追い焚きとは？メリット・デメリットや後付け時の注意点を解説

「追い焚きはどのような機能？」「追い焚き機能を後から付けることは可能？」とお考えではありませんか。

追い焚きは、ぬるくなったお湯を再度温め、快適な湯温で入浴できる機能です。

本記事では、追い焚きの仕組みや高温足し湯・自動保温機能との違いを解説します。

また、メリット・デメリットや後付けの注意点、対応する給湯器も紹介するので、追い焚き機能の導入を検討している方は参考にしてください。

追い焚きとは？

追い焚きとは、一度沸かしたお風呂のお湯が冷めてしまったときに、再び加熱して温め直す機能です。

給湯器と浴槽が配管でつながれており、浴槽内の湯を給湯器に戻して加熱し、再度浴槽に送り出します。

ボタン1つでお湯を温め直せるため、家族の入浴時間が異なる場合や、お湯が冷めやすい冬場に便利です。

追い焚きには「自然循環方式」と「強制循環方式」の2種類があります。

自然循環方式は、浴槽の上下2つの穴を使って温度差を利用してお湯を循環させます。

一方、強制循環方式はポンプを使って1つの穴で吸引と吐出をおこない、お湯を効率よく温め直す仕組みです。

給湯器のタイプによって、追い焚き機能の有無や種類が異なるため、購入時には機能の詳細を確認しましょう。

追い焚きと高温足し湯・自動保温の違い

追い焚きと似た機能として以下の2つの機能があります。

• 高温足し湯
• 自動保温

いずれも浴槽のお湯の温度を維持する機能ですが、それぞれ仕組みや特徴が異なります。

各機能の詳細と追い焚き機能との違いを説明しましょう。

高温足し湯：温度が高いお湯を加える機能

高温足し湯は、浴槽の温度が下がったときに高温のお湯を追加して湯温を上げる機能です。

冷めたお湯を再加熱する追い焚きとは異なり、新しいお湯をつぎ足して温めます。

雑菌の繁殖リスクが低い点や、配管を通さない分だけ清潔に使える点がメリットです。

ただし、水位が上がるため、お湯が溢れる可能性があります。

高温足し湯で湯温を調節する場合は、ぬるくなったお湯を排水しながら足し湯をおこなってください。

また、水道代がかかることや、浴槽のサイズにより高温足し湯が不向きなケースもある点に注意が必要です。

自動保温：お湯の温度を自動で保つ機能

自動保温は、設定温度を下回らないように、一定時間ごとに自動で追い焚きをおこなう機能です。

湯温を常に一定に保てるため、長時間の入浴や複数人での入浴に向いています。

操作の手間がなく、お湯が冷めるたびに自分で再加熱する必要がない点がメリットです。

一方、電気やガスを継続的に使用するため、光熱費がかかる点には注意してください。

また、保温の時間設定を誤ると無駄な電力消費につながる場合があるため、使い方の見直しが必要です。

追い焚きの3つのメリット

追い焚きは、日々の入浴を快適にするだけでなく、いくつかメリットがあります。

ここでは、追い焚きの3つのメリットを紹介します。

• 入浴の時間帯を気にする必要がない
• 水道代の節約につながる
• お湯が溢れる心配がない

各メリットを詳しくみていきましょう。

入浴の時間帯を気にする必要がない

追い焚き機能があれば、お湯が冷めても再び加熱できるため、入浴の時間帯がバラバラでも問題ありません。

家族それぞれが自分のタイミングで入浴でき、忙しい家庭にも適しています。

お湯の温度がぬるくなっても、ボタン1つで快適な湯温に戻すことが可能です。

水道代の節約につながる

お湯を毎回捨てずに再加熱できるため、水の使用量を抑えられます。

浴槽のお湯を再利用するため、水道代を節約できる点が追い焚きのメリットです。

水道代を抑えたい方には、追い焚きはおすすめな機能といえます。

お湯が溢れる心配がない

高温足し湯と違って新しいお湯を追加しないため、浴槽の水位が上がる心配がありません。

溢れたお湯によって浴室が水浸しになるリスクを避けられるため、安全性も高いです。

必要な分だけの湯量を保ちつつ、温度だけを上げられる点も追い焚きならではのメリットです。

追い焚きの3つのデメリット

追い焚きは便利な機能ですが、注意すべき点やデメリットがあります。

追い焚きの3つのデメリットは、以下のとおりです。

• 追い焚き機能搭載の給湯器は高額になりやすい
• 配管掃除の手間がかかる
• 入浴剤を使用できない場合がある

追い焚き機能を搭載した給湯器の導入や使用前に、デメリットの詳細を確認しておきましょう。

追い焚き機能搭載の給湯器は高額になりやすい

追い焚き機能を搭載した給湯器は、一般的な給湯器に比べて本体価格が高くなる傾向にあります。

さらに、配管の工事費や設置費がかかる場合もあるため、導入費用が高くなりやすい点に注意が必要です。

追い焚き機能の使用頻度が低い場合や、導入コストを抑えたい場合は、追い焚き機能を搭載していないモデルを選んだほうがよいケースがあります。

配管掃除の手間がかかる

追い焚き配管には、お湯を再利用する過程で皮脂や汚れがたまりやすくなります。

定期的な掃除を怠ると、雑菌が繁殖したり嫌なにおいが発生したりする恐れがあります。

配管を清潔に保つには、追い焚き配管専用の洗浄剤を使って定期的に掃除をおこないましょう。

