エコキュートのお湯は飲用ではない?理由や活用法・衛生面を解説!

エコキュートは、省エネで環境にも優しい給湯器として多くの家庭で利用されています。
しかし、そのお湯が飲用には適さないといわれている理由をご存知でしょうか。
実は、水道法が定める基準やタンク内の環境が関係しており、誤った使い方をすると健康リスクが生じる可能性があります。
この記事では、エコキュートのお湯が飲用に適さない理由を解説するとともに、安全に飲用する方法やエコキュートを清潔に保つコツ、災害時の活用法などを詳しく紹介します。
エコキュートの正しい使い方を学び、より安心・安全な生活を送りましょう。
エコキュートのお湯は飲用できない?
エコキュート内のお湯を飲用するのはおすすめできません。
メーカーのパンフレットやWebサイトのQ&Aなどを見てみると、エコキュートのお湯を飲む際には、一度沸騰させるように記載されています。
ただ、うがいや歯磨きでお湯を使うことに関しては、メーカー側から禁止の言及はありません。
うがいや歯磨きで口に含む程度や、食器洗浄時にエコキュートのお湯を使う分には、特に問題はありません。
お風呂につかっているときに、あやまってお湯を少し飲んでしまったくらいでは、深刻に心配する必要はありません。
エコキュートのお湯が飲用に適さない理由
エコキュートのお湯が飲用に適していないといわれるのは、タンク内が雑菌などで汚いからというわけではありません。
入浴や洗濯で使う分には十分に衛生的です。
では、なぜ飲用として推奨されていないのでしょうか。
理由は、次の2点です。
- 水道法が定める飲用としての基準に満たないから
- 水道水の成分や配管に含まれる不純物がタンク内に沈殿するから
順にみていきましょう。
水道法が定める飲用としての基準に満たないから
貯湯タンク内のお湯は、一度加熱されることで水道水に含まれる消毒作用のあるカルキ※などの成分が抜けるため、飲料水としての水質基準を満たさなくなる可能性があります。
日本の水道法には厳格な基準があり、蛇口から出てくる水道水には一定数以上の塩素が残っている必要があります。
そのままでは、飲料水としての基準に適合しないため、メーカー各社が飲用として推奨していません。
※カルキとは、水道水が含んでいる「次亜塩素酸カルシウム」のことで、高い殺菌効果があります。
水道水が、カルキ臭いとよくいわれるのは、殺菌されている証です。
水道水の成分や配管に含まれる不純物がタンク内に沈殿するから
タンク内にある水は水道から直接引き込まれており、外気に触れることはなく高温で加熱されるため、ほぼ滅菌状態です。
ただ、長く使用することで、水道水が含有しているマグネシウムなどのさまざまな成分がタンク内に蓄積されていきます。
これらの成分が酸化してしまうことで、内部に付着してしまうことがあります。
電気ケトルを使用したことがある方は、ケトルの内側に白いくすみや汚れが付着しているのを見たことがあると思いますが、それと同じような状態です。
このように、水道水の中の不純物がタンク内に沈殿することも、飲料に適していない理由です。
エコキュートのお湯を飲用するには?
ここでは、エコキュートのお湯を飲用する方法を紹介します。
- お湯を煮沸すれば飲用可能
- エコキュートでも水はそのまま飲用できる
- エコキュートのお湯がそのまま飲用できる機種がある
順に説明します。
お湯を煮沸すれば飲用可能
エコキュートのお湯は、「煮沸」すれば飲むことができます。
各メーカーもエコキュートのお湯を飲む際には、一度煮沸するよう説明をしています。
ただ、 沸騰させれば飲めるかというと、そうとは限りません。
タンク内のメンテナンスが定期的におこなわれていれば問題ありませんが、そうでなければ、タンク内を清潔に保つことができません。
清潔でなければ、沸騰させても飲用には問題があります。
定期的なメンテナンスをおこなっていることが、煮沸して飲用水として使用できる条件です。
エコキュートでも水はそのまま飲用できる
エコキュートのお湯は、沸騰させなければ飲用に適しませんが、水であればそのまま飲用可能です。
エコキュートと水道水の配管は、タンク内に貯めた熱湯を水道水と混合して適温にするため別々になっています。
キッチンなどは、ほとんどが混合水栓になっており、水道水とエコキュートのお湯との切り替えが簡単にできるため、水の方に切り替えるだけで水道水を使用できます。
水道局から送られてくる水は、安全性が確認されているため、安心して水道水として飲むことができるのです。
エコキュートのお湯がそのまま飲用できる機種がある
日立は、お湯を煮沸することなく、そのまま飲めるエコキュートの販売をしています。
貯湯タンクに溜めたお湯ではなく、お湯を作る水道水を熱交換器で一瞬にして沸かすため、タンク内のお湯と混ざることなく、水道水の水質のまま飲めるのが特徴です。
ただ、この給湯システムは台所やシャワー配管でのみおこなわれます。
お湯はり用の配管には、通常のエコキュートと同じようにタンクのお湯が使われるため、浴槽のお湯は飲用に適しません。
参考:日立の家電「浴室と台所など同時にパワフル給油で快適に[水道直圧給油]」
エコキュートのタンク内は汚い?清潔に保つ方法
