エコキュートは断水・停電時にも使える？災害時の操作や復旧方法も解説

「エコキュートは断水や停電時にも使えるのか」
「断水と停電両方が起こった場合、どうなるのか」
「災害時や復旧時はどう操作すればよいのか」

このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか？

エコキュートは断水や停電があると、多くの機能が制限されます。

ただし非常用水をえるなどして、災害時の行動に役立てることは可能。

今回はエコキュートが断水・停電した場合の使用可能な機能や災害時の操作方法などを解説します。

災害時の備えが必要な方は参考にしてください。

エコキュートは断水・停電時にはほぼ使えなくなる

断水もしくは停電が発生した場合、ほとんどの機能が使えなくなります。

詳細は下記を参考にしてください。

項目	停電時	断水時	停電と断水が同時に生じている場合
非常用水を取り出す	可	可	可
シャワーや蛇口から給湯する	可	不可	不可
浴槽に給湯する	可	不可	不可
沸き上げする	不可	不可	不可

停電時、タンクにお湯が残っている場合のみ給湯できます。

ただし温度を調整する機能が停止しているため、高温のお湯が給湯される場合があるので注意してください。

断水時もしくは停電と断水が同時に生じている場合、すべての機能が使えないと考えましょう。

非常時の機能停止と対処法に関して下記記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

関連記事：エコキュートは断水時にも使える？非常時の対処法をメーカー別に解説！

断水・停電時にエコキュートから非常用水をえる方法と活用法

断水・停電時では、エコキュートの貯湯タンクから非常用水をえられます。

貯湯タンク内部の水は、飲用に適さないものの、洗髪や清掃などに利用できます。

非常用水をえる方法は、以下を参考にしてください。

1. 給水止水栓を閉めて泥水などの侵入を防ぐ
2. 漏電遮断機の電源を切る
3. 逃し弁レバーを上に上げる
4. 取り出し口にホースを接続する
5. コックを開いて給水する

ただし、非常用水を取り出す方法はメーカーによって多少の違いがあります。

取扱説明書を確認しながら作業しましょう。

断水・停電時のエコキュートの操作

断水や停電があった時、エコキュートには特定の操作が必要です。

ここでは以下の場合に分けて解説します。

• 断水時の操作方法
• 停電時の操作方法

この操作は、エコキュートの故障や浸水を避けるうえで重要です。

確認のうえ、適切に操作しましょう。

断水時のエコキュートの操作方法

断水時はすみやかに以下の操作を実施します。

メーカー名	対処法	参考
ダイキン	・給水止水栓を閉める ・給水止水栓の場所がわからない場合、水道メーター横の止水栓を閉める	ダイキン 断水したときの対応と非常用水の利用方法（エコキュート）
日立	1.貯水タンク専用止水栓を閉める 2.逃し弁を開く 3.脚カバーを外す	日立：エコキュート 断水時の処置
パナソニック	・給水元栓を閉める ・給水元栓の場所がわからない場合は、給湯側の蛇口を閉める	パナソニック 【エコキュート】断水・水道工事時の対処方法
三菱電機	給水配管専用止水栓を閉める	三菱電機 非常時の取水方法
コロナ	貯湯ユニットの給水専用止水栓を閉める	CORONA エコキュート
長府製作所製	1.貯水タンクのノブねじを外す 2.脚部カバーを外す 3.給水元栓を閉める	CHOFU 停電・断水時の対応 エコキュート

