エコキュートのエア抜きとは？必要性や手順・注意点を解説

「エコキュートのエア抜きの目的は？」「エコキュートのエア抜きの正しい手順は？」などの疑問がありませんか。

エア抜きは、ご自宅のエコキュートを長持ちさせるために必要な操作です。

しかし、エア抜きの目的や手順が分からず、放置しているケースも多いです。

この記事では、エコキュートのエア抜きの必要性や手順を解説します。

また、エコキュートのエア抜きをおこなうタイミングや、操作の注意点もまとめているので、エコキュートのエア抜きに関して疑問がある方は参考にしてください。

エコキュートのエア抜きとは？なぜ必要？

エア抜きは、エコキュートのヒートポンプユニットに溜まった空気を抜くことです。

ヒートポンプユニットはエアコンの室外機によく似た形状で、屋外の空気から熱エネルギーを集め、お湯を沸かす役割があります。

通常ヒートポンプの配管は水で満ちた状態になっており、ユニット内には空気は入っていません。

しかし、エコキュートを継続して使用すると、空気がヒートポンプユニット内部に少しずつ入り込みます。

ヒートポンプユニットの空気を抜くためにエア抜きを定期的におこないます。

エコキュートのエア抜きが必要な理由は次のとおりです。

• 空気が溜まった状態を放置するとトラブルの原因になるから
• ヒートポンプ内の汚れを取り除けるから

エア抜きをせずにエコキュートを使用した場合のリスクもみていきましょう。

空気が溜まった状態を放置するとトラブルの原因になるから

エア抜きが必要な理由は、エコキュートのヒートポンプ内に空気が溜まった状態を放置すると、エコキュートのトラブルが起こりやすくなるためです。

ヒートポンプの配管に空気が溜まると、お湯の循環がスムーズにおこなわれません。

ヒートポンプ内に溜まった空気を放置し続けると、エコキュートのお湯の沸き上げや給湯の効率が悪くなったり、故障したりする可能性があります。

エコキュートの性能低下や故障によってお湯が使えなくなると、生活の快適さを損ないます。

ヒートポンプ内に空気をため続けないように、定期的なエア抜きが必要です。

ヒートポンプ内の汚れを取り除けるから

エコキュートのエア抜きは空気だけでなく、ヒートポンプ内の汚れも取り除けます。

エコキュートの使用にともない、ヒートポンプの配管内には空気だけでなくゴミや不純物などの汚れも溜まります。

配管内の汚れはフィルターの詰まりを引き起こし、給湯効率を低下させる原因の1つです。

エア抜きは配管内の空気を抜く操作ですが、同時にゴミや不純物も排出できるため、配管清掃にもエア抜きは効果的です。

エア抜きは配管内の空気や汚れを取り除く操作で、エコキュートの性能低下や故障を防止し、エコキュートの長持ちにつながります。

エコキュートのエア抜きの方法・手順

エコキュートのエア抜きの手順は次のとおりです。

1. ヒートポンプユニットの水抜き栓を開く
2. 1分以上水を出す
3. 3.水に空気が混じらなくなったら水抜き栓を閉める

一般的に水抜き栓はヒートポンプユニットの側面の下部にあります。

また、水抜き栓は2〜3個設置されているため、すべての水抜き栓でエア抜きをおこなってください。

ご自宅のエコキュートの水抜き栓の正確な設置場所は、取扱説明書で確認できます。

エア抜きの前に水抜き栓の個数と設置場所を確認しましょう。

貯湯タンクのエア抜き手順

エア抜きはヒートポンプ内の空気や汚れを取り除く操作ですが、貯湯タンクのメンテナンス方法は次のとおりです。

1. ブレーカーと漏電遮断機をオフにする
2. 止水栓を閉める
3. 逃し弁レバーを開く
4. 貯湯タンクのなかに約1分間空気を入れる
5. 排水栓を開いて2分以上水抜きする
6. 排水が止まったら止水栓を開く
7. お湯が出ることを確認して逃し弁レバーをもとに戻す
8. ブレーカーと漏電遮断機をオンにする