エコキュートのタンク内はどのような状態なのか、清潔に保つにはどうすればいいのかみていきましょう。
- タンク内が錆びる心配はほとんどない
- 貯湯タンクの水抜き
- 配管の掃除
順に説明します。
タンク内が錆びる心配はほとんどない
以前の貯水式タンクは、容器が鋳物でできていたため錆が発生していましたが、現在はほとんどのエコキュートがステンレス製でできているため、タンク内が錆びる心配はありません。
ただ、長く使用することで、給水管や給湯管から出る汚れで、お湯に茶色の錆のようなものが混ざっていることがあります。
また、前述したように水道水に含まれる成分が酸化することで汚れとして沈殿する場合もあります。
これらタンク内にある付着物や沈殿物は、定期的に貯湯タンクの水抜きや配管の掃除で改善できるため、定期的にメンテナンスをおこないましょう。
貯湯タンクの水抜き
エコキュートの貯湯タンクの水抜きは、タンク内にあるお湯をすべて抜くことでおこないます。
【貯湯タンクの水抜きの手順】
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貯湯タンクの水抜きは、年に3回程度おこなうことをおすすめします。
配管の掃除
配管洗浄では、専用の洗剤※を使用して配管を洗浄します。
具体的には、下記のとおりです。
【配管洗浄の手順】
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配管の掃除は、半年ごとにおこなうことが推奨されています。
※エコキュートの主要メーカーが推奨する配管用洗浄剤は下表のとおりです。
メーカー名 | 推奨する配管用洗浄剤 |
ダイキン | ・ジャバ(1つ穴用) |
日立 | ・ジャバ(1つ穴用) |
パナソニック | ・ふろ循環回路洗浄剤(メーカー純正品)D-3755-2AH
・市販の風呂釜洗い用洗剤(1つ穴用) |
三菱電機 | ・配管洗浄剤(メーカー純正品) BJ-070L
・ジャバ(1つ穴用) |
コロナ | ・クリーンリル
・ジャバ(1つ穴用) |
純正品のほか、ほとんどのメーカーにおいて「ジャバ(1つ穴用)」が使用可能とされています。
出典:Amazon
エコキュートの水抜きに関するより詳しい情報を知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】:エコキュートの水抜きしないとどうなる?水抜きの正しいやり方やタイミング・頻度を解説!
エコキュートは災害時に役に立つ!
エコキュートは、万が一災害が起こった際に役立ちます。
- エコキュートのお湯は災害時に生活用水として利用可能
- エコキュートのお湯を災害時に使う際の注意点
順に説明します。
エコキュートのお湯は災害時に生活用水として利用可能
東日本大震災が起こった際は、ライフラインが復旧するまでかなり時間がかかりました。
- 電気:約1週間
- 水道:約3週間
- ガス:約5週間
電気は、一番早く復旧しましたが、水が使用できないとなると生活自体ができません。
エコキュートがあれば、少しでも生活用のお湯を使用できます。
エコキュートは、貯湯タンクに大量の水を貯めておき、そこから必要なときに随時お湯を供給するシステムとなっているため、断水となった場合でも、非常用水の確保ができます。
電気が使用できない場合でも、エコキュートならシャワーや蛇口からお湯を使うことが可能です。
貯湯タンクに貯まっているお湯が使用でき、お湯がなくなると水が出るようになります。
種類にもよりますが、タンク内では500リットル前後の水が蓄えられるものもあるため、非常時に少しずつでも使用できるのは心強いです。
なお、断水時のエコキュートの使用方法や注意点に関する詳しい情報は下記の記事をご覧ください。
【関連記事】:エコキュートは断水時にも使える?非常時の対処法をメーカー別に解説!
エコキュートのお湯を災害時に使う際の注意点
エコキュートは、災害時に生活用水として役に立ちますが、飲用として使う場合には注意が必要です。
貯湯タンクのお湯は前述したように、煮沸しないと飲用には適しません。
災害時に停電で電気が使えない場合、煮沸ができないため貯湯タンク内のお湯を飲むことはできません。
災害時の停電時に備えて、普段からお湯を沸かすためのカートリッジ式ガスコンロなどを確保しておきましょう。
エコキュートのお湯は煮沸してから飲用に使おう!
エコキュートのお湯は、通常飲用を想定していませんが、適切に煮沸すれば飲用可能です。
水道水に含まれている成分や給水管や給湯管から出る汚れにより、完璧に清潔な状態を保てない可能性があるため、飲用する際は必ず煮沸して安全性を確保しましょう。
また、定期的な配管の清掃や貯湯タンクの水抜きなど、定期的なメンテナンスをおこなうことで、災害時や非常時にも安心して利用できる環境を整えられます。
日頃から清潔に保つ習慣をつけることで、エコキュートはより快適で便利な設備として活用できるでしょう。
エコキュートを正しく管理し、安全に利用するために、今回の記事をぜひ参考にしてください。
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