給水止水栓（給水元栓）の位置は、メーカーや機種によって異なります。

位置がわからない場合は、取扱説明書を参照しましょう。

電話が利用できるなら、メーカーに問い合わせるのも一つの方法です。

停電時のエコキュートの操作方法

停電時は、エコキュートの電源をオフにしなければいけません。

貯湯タンクユニットの「漏電遮断器」をオフにすれば電源が切れます。

これは漏電による火災を避けるための操作です。

なお、漏電の可能性があるのはエコキュートに限りません。

ほかの電化製品も、コンセントプラグを抜き、事故が起こらないようにするとよいでしょう。

断水・停電から復旧した際のエコキュートの操作方法

断水や停電から復旧した際、エコキュートでは特定の操作が必要です。

以下に分けて解説します。

• 断水からの復旧時の操作方法
• 停電からの復旧時の操作方法

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

断水から復旧時のエコキュートの操作方法

断水から復旧した場合は、以下のように操作します。

1. 水道の蛇口を開く
2. 水流に汚れが混ざっていないことを確認する
3. エコキュートの給水止水栓を開く
4. 給湯を実施し、水流に汚れが混ざっていないか確認する

この手順で、再度、給水と給湯ができるようになります。

また水流に空気が混入しているように見える場合、解消されるまで水を出し続けます。

なお、この操作は、水道局から届く断水復旧の告知を受けてから実施しましょう。

停電から復旧時のエコキュートの操作方法

停電からの復旧時は、リモコンユニットを確認します。

普段と同様の表示がされていれば、そのまま使用して問題ありません。

エラーコードが表示されている場合は、取扱説明書を見ながら、適切に対処しましょう。

また断水と停電の両方から復旧した場合は、先述した「断水から復旧時のエコキュートの操作方法」もあわせて実施してください。

エコキュートを導入している場合の停電・断水時の備え

エコキュートを導入している場合、生活用水をえることは可能です。

あわせて以下の備えがあれば、停電・断水時でも安心です。

• 非常食
• 飲料水
• モバイルバッテリー
• 懐中電灯と電池
• 防寒着

停電や断水が生じた場合、エコキュートを含めて、飲料水を確保する手段と保温に必要な電子機器の使用が大幅に制限されます。

これらを踏まえて、上記のものを用意しておくとよいでしょう。

エコキュートと停電・断水に関するQ&A

この記事ではエコキュートの停電と断水に関して解説しました。

ここではよくある質問に回答します。

• 貯湯タンクから取り出した非常用水は煮沸消毒すれば飲めるか？
• 蓄電池があれば停電時でも給湯できる？
• 停電後に復旧に必要な操作をしても電源がつかないのはなぜ？

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

Q：貯湯タンクから取り出した非常用水は煮沸消毒すれば飲めるか？

A：非常用水は煮沸消毒しても飲用には適しません。

煮沸消毒すれば、たしかに殺菌はできます。

しかし貯湯タンクには不純物が沈殿することがあり、これは煮沸消毒では除去できません。

また断水している場合、水道管に異物が流れ込み、それが貯湯タンクに供給されている可能性もあります。

よほどの事情がない限り、貯湯タンクの非常用水を飲用するのは推奨できません。

Q：蓄電池があれば停電時でも給湯できる？

A：蓄電池があれば、停電時にも給湯することは可能です。

• 蓄電池がエコキュートに対応している
• 蓄電池が「全負荷タイプ」である
• 実際に蓄電されており、エコキュートへの電源供給が健在である

上記に該当している場合は、給湯できます。

Q：断水・停電から復旧した際に必要な操作をしても電源がつかないのはなぜ？

A：断水・停電から復旧し、必要な操作を実施したにもかかわらず電源が入らない場合、エラーコードが表示されているはずです。

その場合、取扱説明書を読みながら、エラーコードに応じた対処を取りましょう。

それでも改善が見られない、エラーコードが表示されない場合は故障が考えられるので修理業者に連絡しましょう。

まとめ：エコキュートを使用している場合は停電時に事前に備えるのが重要

本記事では、断水・停電時のエコキュートの使用に関して解説しました。

断水・停電が生じた場合、エコキュートのほとんどの機能が使えなくなります。

ただし生活用水をえるなどの活用方法はあります。

とはいえ給湯などができなくなり、飲用水も得られません。

このような事態に備えて、普段から非常用の備品を用意しておくことが重要です。