エコキュートは落雷で故障する？事故発生時の対応や保険適用について

「エコキュートは落雷で故障するのか？」

「落雷事故による修理費用はどれくらいか？」

「火災保険は適用されるのか？」

このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか？

エコキュートが落雷によって故障するケースはあります。

エコキュート本体に、直接、雷が落ちることはほとんどありません。

しかし、近くに落雷があった影響を受けて故障する可能性があります。

この記事では落雷で故障した場合の修理費用や、事故発生時の対処法、火災保険の適用などに関して解説します。

エコキュートが落雷で故障した場合の修理費用の目安

エコキュートが落雷で故障した場合、状態ごとでおおむね以下の修理費用が必要です。

• 制御基板の故障：15,000〜50,000円
• センサーの不具合：30,000〜70,000円
• リモコン基板の配線不具合：30,000〜70,000円
• 冷媒回路の損傷：50,000〜180,000円

特に冷媒回路の修理費用が高額です。

これが故障した場合は、買い替えも検討したほうがよいでしょう。

その他、小さな部品が故障した場合、数千円から数万円の修理費用が生じます。

エコキュートが落雷で故障する理由とメカニズム

エコキュートが落雷で故障する原因は、多くの場合「雷サージ」の発生です。

雷サージとは、落雷時に直撃していなくとも、周辺の電柱や電線に、一時的に高い電圧が発生する現象です。

もしエコキュートに関連した部分に雷サージが発生すれば、異常な電圧に影響され、故障するケースが考えられます。

残念ながら、雷サージの発生を避けるのは困難です。

なお、エコキュート本体に落雷するケースは「高いところに落ちる」雷の性質上、ほとんど考えられません。

エコキュートが落雷の被害を受けた場合の対処法

エコキュートが落雷の被害を受けた場合、以下のように対処します。

• 自身の安全を確保する
• ブレーカーを確認する
• リモコンの表示をチェックする
• エラーコードを確認して対応する

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

自身の安全を確保する

まず、自身の安全を確保しましょう。

エコキュートが故障するほどの落雷があった場合、同地域にさらなる落雷が起こりえます。

また、強風や豪雨がともなうケースもあるでしょう。

自身の安全が自然災害から守られているのを確認してから、行動しましょう。

ブレーカーを確認する

安全が確保できたら、ブレーカーを確認しましょう。

ブレーカーは、分電盤と呼ばれる場所に格納されています。

多くの場合、玄関やリビングの高いところに設置されているので探してみましょう。

ブレーカーがOFFになっていたら、スイッチを上げてONに戻します。

リモコンの表示をチェックする

続いて、リモコン画面が正常に表示されているか確認しましょう。

電源が入らない、文字化けなどの問題があれば、取扱説明書を確認して復帰操作を実施します。

取扱説明書に記載ある復帰操作を実施しても改善しない場合は、修理業者に相談する必要があります。

エラーコードを確認して対応する

リモコン画面が表示される場合、エラーコードが出るケースがあります。

取扱説明書を読み、エラーコードごとに定められた対処を実施しましょう。

軽度のエラーであれば、この操作によって改善します。

ただし、落雷の影響が大きかった場合、エラーが解消されない、もしくは解消されたあとも頻発するなどのケースがあります。

この場合は何らかの部品が破損していると考えるため、修理業者に連絡しましょう。

落雷でエコキュートが故障した際の火災保険の手続き

残念ながら、エコキュートに対する落雷の被害をあらかじめ防ぐのは困難です。

しかしほとんどのケースで、落雷による被害は火災保険によって補償されるので、心配は必要ありません。

名称は火災保険ですが、実際には水害や風害、そして落雷も、補償の適用範囲として認められているのが一般的です。

火災保険による補償を受けるために必要な手続きは、以下のとおりです。

• 保険会社に連絡する
• 被害状況を写真撮影する
• 修理業者に連絡する
• 保険会社に必要書類を送付する
• 保険会社の審査を受ける

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

保険会社に連絡する

エコキュートが落雷によって故障したら、まずは保険会社に連絡しましょう。