貯湯タンクのメンテナンスは正確にはエア抜きではなく、水抜きと呼ばれる操作です。

水抜きの操作で貯湯タンク内の空気や不純物、ゴミを取り除けます。

一般的な水抜きの方法を紹介しましたが、操作する部品の設置場所や水抜きの詳細な手順はエコキュートのモデルによって異なる場合があります。

ご自宅のエコキュートの取扱説明書を確認してからメンテナンスしましょう。

【関連記事】エコキュートの水抜きしないとどうなる？水抜きの正しいやり方やタイミング・頻度を解説！

自動でエア抜きをおこなう製品もある

エコキュートのエア抜きを手動でおこなう方法を紹介しましたが、自動でエア抜きをするエコキュートのモデルもあります。

リモコンからエア抜きの操作ができ、水抜き栓の開閉も必要ありません。

メンテナンスの手間を省きたい方はエコキュートの買い替えの際、自動でエア抜きが可能なエコキュートのモデルがおすすめです。

エコキュートのエア抜きをするタイミングは？

エコキュートのエア抜きの適切なタイミングは次のとおりです。

• エコキュートを使い始めるとき
• エコキュートをしばらく使わないとき
• エコキュートの定期メンテナンスのとき
• エコキュートにトラブルが起きたとき

エコキュートの性能低下や故障を防止するために、適切なエア抜きのタイミングを把握しましょう。

エコキュートを使い始めるとき

エコキュートを使い始めるときは、エア抜きをしましょう。

エコキュートはヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯湯タンクにためて、お湯を使用する仕組みです。

エコキュートを設置したあとに初めて使用する際、ヒートポンプ内が水で満たされていないため、エア抜きが必要です。

またエコキュートを一時的に停止し、1カ月以上使わなかった場合もエア抜きをしましょう。

いずれの場合でもエア抜きのあと、エコキュートの機器が水で満たされたことを確認してからお湯を沸かしてください。

エコキュートをしばらく使わないとき

エコキュートをしばらく使わない場合もエア抜きをしましょう。

エコキュートを使わない期間は、次の手順でエコキュートの貯湯タンクから排水してください。

1. エコキュートの電源をオフ
2. お湯が水になったことを確認
3. エア抜きする
4. 排水する

しばらくエコキュートを使わない場合はエア抜きと排水で、ヒートポンプや貯湯タンク内のゴミや汚れを取り除きましょう。

使用を再開する場合も、ヒートポンプ内の空気を取り除くためにエア抜きが必要です。

エコキュートの定期メンテナンスのとき

エコキュートの定期メンテナンスの際もエア抜きしてください。

定期的にメンテナンスをするとエコキュートを長持ちさせられます。

エコキュートのメンテナンス項目は次のとおりです。

メンテナンス項目	詳細
リモコン画面	拭きあげる
配管	洗浄剤を流し込んでメンテナンスする
浴槽フィルター	取り外してブラッシングする
貯湯タンク	水抜きする
ヒートポンプユニット	エア抜きする
給水口ストレーナー	フィルター部分のゴミを取り除く
漏電遮断器・逃し弁・配管接続部	操作と目視で安全確認する
凍結防止ヒーター	切断や故障がないか確認する

