインの復旧状況は以下のとおりです（倒壊家屋を除く）

主なライフライン	復旧までの日数
電気	およそ2～10日
水道	およそ1カ月
都市ガス	およそ1カ月
LPガス	およそ40日

参考：内閣府 防災情報のページ「被害に関するデータ等（PDF）」

エコキュートは電気で動作するため、電気が復旧すればすぐに使用できます。

このように、エコキュートは災害時において他の給湯器よりも早く使用可能になり、家庭での生活維持をサポートするため、災害対策として有効です。

エコキュートの水は災害時に非常用水として使える！

エコキュートの貯湯タンクには、災害時に非常用水として活用できるお湯が蓄えられています。

断水や停電時にこのお湯を生活用水として利用すれば生活の質を維持できます。

ただし、使用方法や注意点を理解しておくことが重要です。

断水時にどれくらいの水が使える？

エコキュートの貯湯タンクには、一般的に200〜460リットルのお湯が蓄えられています。

460リットルのタンクが満タンの場合、4人家族であれば約3日分の生活用水を確保できます。

飲用以外の用途、たとえばトイレの洗浄や手洗い、食器洗いなどに利用可能です。

ただし、飲用水として使用する場合は、煮沸するなどの処理が必要です。

断水時の水の使い道

エコキュートの非常用水は、飲用以外の生活用水として活用できます。

具体的には、トイレの洗浄、手洗い、食器洗い、体を拭くなどの用途に適しています。

特に、トイレの洗浄は生活のなかで利用頻度が高いため、非常用水の確保が重要です。

ちなみに、エコキュートのタンク内のお湯は高温であるため、使用時にはやけどに注意が必要です。

お湯を使用する際は、温度を確認し、必要に応じて冷却してから利用しましょう。

エコキュートの水は災害時に飲める？

エコキュートのタンク内のお湯は、基本的に飲用には適していません。

その理由は、水道法により飲用水としての基準が厳しく定められており、エコキュートのお湯はその基準を満たしていないためです。

具体的には、エコキュートのタンク内のお湯は、長時間高温に保たれることでカルキ（残留塩素）が抜けてしまい、水道法で定められた飲用水の基準を満たさなくなる可能性があります。

災害時には、エコキュートのタンク内のお湯を生活用水として活用し、飲用水は別途確保しておくことがおすすめです。

エコキュートのお湯が飲用に適さない理由や活用法を、より詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】エコキュートのお湯は飲用ではない？理由や活用法・衛生面を解説！

災害時にエコキュートからの水を取り出す方法

エコキュートは、災害時の断水時に貯湯タンク内のお湯を生活用水として活用できます。

ここでは、災害時にエコキュートから水を取り出す方法を説明します。

出典：関西電力「電気給湯器における非常時の対応（取水方法）」

メーカーによって異なりますが、一般的な手順は以下のとおりです。

手順	詳細
①漏電遮断器を「切」にする	エコキュートの電源を切り、電気の供給を停止します
②給水止水栓を閉める	タンクへの給水を止めるため、給水配管専用の止水栓を閉じます
③逃し弁レバーを手前に起こす	タンク内の空気の出入りを確保するため、逃し弁レバーを手前に起こします
④非常用取水ホースを取り付ける	取水口にホースを取り付け、バケツやポリタンクなどで水を受けます
⑤ 水を出す	ホースの取水口を左に回すと、水が出てきます
⑥水を止める	使用後はホースの取水口を右に回して水を止めます
⑦逃し弁レバーを下げる	タンク内の空気の出入りを元に戻すため、逃し弁レバーを下げます
⑧ 給水止水栓を開ける	給水を再開するため、給水止水栓を開けます

取水方法は機種やメーカーによって異なる場合があるため、取扱説明書を確認してください。

取り出した水は高温になる可能性があるので、やけどに注意して使用しましょう。

【エコキュート】災害直後に注意すべき点

停電や断水後、エコキュートの利用に関して適切な対応が、災害時の生活を支えるために重要です。

ここでは、停電から復帰したとき、断水が解除されたときに必要な対処方法を詳しく解説します。

停電から復帰したとき

停電が発生しても、短期間であればエコキュートは特別な操作を必要とせず、電気の復旧と同時に通常どおり使用できます。

しかし、停電後にリモコンの時計表示に異常がみられる場合は、時刻設定を再調整する必要があります。

もしエラーメッセージが表示された場合は、取扱説明書を参照し、エラーを解消してください。

特に、水害などでエコキュートが浸水した場合は、停電が復旧してもすぐに通電しないでください。

内部に水が残っている場合、漏電や火災のリスクが高まるため、浸水後は必ず購入した販売店や各メーカーへ連絡し、点検とメンテナンスをおこないましょう。

断水が解除されたとき

断水が解除された直後、エコキュートをすぐに使用しないようにしましょう。

長期間の断水中、タンク内にゴミや汚れ、さびが溜まっている可能性があります。

断水解除後、まずは洗面所やキッチンの蛇口を開け、しばらく水を流して汚れた水が出ないか確認します。

透明な水が出るまで流し続け、その後にエコキュートを使用するようにしましょう。

この洗管作業をおこなうことで、タンク内にゴミやさびが入るのを防ぎ、エコキュートの故障を避けることができます。

もし蛇口から白濁した水が出ても、空気が混じったサインなので心配いりません。

しかし、赤い濁り水が出た場合は、配管内のさびが原因と考えられるので、使用を避け地元の水道局や修理業者に連絡しましょう。

【エコキュート】災害に備えて必要なこと

災害時にエコキュートを安全に使用するためには、事前の準備とメンテナンスが不可欠です。

災害時に備えて必要なことは下記の4点です。

1. 地震対策のために適正な基礎工事をしてくれる業者を選ぶ
2. 日常のメンテナンス
3. 災害が予想されるときには昼間でも沸き増しをしておく
4. 災害時の破損に備えて保険内容を見直す

