エコキュートのデマンドレスポンス(DR)とは?仕組み・メリット・実例について

「デマンドレスポンスとは何か?」
「エコキュートにおけるデマンドレスポンスの意味は?」
このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
デマンドレスポンスは、個人や家庭、そして社会におけるエネルギー問題に対して大きな意味を持つ仕組みであり取り組みです。
この記事では、エコキュートにおけるデマンドレスポンスの概要やメリット・デメリットに関して解説するので、参考にしてください。
エコキュートのデマンドレスポンス(DR)とは?
まず、エコキュートのデマンドレスポンスの概要を解説します。
- デマンドレスポンスの仕組み
- デマンドレスポンスの種類
- エコキュートとDRの関係
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
デマンドレスポンスの仕組み
デマンドレスポンスとは、電力の需要と供給のバランスを調整する仕組みを指します。
例えば、電力需要が多い時間帯に節電したり、需要が少ないときに電気を多く使用したりして、電力供給自体を安定させる取り組みが、デマンドレスポンスに該当します。
近年のエネルギー不足の問題やSDGsの普及などにより、デマンドレスポンスが注目されるようになりました。
デマンドレスポンスの種類
デマンドレスポンスには、以下の種類があります。
- 電気料金型
- インセンティブ型
- 要請型
電気料金型は、時間帯に応じて異なる電気料金を設定し、消費者の電力使用をコントロールするもの。
また、インセンティブ型は、消費者が節電や需要調整に協力した場合にポイントの付与や料金割引などのリターンを設定するものです。
そして、要請型は、政府などが一般家庭に要請する形で、電力調整をおこなうもの。
エコキュートでは、3種類すべての型が、電力会社や地域によってそれぞれの形で使われています。
また、要請がなくとも、個人が節電を試みるのもデマンドレスポンスの1つといわれています。
エコキュートとDRの関係
エコキュートは、デマンドレスポンスとの相性がよい給湯器です。
例えば、沸き上げのタイミングを日中に移す、太陽光発電を用いて節電するなどが、エコキュートにおけるデマンドレスポンスに該当します。
また先述のとおり、電力会社の要請に応じてデマンドレスポンスを実施するケースも増えてきました。
これらは、エネルギー不足の問題解決に貢献するだけではなく、電気代を安くするメリットもあり、注目されるようになりました。
エコキュートのデマンドレスポンス(DR)のメリット
エコキュートにおけるデマンドレスポンスには、以下のメリットがあります。
- 電気代が安くなる
- 再生可能エネルギーを活用できる
- 特典制度を活用できる
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
電気代が安くなる
エコキュートにおけるデマンドレスポンスの最大のメリットは、電気代が安くなる点です。
電力需要が小さく、電気料金が安い時間帯にエコキュートを稼働させれば、電気代を安く抑えられます。
エコキュートには、沸き上げの時間帯を日中に固定したり、給湯量を自動調整したりする機能が搭載されています。
これらの機能を利用すれば、デマンドレスポンスに貢献しつつ、家庭の負担も抑えられるでしょう。
電力会社がデマンドレスポンスを要請している場合、それに応じることで割引が入るケースもあります。