エコキュートのヒートポンプユニットのメンテナンスではエア抜き、貯湯タンクのメンテナンスでは水抜きをおこないます。

ヒートポンプと貯湯タンクのメンテナンスは、半年に1回のメンテナンスがおすすめです。

その他のメンテナンス方法や頻度は以下のページで説明しているので、参考にご覧ください。

【関連記事】エコキュートのメンテナンス方法は？お手入れのペースや具体的な掃除のやり方を解説

エコキュートにトラブルが起きたとき

エコキュートにトラブルが発生した場合も、エア抜きしたほうがよいケースがあります。

エコキュートがエラーを検知した場合、リモコンに「H20」「C01」などの英数字のエラーコードが表示されます。

エラーコードからトラブル内容と対処法を確認でき、対処法にエア抜きが必要な場合は指示にしたがってください。

エラーコードが出ても、エア抜きが必要ではない場合もあります。

まず、エラーコードの内容を確認し、必要な場合のみエア抜きしましょう。

エコキュートのメーカー別エラーコードは以下のページでまとめているので、参考にご覧ください。

【関連記事】【パナソニック】エコキュートのエラーコード一覧

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エコキュートエア抜き時の注意点

エコキュートのエア抜きには以下3つの注意点があります。

• 熱湯が勢いよく出る
• 周囲が水やお湯で濡れる
• 手順通りに作業しないと故障のリスクがある

エア抜き時にやけどや周辺の浸水、エコキュートの故障などのリスクがあるため、注意点を確認してエア抜きしてください。

熱湯が勢いよく出る

エア抜きの際、水抜き栓から出る熱湯に注意してください。

エコキュートの貯湯タンク内には高温のお湯が溜まっており、エア抜き時に水抜き栓から熱湯が出ます。

エア抜きの際にやけどしないよう、次の方法で対策しましょう。

• 沸き上げをしていないときにエア抜きする
• 水抜き栓にタオルをかける

貯湯タンクの水抜きでも熱湯でやけどする危険があるので、エコキュートのメンテナンス時は熱湯がかからないように対策しましょう。

周囲が水やお湯で濡れる

エア抜きは、周囲が水やお湯で濡れるリスクがあります。

エア抜きでは、水抜き栓から空気が出てこなくなるまで排水し続ける必要があり、エコキュートの周りが水浸しになることが多いです。

戸建て住宅でエア抜きをする際、自身の敷地内が濡れるだけなら周囲に迷惑をかけないため、さほど問題ではありません。

しかし、集合住宅の場合や隣家の敷地に近い場所にエコキュートを設置している場合は、エア抜きの際に周囲が濡れて迷惑をかける可能性があります。

エア抜き時に周囲を水浸しにしないよう、バケツを用意して水抜き栓からの排水を受け止めましょう。

手順通りに作業しないと故障のリスクがある

エア抜きは適切な手順で作業しないと、エコキュートの故障につながります。

エア抜きの場合は、以下の点に注意してください。

• 排水を数秒間しかしていない
• 水抜き栓を回しすぎる

エア抜きではヒートポンプ内の空気を完全に取り除くために、1分以上水を出して水と一緒に空気が出てこないことを確認する必要があります。

また、水抜き栓を回しすぎると栓そのものが外れてしまう可能性があるため、排水が確認できたら水抜き栓をそれ以上回してはいけません。

エコキュートを長持ちさせるには、手順を守ってメンテナンスを実施しましょう。

エア抜きをしてもトラブルが解決しない場合の対処法

お湯が出てくるまで時間がかかったり、お湯の出が悪くなったりなどのエコキュートのトラブルは、エア抜きで改善できる場合があります。

もし、エア抜きをしてもトラブルが解決しない場合は、次の方法を検討してください。

• メーカーや業者に点検や修理を依頼する
• エコキュートを交換する

エコキュート本体の劣化や故障がトラブルの原因の場合は、エア抜きでは対処できないため、以下の方法での対処が必要です。

メーカーや業者に点検・修理を依頼する

エア抜きをしてもトラブルが解決しない場合、まずはエコキュートのメーカーや業者に点検や修理を依頼しましょう。

エコキュート本体や配管に不具合が起きている場合、自身での対処は困難です。

もし、エコキュートが保証期間内であれば、修理費用を抑えられます。

エコキュートの保証期間の詳細は以下のページで説明しているので、参考にご覧ください。

【関連記事】エコキュートの保証期間はどのぐらい？延長保証やメーカーごとの違いを解説

エコキュートを交換する

エコキュートの設置から10年近く経過している場合や保証期間外の場合は、エコキュート本体の交換を検討しましょう。

エコキュートを交換して新しいモデルに変更すると、次のメリットがあります。

• 光熱費の大幅なカット
• 環境に優しい
• 災害時の非常用水として活用できる

特に新しいモデルのエコキュートは省エネ性能が高く、光熱費の節約できます。

エコキュートの交換業者の選び方や交換費用の詳細は、以下のページで説明しているので、参考にご覧ください。

【関連記事】【知らなきゃ損】エコキュートの交換はどこに頼む？失敗しない業者選びのポイント5つを徹底解説

【関連記事】エコキュートの交換費用は？買い替え時期やメリット・補助金活用について徹底解説！

エコキュートの定期的なエア抜きでトラブルを防ごう

エコキュートのエア抜きはヒートポンプ内の空気と汚れを取り除く方法で、エコキュートを長持ちさせるために必要です。

エコキュートを使い始めるときや定期メンテナンスの際にエア抜きすると、エコキュートの性能低下や故障を防止できます。

エア抜きや貯湯タンクの水抜きなどの定期的なメンテナンスを実施して、エコキュートの寿命を延ばしましょう。

また、エコキュートのエア抜きをしてもトラブルが解決しない場合は、エコキュート本体の劣化や故障が原因と考えられます。

エコキュートの点検や修理を業者に依頼するか、エコキュート設置から10年近く経過している場合は、本体交換の検討も必要です。

信頼できる業者に相談して、エコキュートを修理、交換して快適な生活を取り戻しましょう。