順に説明します。

地震対策のために適正な基礎工事をしてくれる業者を選ぶ

エコキュートの貯湯タンクは、満水時に重さが数百キロにもなるため、地震時の倒壊を防ぐためには適切な基礎工事が欠かせません。

特に、簡易的な基礎工事をおこなった場合、強い地震でタンクが倒れる危険性があります。

災害に備え、エコキュートを設置する業者にはしっかりとした基礎工事をおこなってもらうことが大切です。

業者選びでは、料金だけでなく、過去の施工実績などを事前に確認しましょう。

信頼できる業者と契約を結ぶことで、災害時のリスクを減らすことができます。

日常のメンテナンス

エコキュートを長期間にわたって安全に使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

特に災害時には、貯湯タンク内の水を利用するケースが多いため、タンク内の水質を保つための清掃が重要です。

半年に1回程度、水抜き作業をおこない、タンク内に蓄積された不純物を取り除くよう心がけましょう。

また、エコキュートは使用していないときも通電状態にあるので、リモコンやその他の設備も定期的に確認し、正常に動作しているか点検をしましょう。

エコキュートの水抜きの具体的な方法は、下記の記事を参考にしてください。

【関連記事】エコキュートの水抜きしないとどうなる？水抜きの正しいやり方やタイミング・頻度を解説！

災害が予想されるときには昼間でも沸き増しをしておく

台風や集中豪雨など、災害の予兆がある場合は、昼間でも沸き増し運転をおこない、エコキュート内のお湯を十分に確保しておきましょう。

昼間に沸き増しをすれば、災害時に備えて必要な量のお湯を準備できます。

特に一部のエコキュートでは、警報や注意報が発令された際に自動で沸き上げをおこなってくれる「エマージェンシー沸き上げ」機能を備えているため、外出中でも安心です。

災害発生時には、貯湯タンク内のお湯を生活用水として使用できるので、事前にお湯を準備しておきましょう。

災害時の破損に備えて保険内容を見直す

災害による破損に備えて、火災保険の内容を見直すことも必要です。

地震や水害でエコキュートが倒れたり、浸水したりする場合がありますが、火災保険に加入していれば、修理費用や再購入費用の補償を受けられる可能性があります。

ただし、補償内容は保険会社によって異なるため、契約時にしっかりと確認しておくことが必要です。

また、災害後にすぐにエコキュートを交換するのは避けましょう。

故障した部分の写真を撮って証拠を残しておかないと、保険が適用されない可能性があります。

交換後では破損の証明が難しくなるため、証拠をきちんと保存しておくことが重要です。

エコキュートの火災保険に関する詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】エコキュートが故障した場合に火災保険を適用できる？壊れ方の条件や申請方法を解説！

災害時以外でもエコキュートが選ばれる理由

エコキュートは災害時だけでなく、日常の利用に関しても大きな利点があります。

災害時以外でもエコキュートが選ばれる理由は下記の3点です。

1. 省エネで光熱費が節約できる
2. 環境に優しい
3. 補助金が使える場合がある

順にみていきましょう。

省エネで光熱費が節約できる

エコキュートは、従来のガス給湯器に比べて省エネ性能が高く、光熱費を大きく削減できます。

特に、エコキュートはヒートポンプ技術を使用しており、空気中の熱を利用してお湯を沸かすため、電気代の大幅な節約が可能です。

ガスを使わないためガス代が発生せず、従来のガス給湯器と比較して、年間のランニングコストを30〜50%程度削減できるケースもあります。

光熱費を節約でき、長期的には大きなコスト削減となります。

環境に優しい

エコキュートは、CO2の排出量を大幅に削減できるため、環境への負担が少ない給湯器として注目されています。

エコキュートは、石油や天然ガスを使用せず、空気中の熱を利用してお湯を沸かすため、CO2排出量を抑えることができます。

エコキュートを導入すれば、家庭単位でのエコ活動に貢献し、地球環境への負担を軽減できます。

補助金が使える場合がある

エコキュートの導入には、補助金が支給される場合があります。

政府や自治体が提供する補助金制度を利用すれば、エコキュートの初期導入費用の削減が可能です。

特に、省エネ設備導入を奨励する政策の一環として、多くの自治体でエコキュートへの補助金が提供されています。

補助金を活用できれば、環境への配慮と経済的な負担軽減を同時に実現できます。

エコキュートのメリットに関してさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】エコキュートとは？省エネ技術の仕組み・メリット・デメリット・選び方を徹底解説

災害時も頼れるエコキュートで安心を手に入れよう！

エコキュートは災害時に大きな安心を提供してくれます。

停電や断水などの緊急時でも、貯湯タンク内のお湯や水を生活用水として利用できます。

また復旧が早い電気を動力源にしているため、迅速に使用再開が可能です。

日常的にも省エネ性能や環境への配慮、補助金を利用できる点など、多くのメリットがあります。

エコキュートを導入して、災害への備えを強めましょう。