ここでは被害状況の確認がおこなわれるので、質問にはできるだけ正確に答えます。

また、補償を受けるために必要な手続きや書類の作成方法も案内されるので、きちんと聞いておきましょう。

被害状況を写真撮影する

保険会社に連絡した時点で、被害状況を記録するように求められます。

指示にしたがい、落雷による被害があった部分を撮影しましょう。

例えば焦げ目、割れ、異臭が発生した場所などを撮る必要があります。

リモコンユニットなどで不具合があったなら、それも撮影しておきましょう。

これらは落雷の被害を受けたことを証明するための貴重な資料となるため、決して削除せず保管しておきましょう。

修理業者に連絡する

続いて修理業者に連絡し、修理を実施しましょう。

被害状況を説明し、現地調査の日付を約束します。

現地調査には同席し、火災保険の申請が必要であることを伝えましょう。

工事を契約したら、あとは工事完了の報告を待ちます。

なお、修理を依頼する場合は、見積書を読み込んだり、相見積もりを取ったりして、適正な金額で工事が依頼できるように工夫しましょう。

保険会社に必要書類を送付する

工事と並行して、保険会社への提出が必要な書類を作成しましょう。

基本的には修理見積書、診断書、撮影写真などがこれに該当します。

また、落雷証明や修理報告書など、修理業者でしか発行できない書類の提出が必要なケースもあります。

これは工事の完了を待たなければ取得できません。

すべての書類が揃ったら、保険会社に提出しましょう。

保険会社の審査を受ける

書類を提出したら、保険会社での審査がおこなわれます。

ここまでの手続きをきちんとおこなっていれば、基本的に審査は通ると考えて問題はありません。

ただし、部分的に落雷の影響による被害ではないと判断されるなどのケースはありえるので、注意してください。

審査が完了すれば、審査結果に応じた金額が、所定の口座に振り込まれます。

エコキュートの落雷被害に関するよくある質問

この記事では、エコキュートの落雷による故障に関して解説しました。

ここでは、よくある質問に回答します。

• 落雷証明は必要？
• 火災保険はどこまで適用される？
• 免責金額とは？
• 落雷の影響を防ぐ方法はある？

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

Q.落雷証明は必要？

A.保険会社の方針や事故の状況によっては、落雷証明が必要です。

落雷証明とは、多くの場合修理業者が発行するもので、これがない場合には火災保険による補償を受けられない可能性があります。

ただ、ほとんどの修理業者は、保険会社の要請があれば発行するため、問題はありません。

仮に落雷証明が提出できなくても、被害状況を記録した動画や写真、気象情報サイトに記載される落雷記録によって、被害があったと認定されるケースもあります。

Q.火災保険はどこまで適用される？

A.火災保険の補償の適用範囲は、契約内容によって異なります。

一般的には、以下の災害による被害が適用範囲として設定されます。

• 火災
• 落雷
• 風災
• 雪災
• 漏水
• 津波
• 噴火etc.

エコキュートを故障させうるほとんどの災害は、火災保険の補償の適用範囲であるため、まず問題はありません。

Q.免責金額とは？

A.免責金額とは、保険金支払い時、契約者が自己負担すべき最低金額を示します。

免責金額は保険会社や火災保険ごとで定められています。

被害総額が免責金額を下回る場合、補償が発生しません。

また、被害総額が免責金額を上回っている場合でも、免責金額に相当する額は負担しなければいけません。

Q.落雷の影響を防ぐ方法はある？

A.落雷の影響、雷サージの発生を防ぐ方法はごく限られています。

一例として、電線に雷サージによる過電圧を遮断するデバイスの設置が考えられます。

しかしこの工事には数十万円以上の費用がかかるため、現実的ではありません。

雷サージの発生を防ぐのではなく、故障があったときに正しい手順で火災保険を利用し、修理費用を抑えるほうが合理的です。

落雷によるエコキュートの故障は火災保険が適用できる

この記事では、エコキュートの落雷による故障やその後の対応に関して解説しました。

落雷によるエコキュートの故障は予防するのが困難で、有効な対策はほとんどありません。

しかし、落雷による被害は、火災保険によってカバーされており、ほとんどの場合は修理費用を自己負担する必要はありません。

一方で落雷証明が必要になるケースがあるなどの点には注意しましょう。

また、落雷が発生しているなら暴風や豪雨なども想定されるので、自身の安全を第一に行動しましょう。