再生可能エネルギーを活用できる
太陽光発電を導入している場合、再生可能エネルギーも無駄なく活用できます。
太陽光発電による発電量は天候や時間帯に左右され、発電量が余る時間帯があります。
しかしエコキュートなら、そのタイミングに合わせて沸き上げして、発電量を無駄にせず給湯可能。
もちろん、太陽光発電で得られた電力を使用するぶん、送電による電気代が安くなる効果もあります。
特典制度を活用できる
電力会社によっては、デマンドレスポンスに対するインセンティブを設けていることがあります。
ポイントがもらえたり、割引を受けられたりするため、実質的な電気代をさらに安く抑えられます。
電力会社がどのようなインセンティブ型デマンドレスポンスを実施しているのか確認しましょう。
エコキュートのデマンドレスポンス(DR)のデメリット
一方でエコキュートのデマンドレスポンスには、以下のデメリットもあります。
- 湯切れが起こりやすくなる
- 沸き上げスケジュールが変更される
- 古い機種では非対応の場合がある
特に湯切れは、エコキュートの利便性に大きく関わります。
それぞれ解説するので参考にしてください。
湯切れが起こりやすくなる
デマンドレスポンスで沸き上げのタイミングが制御されると、想定よりもお湯がたまらず、湯切れするケースがあります。
その場合は、電力消費量が大きい沸き増しなどを使わなければ給湯できません。
つまり、デマンドレスポンスによって、利便性が落ちたり、電気代が高くなったりする可能性があるのです。
湯切れを避けるには、湯量を多く設定する、自動の沸き上げを一時的に解除するなどの方法があります。
沸き上げスケジュールが変更される
デマンドレスポンスに参加すると、一部の機能がDR事業者に制御されるため、自動的に昼間や夕方に沸き上げが実施されるようになります。
これにより電気代の削減効果は得られますが、利用者からすると「いつお湯が沸くのかわかりづらい」と感じることも。
ただし、多くのDR事業者は、事前に沸き上げ時間などを通知するため、それを確認すれば問題はありません。
また、やや電気代が高くなりますが、沸き増し機能を使えばただちにお湯を供給できます。
古い機種では非対応の場合がある
エコキュートのなかでも古い機種は、デマンドレスポンスに対応していません。
これは、古い機種には沸き上げ機能がなかったり、電力会社によるデマンドレスポンスの要請を受け取る連携ができなかったりするからです。
デマンドレスポンスを取り入れる場合は、最新機種を選ぶのをおすすめします。
また、電力会社がデマンドレスポンスを要請しているか、要請に応じた場合にどのようなインセンティブを用意しているのかも確認しておきましょう。
エコキュートのデマンドレスポンス(DR)の実例
エコキュートのデマンドレスポンスには、以下の実例があります。
- 東京電力エナジーパートナー
- 北陸電力
- インテック
これらの実例では、さまざまな成果が得られました。
それぞれ解説するので参考にしてください。
東京電力エナジーパートナー
東京電力エナジーパートナーでは、エコキュートを遠隔で操作し、デマンドレスポンスの状態に置く実証実験がおこなわれています。
2024年度は、約3万件の家庭が参加し、昼間の給湯を用いて電力の需要調整が現実的に可能であると確かめられました。
また、昼間の電力の過剰な供給に対して、デマンドレスポンスが有効であることも確認できています。
参考:東京電力-エコキュートを遠隔制御するデマンドレスポンスの実証を開始
北陸電力
北陸電力では、2025年7月より「Easyキュート」と呼ばれる、エコキュートを対象としたデマンドレスポンスが実施されています。
事前におこなわれたダイキンとの共同実験により、デマンドレスポンスの有効性が立証されたことから、この制度がスタートしました。
加入者は、リース料金および独自の「ほくリンクポイント」を獲得できます。
インセンティブ型のデマンドレスポンスとしての成功が期待されている実例です。
参考:北陸電力-北陸電力株式会社と株式会社 Shizen Connect による
エコキュートを活用した需要創出DRサービスの開始
インテック
インテックでは、独自エネルギー管理システムが開発され、複数メーカーのエコキュートおよび家庭用蓄電池の一律操作が実施されています。
また、独自アプリケーションの「UCHITAS」により、テレビをデマンドレスポンスの操作ツールとして活用できるようにもなりました。
UCHITASを使えば、デマンドレスポンスがどのように進められているか確認したり、スケジュールを調整したりすることできます。
参考:UCHITAS
エコキュートのデマンドレスポンス(DR)に関するよくある質問
この記事では、エコキュートのデマンドレスポンスに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- エコキュートのDR補助金とは?
- 電気代はどのくらい安くなる?
- 導入にあたって工事は必要か?
- デマンドレスポンスは手動で制御できるか?
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Q.エコキュートのDR補助金とは?
エコキュートにおけるDR補助金とは、世帯や個人によるデマンドレスポンスへの助力に対して、自治体や電力会社が補助金を支給する制度です。
例えば東京電力では、デマンドレスポンスに参加した家庭に対して、「くらしTEPCOポイント」を付与し、これが実質的に補助金の役割を果たしています。
エコキュートを購入もしくはデマンドレスポンスに参加する場合、住んでいる地域でどのような補助金・ポイント制度が利用できるのか、確認しておくとよいでしょう。
Q.電気代はどのくらい安くなる?
デマンドレスポンスに参加した場合、年間で数千円から数万円の削減が期待できるでしょう。
実際、関西電力らの実証実験では、1か月強のデマンドレスポンスの試験運転で一世帯あたり2,400円に相当する節約効果が生じました。
ただし電気代の削減効果は、利用頻度や地域、寒冷地かどうかなどによって左右されます。



Q.導入にあたって工事は必要か?
すでにデマンドレスポンスに対応する機能があるなら、工事は必要ありません。
ただし、対応していない古い機種が設置しているなら、対応機種への交換工事が必要です。
交換に関しては、「エコキュートの交換にかかる日数は?工事の流れ・費用・業者選びまで徹底解説!」を参考にしてください。
参考:関西電力-低圧分野のお客さま向けデマンドレスポンスの実証概要



Q.デマンドレスポンスは手動で制御できるか?
デマンドレスポンスは手動で制御可能です。
例えば沸き上げ機能などは、リモコンユニットで任意に変更できます。
ただし、手動で変更すると、電気代の削減効果が低減する点に注意してください。
まとめ:エコキュートのデマンドレスポンス(DR)で日々の電気代を大幅カットできるかも
この記事では、エコキュートのデマンドレスポンスに関して解説しました。
エコキュートのデマンドレスポンス(DR)は、世帯の電気代削減や社会全体での電力安定などに貢献できる仕組みです。
電気代を安くするだけでなく、再生可能エネルギーの有効活用や、ポイント・補助金などの特典も得られるかもしれません。
一方で、湯切れのリスクをはじめとしたデメリットも存在します。
また、ポイントや補助金などの特典が充実していない場合、むしろ損をするかもしれません。
デマンドレスポンスにあたっては、利用する地域の制度や電力会社の特典内容をしっかり確認しておくことが大切です。
上手に活用すれば、デマンドレスポンスを通じて電気代を節約できるでしょう。
【関連記事】エコキュートの電気代が安い時間帯は?電気代節約のコツを解説
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