また、紫外線を照射してお湯を清潔に保つ機能や微細な泡で配管を清潔に保つ機能など、配管掃除の手間を省ける機能を搭載したエコキュートもおすすめです。

入浴剤を使用できない場合がある

追い焚き機能付きの給湯器では、機種によって使用できる入浴剤に制限があります。

成分によっては配管を傷めるリスクや、汚れが付着しやすくなるリスクがあるためです。

入浴剤を使いたい方は、事前に使用可能な入浴剤の種類について取扱説明書での確認が必要です。

追い焚き機能がおすすめな場合

追い焚き機能はご家庭のライフスタイルによって、おすすめできる場合とそうでない場合があります。

ここでは、追い焚き機能の活用が特におすすめな3つのケースを紹介します。

• 入浴時間がバラバラになりやすい場合
• 長時間入浴を楽しみたい場合
• 冬場にできるだけ温かい湯温を維持したい場合

各ケースの詳細をみていきましょう。

入浴時間がバラバラになりやすい場合

家族の帰宅時間や生活リズムが異なる家庭では、追い焚き機能があると便利です。

冷めてしまったお湯を再び温められるため、家族全員が快適な湯温で入浴できます。

共働き家庭や、塾・部活動などで帰宅が遅い子どもがいる家庭では、特に追い焚き機能はおすすめです。

長時間入浴を楽しみたい場合

半身浴や読書など、ゆっくりと長時間入浴を楽しみたい方にも追い焚き機能がおすすめです。

湯温が下がっても手軽に温め直せるため、快適な温度を保ちながら入浴を続けられます。

リラックス効果や美容目的での長湯にも追い焚き機能は便利です。

冬場にできるだけ温かい湯温を維持したい場合

寒い季節はお湯の冷めるスピードが早く、快適な湯温を保つことが難しいですが、追い焚き機能の活用で、温かい湯温をキープできます。

特に冬の気温が下がりやすい寒冷地では、追い焚き機能の重要性が高まります。

寒い季節の入浴を快適にしたい方にとって、追い焚き機能があると心強いでしょう。

追い焚き機能を使用できる給湯器

追い焚き機能を使いたい場合は、対応している給湯器の設置、導入が必要です。

ここでは、追い焚き機能を搭載している代表的な給湯器を2種類紹介します。

• エコキュート
• ガス給湯器

各給湯器の特徴をみていきましょう。

エコキュート

エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす省エネ型の給湯器です。

多くのモデルに追い焚き機能が搭載されており、電気代を抑えながら快適な入浴が可能です。

電力プランによっては、電気料金が安い夜間の電力の活用で、光熱費をさらに抑えられる場合があります。

エコキュートのメリットやデメリットの詳細は、以下のページにまとめているので参考にご覧ください。

【関連記事】エコキュートの6つのメリット・4つのデメリットを解説！安く導入するポイントはココ！

ガス給湯器

ガス給湯器は、ガスを使って瞬時にお湯を沸かすタイプの給湯器です。

追い焚き機能付きのモデルでは、素早くお湯を再加熱できる点が特徴です。

寒冷地でも安定した湯温を保てるため、使用環境を選ばずに活用できます。

ガス給湯器のメリットやデメリットの詳細は、以下のページにまとめているので参考にご覧ください。

【関連記事】ガス給湯器のデメリット・メリットは？エコキュートと比較解説

追い焚きが可能なエコキュートとガス給湯器はどちらがおすすめ？

追い焚き機能を重視する場合、エコキュートとガス給湯器のどちらが適しているかは、家庭のライフスタイルや重視するポイントによって異なります。

電気代の安さや非常時の生活用水への備えなどを重視する場合は、エコキュートがおすすめです。

一方で、エコキュートを設置するスペースがない場合や寒冷地での使用には、安定した加熱性能を持つガス給湯器が適しています。

それぞれの特徴を踏まえたうえで、家族構成や生活スタイルに合った給湯器を選びましょう。

【関連記事】エコキュートとガス給湯器のどっちがお得か徹底比較！メリット・デメリットを解説

追い焚き機能は後付けできる？

追い焚き機能の後付けは可能ですが、いくつか注意点があります。

まず、給湯器本体が追い焚き機能に対応していない場合は、給湯器そのものの交換が必要です。

また、追い焚き機能に対応しているモデルでも、追い焚き用の配管を新たに設置しなければならないため、工事の規模や費用が大きくなります。

既存の浴槽や配管の状況によっては、後付けが難しいケースもあります。

追い焚き機能を新たに導入したい場合は、給湯器の交換も含めて専門業者に相談しましょう。

追い焚き機能搭載の給湯器を導入して入浴時間を快適にしよう

追い焚き機能は、ぬるくなったお湯を再度温める機能で、入浴時間をより快適にできる機能です。

浴槽のお湯を温めることで、時間に縛られずに入浴できるだけでなく、水道代の節約にも繋がります。

給湯器を選ぶ際は、追い焚き機能の有無だけでなく、使用する地域や予算、入浴習慣に合った機種を選ぶことが大切です。

新たに追い焚き機能を取り入れたい場合は、給湯器本体や工事が必要なため、専門業者に相談しましょう。

快適な入浴時間を実現するために、追い焚き機能搭載の給湯器の導入を検討してください。